転生レ級の鎮守府生活   作:ストスト

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前・後編だと思った?
残念!前・中・後編でした‼︎


「三宅島奪還作戦‼︎(中編)」

ーーーーーー潮風が、俺の顔を

撫でる。水飛沫が黒のコートを濡らす。

 

「レンゲ‼︎速力速いから少し下げろ‼︎」

 

後ろから天龍の声が響く。

天龍の速力で追いつく事が出来ない。

やはりの(レ級)の身体スペックは相当な

ものらしい。だが、今はそんな事を

考えている場合ではない。

なんだかさっきからだんだんと嫌な予感が

増してきている気がするのだ。

急がずにはいられなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ギギ……ドチクショウノシンカイセイカン

ドモメ……オカゲデ、サンズガゼンイン

カタヅケチマウダローーガ‼︎」

ダイダラが死にかけのニ級を巨爪で

叩き殺し、その傷口から燃料を補給した。

 

フジツボはハ級やヌ級の死骸にたかり、

その肉や装甲を削りとり食べていた。

 

「……ン?レーダーニカンアリ……

サンタイイルナ。ツイデダ、シズメテヤル」

 

ダイダラはフジツボに命令を下すと、

その近くにいる存在ーーーーーー、

レンゲ達に向けて進み出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……200m先に多数の艦影を確認‼︎

深海棲艦です‼︎」

 

遠くに何かが見えた。白い巨大な

ロボットのような化け物……否。

俺はそれを見て叫んでいた。

 

「違う……あれは……あれは、

深海棲艦じゃあないッ‼︎

丙型だッ‼︎あの爬虫類野郎の仲間だ‼︎」

 

「⁉︎何ッ⁉︎」

 

瞬間、すぐ側に砲撃が着弾した。

見ると、あの三脚ロボットの体の下から

20.3cm連装砲が覗いているのが見えた。

更にその体の上部には2基の高角砲。

そばにいるイ級のような化け物は

口と思われる所から触手と共に12.7cm連装砲が

せり出していた。

 

「ブチコロスッ‼︎ファイアァッ‼︎」

 

再び砲弾が雨霰の如く飛んでくる。

 

「いつまでも撃たせると思ってんのか

このやろーッ‼︎」

天龍も負けじと14cm単装砲を撃ち込んだ。

その砲弾はイ級もどきに命中。

爆散する。

 

「俺だって……やってやる‼︎」

俺も尾に付属している41cm砲で砲撃する。

その一撃はイ級もどきをぶち抜き、背後に

いた仲間に着弾して爆砕した。

どんどんと敵がその数を減らせてゆく。

 

「ナメルナヨガキドモガアァァッ‼︎」

 

三脚ロボットが俺に向けて3基の大砲を向ける。

俺は反射的にその場から逃れる。

直後、俺がいたあたりの海面が吹っ飛んだ。

俺もその煽りを受けて海面に叩き付けられる。

 

「オワリダ。センカンレキュウ‼︎」

再び大砲が俺に向いた。

 

「させるかァッ‼︎」

 

瞬間、機銃の弾丸が三脚を襲った。

それは大したダメージを与えはしなかったが、

標的を俺から天龍に変えることになった。

 

「テメェ‼︎フザケヤガッテ‼︎」

 

「天龍さん‼︎」

三脚が天龍を向いた刹那、艦載機烈風の

機銃射撃が三脚を攻撃した。

翔鶴だ。翔鶴の艦載機だ。

 

「テメェモカ‼︎マトメテシズメコノヤロウ‼︎」

 

大砲が天龍と翔鶴の二人に向く。

俺はある一点を目指して、速力を

最大にした。

 

三脚が気づいてこちらに大砲の向きを変えた。

だが俺は止まらない。止まったら逆に

当たる。

ズドオオォォォォォォン‼︎

三脚が放った砲弾は俺のすぐ後ろに着弾した。

 

「⁉︎ナニィ‼︎」

 

慌てて三脚が20.3cm連装砲を

下に向けるが間に合わない。

俺はスライディングで奴のカプセルみたいな

体の真下に潜り込んだ。

 

(ミスるなよ……ミスしたらニ度と、

ニ度とこいつは隙を作らない‼︎)

 

俺はこれまでにない程に意識を集中して、

奴の体に、外すことなく必殺の一撃を

撃ち込んだ。

爆発。 爆裂。 爆散。

 

三脚の体の上下に風穴が開く。

そこから火花が大量に散る。

 

「バ、バカナ……⁉︎

ジュウジュンノコノオレガ……

イチ……ゲ……キデ……」

 

体にひびと光が走ってゆく。

俺は慌てて奴の体の下から逃れた。

 

「オレガ……オレタチ(・・・・)ガ……

マケル……ダ……ト……⁉︎」

 

大爆発を起こし、三脚は轟沈した。

体はバラバラとなったが、その巨大な足は

ブクブクと海の中に沈んでいく。

残っていたイ級もどきも蜘蛛の子を散らすように

逃げてゆく。

 

「あいつらを追うぞ。その方がずっと

羅針盤よりも三宅島に早く着ける」

 

天龍の言葉に従って、俺達は逃げる敵の

後を追うのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁっ……はぁっ……」

 

一方、金剛はというと、サンズを相手にしていた。

他の皆はサンズによって海面に叩き伏せられ、

加賀はイカリに拘束されたままだった。

 

「ヒューッ‼︎ 粘るねぇ〜♪こりゃ想定外だわ。

どうやら、少しだけ本気を出さねーと

いけないなぁこりゃ」

対してサンズは息一つ乱さず、口調は

おちゃらけていたものの冷静に金剛を

見据えていた。

 

「本気といっても、俺の能力を一つだけ。

見せてやるだけなんだけど、さ」

 

そう言いながらサンズの左目が水色に光る。

 

「くっ……Fireeeeeeee‼︎」

 

金剛は構わず至近距離から砲撃した。

刹那、サンズの左目が水色から、

オレンジ色に変わり。

 

 

 

 

1秒後、金剛は全身に打撃を喰らっていた。

 

 

「W……ha……t……⁉︎」

 

「これが俺の能力の一つさ。

“身体と思考のスピードを1秒間だけ10倍にする”。

つまり、普通の1秒が能力を使用したら

10秒に感じられる訳だね」

 

金剛は危うく倒れかけたが、なんとか

踏みとどまった。

 

「まだ、まだ倒れる訳には……」

 

「決意、か。強いな。

……その強さに敬意を表して、俺の……

いや、丙型生命体の秘密をお教えしよう」

 

サンズは、おちゃらけた口調から、

真剣な口調に直した。

 

「俺達の事をお前らはただ単に

知能が異常発達した深海棲艦とか、

何者かに改造されたとか思ってんじゃないか?

……違うね。俺達は、人間であり船でもある(・・・・・・・・・・)

……まぁ、簡単に言うと。

 

 

 

 

 

 

船の怨念とその乗員達の怨念が融合して

生まれた存在。それが丙型生命体だ」

 

サンズはそう、静かに、しかし誰の耳にも

聞こえるように、言い放った。




同じく深海棲艦の小説を書いている
あら汁さんからコラボのオファーが‼︎
しかし投稿キーを押してあったおかげで
成りすましの疑いが晴れない‼︎

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