転生レ級の鎮守府生活   作:ストスト

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設定書かないとな……。
第一回の閲覧が3000超えました‼︎
これもひとえに皆様のおかげです‼︎


「大海のクラーケン」

 

長蛇のような8本の触手をうねらせ、

イカリが俺に向かい突っ込んできた。

その速度は異常な程に素早く、

俺はそれをまともに受けてしまった。

 

(ぐうッ‼︎)

 

更にイカリは水中銃のような艤装で追撃を

仕掛ける。

俺が身体をよじると同時にさっきまで身体が

あった所を矢が2本通過し、海底にある岩に

衝突して爆発した。

 

(ほう。なかなかやるじゃあないか。

だが、君は死ななくてはならないんだ)

 

再びイカリが射撃を開始する。

俺はそれを回避して、相手から距離を置く為に

遠くへと泳ぐ。

だが、その一瞬で、イカリは俺の背後を

取っていた。

 

(ッ⁉︎馬鹿な‼︎)

 

ゲームの中では、潜水艦娘のほとんどは

「低速」に分類される。

だが、この烏賊野郎は、間違いなく

「高速」の分類に入る。

いや、もしかするとそれ以上の速さを

持っている可能性があるかもしれない。

 

(君は既に敗北しているのだよ…この海中で、

私と出会った瞬間にね‼︎)

 

イカリの触手が俺の首に巻きつき、締め上げる。

その強烈な痛みで、俺は声にならない叫びを

上げた。

開いた口から、空気がゴボゴボと漏れていく。

 

(こ……こいつ……強い‼︎

は……早くほどかないと……‼︎)

 

だが、触手はますます強く締め上げてくる。

心なしか、メリメリ……という音が聞こえて

きそうだ。

しかし、俺は奴が58にかけていた力を緩め、

そして離す所を見逃さなかった。

尾を伸ばし、奴の首を狙う。

 

(くッ‼︎)

 

イカリは触手を2本犠牲にして、俺の

尾の艤装の噛みつきを防ぐ。

そして、尾を別の触手で締め上げた。

 

(なかなか味な事を考えるな。

しかし、この私を倒すことは不可能だよ)

 

そう言いながら、イカリは水中銃を

こちらに向けた。

 

(チェック・メイトだ)

 

俺は、その勝ち誇る顔に向け、口パクで

こう言った。

 

(倒すのは、俺じゃない)

 

同時に、58が実弾の魚雷を放った。

イカリが俺の真意に気づき、振り返る。

その時には、魚雷はイカリの目の前に

あった。

 

 

 

 

爆発がイカリを飲み込む。

途端、首にかかっていた触手の力が緩み、

俺は拘束から解放された。

遠くに、58がいた。最初イカリに

捕まっていた時には気付けなかったが、

彼女は演習用の魚雷をイカリに悟られないように

実弾に変えていた。

俺も途中でそのことに気づき、イカリの気を

なるべく58から外すように誘導したのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(貴様ら……こんな……こんな小細工で

私に勝てるなどと思うなアアアッ‼︎)

 

頭の中に直接ガンガン響く叫びと共に、

俺は身体のあちこちに砲弾を喰らった。

痛みで一瞬、意識が遠のくが、なんとか

持ち直す。

 

(許さん……許さんぞ……人間も、

艦娘も……深海棲艦もなアッ‼︎)

 

イカリは、顔半分が魚雷の爆発で

焼け焦げた状態であった。

その片目は赤く染まり、顔に赤い幾何学な

模様が刻みつけられる。

即ち、奴が怒りの状態になっている事を

示していた。

 

(だが……今の俺では少々荷が重い……

ククク……今回は撤退させてもらうが、

次は貴様らだけではない。

仲間も纏めて地獄に送ってくれる‼︎)

 

その瞬間、奴の背中から黒い墨が一気に

広がり、俺たちの視界を塞いだ。

墨が晴れた時、イカリの姿はなかった。

 

奴が撤退した事に安堵した俺は、先程の

被弾と疲労でそのまま意識をなくすのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、内房から遠く離れた島。

その洞穴でサンズとゲンブが

パソコンの画面を見ていた。

 

「……鎮守府の……算……ザー……

減……ザッ……つい……艦娘……

ザザッ……食費……び、入渠……

制限……ザーー……」

 

パソコンからは途切れ途切れながら、

音声が聞こえる。

 

「艦娘の、食費の削減、それと入渠の

制限、かな?」

 

ゲンブが聞き取れた内容から推測する。

サンズはそれを聞いてやれやれと

肩を竦めた。

 

「大本営も馬鹿だね〜。艦娘が

スト起こしたらどうすんの?

金惜しんで人類滅亡とかマジ笑えないよ?」

 

「全くだ。ブラック会社ならぬ

ブラック鎮守府になりかねないよ」

 

ゲンブが壊れかけたマウスを動かして、

ダブルクリックする。

 

「ところでさ、次の拠点どこにする?

なるべく関東に近い所がいいな俺」

 

「それならもう目星は付いている。

ここだよ。かなり近いと思うが」

とゲンブは片手で地図を出してサンズに

渡した。その地図には一つ赤いバツが

つけられていた。

サンズはそれを見て、ニヤリと笑った。

 

「ひょー‼︎近いわここ‼︎日帰りで

帰ってこれるじゃん。なんて言うんだっけか」

 

その問いに、ゲンブは答えた。

 

 

「……三宅島だ」




サンズ達日本征服に王手かけそうに
なってるよ……。

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