転生レ級の鎮守府生活   作:ストスト

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しばふ村ってSCPなんじゃね?


「結託」

 

ーーーーーー金剛が島民の救助を失敗した事を

報告した時、横須賀、内房両鎮守府の面々は

衝撃を受けた。

 

「んな、馬鹿な……船の中の島民を

人質にして、逃げる時に船ごと爆殺したのかよ⁉︎」

 

天龍が驚くのも無理はない。

今までの深海棲艦はそんな真似を、

それこそ鬼や姫ですらもしなかったのだ。

対策を講じろと言われても即座に対応できる事

ではなく、奮闘した金剛達はむしろよく

頑張った方であった。

 

「うう……申し訳ないデース……ひっく……」

 

金剛が泣きながら皆に謝る。

 

「いや、お前達はよく頑張った。

奴らの戦力も若干ながら判明したし、

三宅島の奪還作戦を翌日の12:00(ヒトフタマルマル)

開始する」

 

金剛を慰めながら他の皆に命令を伝える芝浦提督。

 

「落ち着け……お前は精一杯頑張ったんだ……

誰にも責められる事じゃないさ……」

 

「うううッ……テイトクーーーーーー‼︎

うわあああああああんッ‼︎」

 

金剛が芝浦を抱き締め、ボロボロと泣き始めた。

 

「神崎提督」

 

金剛を抱き締めながら、芝浦が振り返る。

そこには、丙型生命体に対しての静かな

怒りが宿っていた。

 

「……分かっていますよ。もうこれは、

内房鎮守府だけの問題ではない。

我々横須賀鎮守府も出来る限りサポートします」

 

「ありがとうございます。必ず、

三宅島を奪還しましょう」

 

手こそ握りはしなかったが、その瞬間は

二人が互いに分かり合おうと歩み寄ったように見えた。

 

「貴女達ももう休んでいて下さい。

明日、我々も作戦に参加します」

 

当然、俺達は敬礼をした。

無論、陸軍式じゃなく、海軍式で。

そして、こう応えた。

 

「「「「「「「了解‼︎」」」」」」」

 

 

 

そして、

内房、横須賀両鎮守府は、三宅島奪還作戦を

開始したのであった。

Xデーは翌日7月16日、12:00。

非公式ながら、丙型生命体に対する

初の反撃作戦であり、丙型生命体を

初めて相手とした作戦だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その夜。

三宅島のとある漁港。

 

「えー、それでは三宅島の征服を祝って……

カンパーイッ‼︎」

 

「カンパーイ」

 

「……フン」

 

そこではサンズ達がスーパーから持ち寄った

酒等の資源で宴会をしていた。

 

「やーよかったよかった。

予想したより被害が出なくてさ」

 

「弾薬465、燃料320。

一応、この島で得た資源に比べれば

微々たるものだね」

 

ビールを飲みながらゲンブがリストを

見る。

 

「とりあえず、限界でどこまで出せるのかな?」

 

「弾薬は工面しないといけないが、

燃料は2360までならギリギリ大丈夫だ」

 

「ホゥ。ナカナカイケルジャナイカ」

 

ダイダラが巨爪で燃料を突き刺し、そこから

燃料を補給する。

 

「ま、後は鎮守府の連中がどうやるかだね。

兵糧攻めされたら即座にアウトだが、まぁ

そんな事まずしないだろうな」

 

サンズがホームセンターで発見したポーチから

何かと取り出した。

 

「なんだ、それは」

 

「投げナイフ。何かの役には立つだろ」

 

サンズはチャキッと音を立てて

両手に5本ずつ、合計10本の投げナイフを

イカリに見せてから仕舞った。

 

「まだフジツボはいるんだろ?」

 

「ああ、吐いて捨てる位いるさ」

 

「シキハオレニマカセロ」

 

「勝手にしろ。俺は何も言わないから」

 

めんどくさそうに手をひらひらと振ると

サンズは立ち上がり、漁港の出入り口に向かった。

 

「フン。あいつには覚悟と意志が欠如してるんだ。

だからあんなにふざけているんだ。

私は奴とは違う。どんな方法を使ってでも

目的を達成してやるのさ。

無論、共倒れなんて馬鹿な真似はしないがね」

 

イカリが聞こえよがしにサンズを

嘲笑するが、サンズは気にも止めず

出て行った。

 

「くだらないくだらない。

執念とか、恨みとか、怒りとかさァ。

My name is Legion. Because we are a crowd.

だから俺はいらねぇんだよ。

そんな下世話な俗物は」

 

サンズは出て行く間際、そう小さく言ったが、

誰の耳にもそれは聞こえなかった。




サンズとかのオリキャラって
姿の表現が難しいなぁ……。
挿絵書ければ楽なんだけど、
正直下手くそだからね……。
まぁいいや次の話を書こう。

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