転生レ級の鎮守府生活   作:ストスト

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途中で歌が出て来ますが、
実はこの歌、実際にある歌の
ワンフレーズです。
暇だったら探してみてね。
–追記–
著作権に触れているという事なので、
歌詞をオリジナルで作成しました。


「内房へ」

電の秘密を聞いてから2日。

 

「……内房の鎮守府に行く?」

 

俺はそう神崎さんに言って、隣にいる

天龍達に目をやった。

 

「君にも一応横須賀だけでなく、他の

鎮守府を見てもらって学んでもらえればと

思いまして。聞いた話だと駆逐艦クラスで

受けたテストが満点だと聞きましたよ」

 

「えへへ……」

 

あれは只単に問題がやさしすぎただけなのだが。

元高校生に小学生程度の問題出すってあれか?

俺は身体は子供、頭脳は大人の

名探偵か何かなのか⁉︎

……あ、俺今子供だ。

 

「流石私が見込んだだけあるな」

 

長門が鼻高々に話す。

 

「いつおまえが見込んだんだよ」

 

「レンゲが風呂に入っている時だ‼︎」

 

……あれ、俺長門と一緒に風呂入った事

あったっけか?

 

「窓から眺めたレンゲの肌はそれはもう」

 

「窓からって覗きじゃねーかー‼︎」

 

そうか……長門は覗きをしていたのか……。

少し、長門と距離をとろうかな……。

 

「レンゲさんは演習を見学しているだけで

良いそうです」

 

「それって大本営から禁止された、とかですか?」

 

いえ、と神崎さんは首を振った。

 

「内房の方からの要望です。

その、非常に言いにくいのですが……」

 

「……敵を演習に出させる訳にはいかない、

みたいな感じですか……」

 

天龍が怒りの声を上げる。

 

「なんだと⁉︎レンゲはなあ、

大本営をあの爬虫類野郎から

守ったんだぜ⁉︎

それなのに……」

 

俺はそれを制した。

 

「待って下さい。確かに俺は(サンズ)

闘って大本営を守りました。

でも、それはただの結果なんです。

それだけで、皆が俺の事を信じてくれるとは

思っていません。だから、別の鎮守府に

行けるだけでも充分な進歩なんですよ」

 

天龍が握っていた拳を緩める。

今は、誰も何も言わず無言であった。

 

「……なんだか、少ししんみりして

しまいましたね」

 

「うおおおレンゲ〜‼︎なんて健気な子なんだ〜‼︎」

 

「お姉ちゃん感激‼︎ハグしちゃう♪」

 

長門と愛宕がほぼ同時に俺に抱きつく。

丁度二人とも胸が俺の顔の位置にあるので。

二人の自己主張が激しい胸に俺の顔が挟まれる

状況になった。

 

「〜〜〜〜〜〜〜〜…………ッ⁉︎」

 

「あらあら〜顔が真っ赤よ?」

 

「その顔も可愛いッ‼︎」

 

慌てて俺は手を振りながら二人を

押しのけようとする。

 

「は、離れて下さいッ‼︎」

 

「愛宕お姉ちゃんって呼んでくれないと

離れてあげなーい」

 

「では私も長門お姉ちゃんと呼んでくれ」

 

なんでまたお姉ちゃんと呼ばにゃならんのよ⁉︎

しかもこんな皆が見てる前で‼︎

 

「心安らぐ風景ですね〜」

 

「優しい世界と言うらしいのです」

 

「微笑ましいな」

 

おまえら笑ってないで助けてくれよオオオオ‼︎

俺の顔がW巨乳に潰されるーー‼︎

 

「お……お姉、ちゃん」

 

なんとか言えた……。

 

「愛宕お姉ちゃんって言ってなーい。

もう一回♪」

 

「お姉ちゃんだけじゃどっちに言っているか

分からないぞ。さあ、長門お姉ちゃんと

言ってくれ‼︎」

 

もうやだこの二人。

二回も言わせる必要ないでしょ……。

 

俺は腹を括って、思いっきり叫んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「愛宕お姉ちゃん、長門お姉ちゃん、

胸をどけて離れて下さいッ‼︎」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ああ、なんかもう疲れた……」

 

「まだ着いてもいねーぜ。ところで

ここにあったおにぎり知らないか?」

 

「私が食べました」

と赤城。

 

「私もです」

と加賀。

 

「「やりました」」

 

「やらんでいいわそんなこと‼︎」

 

「まあまあ、後少しで内房ですから」

 

3時間後、俺達は内房まで行くため

電車に乗っていた。

乗っていたのは俺と、一応お目付け役として

天龍、そして赤城、加賀、比叡、潮、愛宕。

内房の提督に用があるとのことで

神崎さんも来ていた。

 

「そう言えば司令って内房の

芝浦提督とはどんな関係なんです?」

 

「彼のお兄さんが私と同期でしてね。

よく家族ぐるみで交流していましたよ。

あの頃は……」と神崎さんは一時

言葉を切った。

 

「……ああ、すいません。少し

思い出したくないことを思い出して

しまいまして」

 

「……あ、すいません……」

 

比叡が申し訳なさそうに謝る。

 

「いえいえ、楽しい事も思い出せたので

おあいこですよ」

 

……提督とその芝浦という提督に何か

因縁でもあったのだろうか。

俺は比叡と神崎さんの話を聞きながら

そう思っていた。

電車は、次の駅が内房に行く事を

アナウンスしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サンズ達が根城としている小島。

その中の一つの部屋で、

ゲンブは艦載機を手作業で

作っていた。

 

「……〜♪

what will you do? Tonight,with us in front.

Do you fight? Do you accept with mercy?

Or will you take action?

But all that is useless!」

 

誰かの歌声が聞こえてくる。

こんなことをしているのは1人しかいない。

 

「サンズ‼︎また歌っているのかい?」

 

「ただいま〜‼︎歌うのは俺の趣味だぜ?

楽しみを奪わないでくれよ」とサンズは

自分の艤装をそこらにあった机に置いた。

 

「別に構わないけど、君を嫌っている奴

だっているのを知っているだろう?」

 

「だからリーダーの座をおまえに

渡したんだよ」

 

「あれは失策だね。おかげで他の奴らが

北方だのなんだの各地に散ってしまったよ」

 

「ま〜面倒なことは抜きにしてさ〜♪

俺子猫拾ったんだよねー」

 

「いますぐ元の海域に返してらっしゃい‼︎」

 

サンズは後ろに隠していた三毛猫を

抱きながら、

「んな殺生な……飼ってよ母さん」

と言った。

 

「誰が母さんですか‼︎」

 

「そういう所がお母さん言われる

原因なんだよ、ね〜♪」

サンズは三毛猫に同意を求めた。

三毛猫は分かってか分からずか、

ニャーと一声鳴くのだった。




長門がでない理由、
秘書艦は全員お留守番や。

長門「なん……だと……」

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