転生レ級の鎮守府生活   作:ストスト

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夏休みが始まるぜyeaaaaaaaaaahhhhh‼︎
但し学校の講習がある。


「レ級とヲ級」

 

内房鎮守府。そこで俺は天龍達を探していた。

 

「あれー……皆どこにいるんだ……?」

 

そう言って、右側にあった扉のドアノブを

回す。

 

「そこは物置だ。横須賀の連中は

3階の食堂にいる」

 

「え、あ、すいません」

 

振り向くと、そこには見た目18歳位の

女性がいた。その目は赤く、俺と同じくらい

病的に肌が白い。

ヲ級となった芝浦提督だった。

 

「……会うのはこれで二度目だが、

話すのは初めてだな。

食堂まで案内してやる。付いてこい」

 

そう言いながら芝浦提督は白い長髪を

翻し、歩いていった。俺は慌ててその後を

追う。

 

 

 

「俺を止めてくれて、感謝する」

途中で、ポツリとお礼を言われた。

 

「話は翔鶴から聞いた。俺があのままだったら

殺されていたか、または本当に心まで深海棲艦に

なっていただろう」

 

「……」

 

「だが、気になる事が一つだけある。

なぜ、その時鎮守府から逃げ出すことも

出来たのにしなかったんだ?」

 

その問いは、彼(今は彼女だが)にとっては

かなり分かり難い事態だろうが、俺に

とっては愚問であった。

 

「そりゃ、皆と一緒にいたいからですよ。

一緒にいたいのに理由がいりますか?」

 

芝浦はそれを聞いて、一瞬驚いたような顔を

したが、やがて口端を僅かに上げた。

(多分笑ったのだろう。ニヒルな笑い方だ)

 

「……フフ、そうか。俺も、似たような

事を思っているからな。

最も、上手くいかないのが常だがね……」

 

その声は、諦めの色を浮かべていた。

 

「多分、皆に伝わってますよ。絶対に。

根気よく、皆の事を思い続ければ、

いつか必ず伝わるはずです」

 

この言葉が、俺の口から付いて出た。

 

「いい奴だな、お前。深海棲艦だと思っていた

自分が恥ずかしいよ」

 

今度はニヒルな笑みではなく、ちゃんとした

微笑みを芝浦は浮かべた。

 

「ところで、芝浦提督は翔鶴の事を

どう思っているんですか?」

 

途端、芝浦提督の動きがぎこちなくなって、

顔が赤く染まり始めた。

 

「そ、そそそれは〜……まぁ、その……

なんだ……えと、うん、あれだ、あれ」

 

あれってなんだよ。

というか芝浦提督、翔鶴の事になると急に……

……あっ(察し)。

 

「もしかして、翔鶴さんのこと」

 

「そそそんなわけががな、ないだろうが‼︎

た、唯の提督と秘書艦という真っ当な関係だッ‼︎

ほら、早く行くぞ」

 

そうか〜芝浦提督は翔鶴さんのことを

そんな風に思っていたんだ〜。

 

「な、なに変な目で見ているんだ⁉︎

早くしないと置いてくぞ‼︎」

 

「あああああ待って待って‼︎」

 

俺は翔鶴さんと芝浦提督の事を

幸せになるよう祈りながら後を追うのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、船の救助隊は苦戦を強いられていた。

船の中に丙型生命体がいることにより、

丙型生命体を攻撃出来ないばかりか、

船の中の島民を救助することも不可能だった。

 

「厄介ね……深海棲艦ならすぐに沈めるから

船を守るだけでよかったのに、まさかこんな

狡猾な真似をしてくるなんて」

 

蒼龍が、一機の艦載機を船の機甲板にいる

イカリに突撃させた。

艦載機の機銃がイカリを向いた瞬間に。

イカリが放った銛のような砲弾で真ん中を

刺し貫かれ爆散した。

 

「そして、あの艤装……長く見積もって

射程は300m位かしら」

 

イカリが蒼龍の方を向いて、こう言った。

 

「次に貴様は……

“全く本当に悪魔ね……”という‼︎」

 

「全く本当に悪魔ね……ッ⁉︎」

慌てて蒼龍がイカリの方を見る。

 

「ハハハハハハハ‼︎愉快極まりないね!

既にこの船は乗員と共に沈む運命(・・・・・・・・・)なのに、

露とも知らず戦う君達を見るのは‼︎」

 

高笑いしながらイカリは手すりに身体をもたげた。

 

「沈む運命……⁉︎どういう意味よ⁉︎」

 

「私はね。この槍を6本持っている」

と、イカリは魚雷が先端に付いた槍を構えた。

 

「だけども。今私が持っているのは2本だけ。

残りの4本はどうしたと思う?」

 

 

「……‼︎まさか、そんな‼︎」

 

「勘がいいなぁ。私は、4本の槍を。

この船に突き刺してあるんだよ‼︎

爆破したら最後、致命傷になる所にね‼︎

そしてッ‼︎今、私は起爆してやる‼︎

貴様らに、“絶望と悔しさ”を打ち込んでやるよ‼︎」

 

蒼龍が矢をつがえる。イカリがマスクをつけながら

手すりから身体を滑らせて海面に飛び込む。

 

「私の、勝ちだ。また会おう。noi Fool(愚か者達)

 

 

 

 

船が、噴火した。

無論、本当に噴火したわけではない。

まるで噴火したように爆破されたのだ。

船の欠片が燃えながら海面に落ちてくる。

蒼龍は、あまりの出来事に、立ち尽くしていた。

そして、それは彼女達に島民救助失敗を

告げていた。

 

 

「あらららら。任務失敗?

お疲れ様、帰っていいよ。というか

気にするなって。お前らが来る前に

イカリは船の中の奴ら全員殺しちまったから」

 

サンズはそう言い、金剛の砲撃を至近距離で

避けると、そのまま海に潜行した。

他にいたフジツボ達も潜行していく。

そして、燃えながら沈んでゆく船を残し、

丙型生命体は姿を消した。




イカリが下衆すぎて酷い。
「吐き気を催す邪悪」になると思うよ。

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