東京喰種:re 皇と王   作:マチカネ

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 オークション戦の本編となります。
 ライは女装のまま。


第5章  オークション戦!

 舞台に飛び込んで来た黒いウサギの仮面を被った【黒兎】。SSレートの喰種とジューゾーとの戦闘。強力な羽赫相手は《サソリ1/56》では分が悪い。

 潜入のため、大鎌型のクインケ《13’sジェイソン》を持ってこれなかった。

 人も喰種も弱肉強食で支配することを目的にする、最悪の喰種の組織『アオギリの樹』。オークションの護衛として雇われていたのだ

 【黒兎】の正体はトーカの弟の霧嶋絢都(きりしま あやと)、アヤト。アヤトは『アオギリの樹』の幹部。

 アヤトは距離を取りながらの遠隔攻撃を繰り出す。

 『アオギリの樹』の情報にもジューゾーのデータはある、強力な《白鳩》で危険な敵の1人として。

 じぃーとアヤトを見ているライ。

(見ない顔だな、新米ってとこか。あんな娘まで雇うとはな)

 ライの情報はない、そこで新米の捜査官だと判断した。それは間違ってはいない……。

 《夜桜》を構えたかと思うと、一気に攻めてきた。

「素人が!」

 いきなりの攻勢に迷わず、羽赫を連続発射。

 普通の新米なら、これで終わる。たがライは白い着物姿のまま、まるで、そこに攻撃が来ることが解っているかのごとく、羽赫を躱し、躱し損ねた羽赫は、閉じた《夜桜》で弾く。

 あっと思った時には、間合いにいた。

 開いた《夜桜》で斬り付けてくる。とっさに致命傷は避け、大きな赫子を降り下ろす。

 従来、羽赫は持久力が弱く、近接戦闘にも弱いが、アヤトには通じない。

 閉じた《夜桜》で赫子で受け止められ、捻られた瞬間、投げ飛ばされ、床に叩き付けられてしまう。

 そこへ、すかさず飛んでくる《サソリ1/56》。辛うじて避けることがてきた。

「テメー」

 ウサギの仮面の奥でライを睨み付けるアヤト。ただの新米ではないことを認識。

 その時、アヤトのイヤホンに『アオギリの樹』のナキの劣勢が伝えられる。

 それでも護衛の仕事を受けている。刹那の迷いはあったが、アヤトは選択した。

「チッ」

 舌打ちと共に、離脱。

 

 

「助かりましたライ」

 ジューゾーは邪魔になるカツラを外す。

「守ってやるつもりで、姉妹っていったのですが、守られてしまいました」

 ジューゾーが【ナッツクラッカー】に姉妹とはったりをかましたのは、新人のライを守るため、姉妹と言えば一緒に行動ができると考えたから。

 案の定、姉妹と言う商品価値から、2人一緒にオークションに出品された。

「僕なんて、まだまだ」

 パタパタ、《夜桜》で仰ぐ。

 あちらこちらで戦闘の音が聞こえてくる。もう『オークション掃討作戦』が始まっている。

「さて、早く阿原たちと合流しなくてはいけませんね。ハイセとの約束もあるですし」

 阿原たち鈴屋班に《13’sジェイソン》を託している。

 《サソリ1/56》は戦力不足。ハイセとの約束とは六月の護衛。

「ライはどうします?」

 本来なら、一緒に連れて行くのだが、実力を見たので聞いてみた。ジューゾーも三等捜査官の時から、単独で喰種狩りをしていた、勝手にだけど。

「そうだね、1人でやってみたい」

 

 

 

 

 モニターを見ている初老の男、嘉納明博(かのう ひろあき)、嘉納総合病院の元医師。

 嘉納は喰種の赫包を人間に移植して、千人以上の人間を犠牲にして、人工喰種を生み出す実験を繰り返していた。

「戦局は動き出したようだ。エトさん、どうかな、そろそろ【オウル】を投入してみては?」

 エトと呼ばれた包帯で顔を隠した女は、

「そうだね、どーう、イケる滝澤くん」

 滝澤くんと呼びかけられた、黒いフード姿に白い顔の男、【オウル】。

「早くしろ、腹減ってんだ」

 自分の口の中を、ぐにぐに弄る。

 

「そうそう、出来れば“彼女”も連れて来てもらいたい。驚くべき身体能力、実験素材としては理想的だ」

 嘉納の見ているモニターには《夜桜》で喰種を蹴散らしていく、ライが映し出されていた。

「生きていれば、多少、傷つけても構わないよ」

 嘉納は気が付いていない。一瞬、ライの視線がモニターに向いていたことに。

 

 

 

 

 【ノーフェイス】が所属する、構成数不明、活動区域不明、目的不明、享楽主義者の喰種集団『ピエロ』と交戦する平子班。

 『アオギリの樹』の喰種、ナキ率いる白スーツ集団と交戦する暁班。

 負傷した六月をウリエに託して、撤退させるハイセ。

 オークション会場の至る所で戦闘がおきていた。

 

 

 

 

 オークション会場のエントランスは地獄絵図。

 突如、現れた【オウル】により、初めに班長の阿藤が頭を引きちぎられ、次々に捜査官が、無残に殺されていく。

 

 

「解るよ、怖いか」

 生き残ったのは陶木陽菜(とうぎ ひな)二等捜査官と久木山翔吾(くきやま しょうご)二等捜査官のみ。

「怖いと感じるのは“違う”からだ。チビとデカいのが、男と女が、年寄りと若者が、お互い恐れ合うのは自分と違うからだ」

 何とか生き残った陶木と久木山も追い詰められてしまう。

「だから、同じになれば怖くない。人殺し、化け物、喰種」

 逃げようにも体が震え、体が言うことをきかない。アカデミーで訓練を重ねた捜査官でさえ、そうなってしまうほどの恐怖。

「お前らが怖いのは目の前の、死だ。だから同じにしてやる。“死”になれば“死”は怖くなくなる。怖がるのは、お前らが生者だからだ。……解るか」

「死ぬことなんて、対して怖くはないさ。本当に怖いのは……」

 パチンと扇子を閉じる音が鳴る。【オウル】が顔を向けると、そこには着物姿のライが立っていた。

「本当に怖いのは、死にたくても死ねないことだよ」

 せせら笑いで【オウル】はライの方を向く、陶木と久木山は、もう眼中にない。

「ちょうどいい、探す手間が省けた!」

 掴みかかってくる【オウル】の手を《夜桜》で反らす。

「いつからCCGは、こんな未成年の女を捜査官にするようになった。この2年の間に何があったんだぁっ」

 さらに掴みかかってくる手を、また《夜桜》で反したライ。

 いつしか陶木と久木山の恐怖は消えていた。準特等捜査官、上等捜査官、一等捜査官がなすすべなくやられた【オウル】の攻撃を、まだ捜査官になって間もない、三等捜査官が退けている。花柄の入った白い着物姿で、戦うライの姿の艶やかさに華麗さ、資料で見た性別が男とは信じがたし。

 陶木と久木山も二等捜査官、ライが【オウル】の攻撃の軌道を反らして、ヒットさせないようにしていることは解った。

 目配せでライが、逃げろと合図。

 三等捜査官を残して、二等捜査官が逃げる。何とも心苦しい選択ではあったが、死にたくないという生存本能が勝った。他班を呼びに行くんだと、自分自身に言い聞かせて。

 逃げ出す際、陶木は、ほとんど、無意識ではあったが、

「滝澤さん……」

 と呟いていた。

 【オウル】滝澤政道(たきざわ せいどう)、以前はCCGの二等捜査官。2年前の『20区の梟討伐戦』で重傷を負い、『アオギリの樹』に拉致され、嘉納の手により、半喰種にされてしまった。

 

 

 掴みかかろうとしていた攻撃法が変わる。最初こそ、少し痛めつければおとなしくなると思ったが、ことのほか、手強いので手足の一本ぐらいは取りに行く。

 捜査官のころ【オウル】も腕の一本を取られたことがある。

 ライは力で力に対抗しているのではない、むしろ、力を抜くことに、よって力を反らしている。

 頭をもぎ取る怪力も首をぶった切る手刀も、当たらなければ効果なし。

「『本当に怖いのは、死にたくても死ねないこと』ってか、なら“同じ”にしてやるよ。オレみたいに!」

 背後へ飛び、

「距離を開けてからの~」

 腰から赫子を伸ばす。

「~赫子攻撃」

 この攻撃も《夜桜》で反らすライ。軌道を変えられた赫子は後ろのカメラを破壊。

「イッヒヒヒヒヒヒヒヒ」

 続けさまに【オウル】は飛び蹴りを仕掛けてくる。真面に食らえば、骨なんて、簡単に砕ける破壊力。

 今度は反らすだけではなかった。《夜桜》で蹴りを受け流して投げ飛ばし、天井に叩き付けた。

 落ちてきたところを再度、《夜桜》で投げ飛ばす。今度は床に叩き付ける。

 ただ単に投げ飛ばしているのではない、【オウル】のパワーを利用して投げているから、衝撃も大きい。

「お前、アカデミーで学んだんじゃないな」

 起き上がる【オウル】、ダメージは見受けられず。

 ライの戦い方はアカデミーでは教えてはいないもの。

 ここで向こうから、捜査官たちが駆けつけてくるのが見えた。逃げた陶木と久木山が別班を引き連れて戻って来た。

『そこは、もういいわ、移動しなさい』

 イヤホンからのエトの指示を受け、

「またな、お嬢ちゃん」

 とてつもないスピードで逃げ出す。

「大丈夫ですか、ライ」

 久木山が駆け寄ると、その場にライはへたれ込む。

「なんとか、生き延びたよ。あぁ~しんどかった」

 大の字に寝っ転がる。

 誰も気が付いていなかったが、口では、ああ言っていても、汗1つかいていないことに。

 

 

 

 

 負傷したナキを庇い、捜査官たちのクインケの攻撃を全身に受け止め、ガギとグゲが倒れた。喰種の中でも部下思いのナキ、それ故、部下にも好かれている。

 号泣し、ガギとグゲに泣きすがるナキにとどめを刺そうとする捜査官たちが刻まれる。

「ズタズタに切り裂いて、死ぬまで殺してやる! 全員! 全員だッ!!!」

 ナキは激怒も激怒、大激怒。

「来い、引導を渡してやる」

 感情に任せ、暴れ回るナキを挑発。《フエグチ》で迎え撃とうとする暁。《フエグチ》は扱いが難しい、暁もモノにするまで一年を費やした。結果、今は自由自在に操れる。

「みじん切りにしてやる」

 まんまと挑発に乗り、真っすぐに突っ込んでくる。完全に《フエグチ》の攻撃範囲。

 《フエグチ》を振るおうとした時、ガギの手が暁の足首を掴む。

「!」

 最後の力を振り絞ったのか、それとも死してなお、ナキを守ろうとしたのか。

 予想だにしなかったことに対処しきれず、暁のバランスが崩れてしまい、こける、拍子に《フエグチ》も手放してしまう。

 この体制ではナキの攻撃をしのぐことは出来ないし、《フエグチ》回収も間に合わない。

 他の捜査官たちが助けようとするが、女性の喰種が立ち塞がる。【三枚刃】のミザ。元々は18区の喰種集団『刃(じん)』のリーダー。組織ごと『アオギリの樹』に参加した。

 Sレートのミザを退け、救出に向かうのは不可能に近い。

「アアァアアアァァアアアアアアアアアアアアアアッ」

 泣き叫びながら、暁に襲い掛かる。

「真戸上等!」

 捜査官の声が空しく響くかと思われた、その時、ナキの顔面に拳が入る。

 何が起こったのか? そこには怪鳥のマスクを被った小柄な喰種が立っていた。

「邪魔するな!」

 ガギとグゲが死んだこと、仇を取るのを邪魔されたこと、怒り心頭で飛びかかってきたナキにドラゴンの尻尾のような銀色の尾赫をフルスイング。

 吹っ飛んだナキ。野球ならホームランとは行かないまでも、三遊間突破は行く。

「よくもナキを!」

 仕返しに来たミザの【三枚刃】の赫子を尾赫で弾き、叩く。

 ナキの後を追うように、ミザも吹っ飛ぶ。

「あいつ【JAIL】だ……」

「えっ、キジマ式(きじま しき)準特等を殺した、あの【JAIL】」

「なぜ、ここに?」

 キジマ式準特等捜査官。かって【JAIL】にボロ雑巾のようにされながらも、復讐の意思で復帰。右足が義足というハンデを背負いながらも、準特等まで上り詰める。

 ツギハギだらけの醜悪な見た目と喰種に対する残忍さから、喰種のみならず、同僚からも恐れられた。

 それでいて、とても物腰は紳士的。

 2年前、復讐を果たすべく、【JAIL】と交戦すものの、殉職。

 あのキジマ式準特等を返り討ちにした【JAIL】のレートは、少なくともSを越える。

 捜査官たちは動揺を走らせながらも、クインケを構え、【JAIL】を取り囲もうとする

 すると【JAIL】は、捜査官たちの背後を指さす。

 背後ではナキとミザが起き上がっていた。戦闘本能は落ちるどころか、増している。

「そうだな、今は【JAIL】に構っている場合ではない」

 ガギの腕を振りほどいた暁の視線の先には【黒兎】アヤトの姿があった。《フエグチ》を拾う。

 

 暁の脇をすり抜け、【黒兎】に向かう【JAIL】。

 赫子には相性がある。持久力に難のある羽赫は耐久力の高い甲赫に弱く、スピードに難のある甲赫は、一撃のキツイ鱗赫に弱く、脆い鱗赫は攻防のバランスのとれた尾赫に弱く、特徴のない尾赫はスピードに適した羽赫に弱い。

 【JAIL】の尾赫は【黒兎】の羽赫との相性が悪い、さらに【黒兎】の赫子は近距離と遠距離に辛口。

 まずは遠距離攻撃と羽赫を放ち、躱したところへ近距離攻撃を仕掛けようとした。

 【JAIL】の肩から伸びた青く輝く長く太い太刀のような赫子、甲赫が振るわれた。

 間一髪、躱すことが出来た【黒兎】。

「この感じ、そうか、お前か!」

 【黒兎】のマスクの下でアヤトは笑う。【JAIL】の怪鳥のマスクの顔が誰なのか解ったのだ。

 そして【JAIL】も【黒兎】がアヤト、トーカの弟であることを知っている。

(2年前より、強くなってんじゃねぇか、甘ちゃんの癖に、なんで、こんなに強いんだ)

 2年前、アヤトは【JAIL】と戦い、3戦3敗。

 あの時より、アヤトは強くなったが、また【JAIL】も強くなっていた。

 

 

「“二種持ち”だと!」

 ナキと交戦中の捜査官たちも、二種持ちの出現に驚く。そういえば【JAIL】の資料では赫子の種類は不明とあり、キジマ式の残した資料にも二種持ちの可能性を示唆していた。

 恐ろしい相手ではあるが、Sレートのナキを相手にしている状況では【JAIL】を気にしている余裕はない。

 理由は解らないが、幸いなことに、味方になってくれている。今は【JAIL】のことは後回し。

 

 喰種の中には、稀に二種の赫子を持つ、“二種持ち”がいる。二種の赫子を持つことにより、長所と短所を補い合う。

 

 

 

「ぐうっ」

 負傷したミザが逃げ出す。

 《フエグチ》で狙うが外されてしまう。

 追撃はしない、下手に追うのは危険。

「アキラちゃん、どうします?」

 捜査官が聞いてくる。

「【黒兎】は【JAIL】に任せよう」

 決定に時間はかけない、ナキとの参戦を選ぶ。

(これはサンドウィッチのお返しかな?)

 本人も意としないで暁は微笑んでいた。

 

 

 

 

『ハハハハハ、すげえな、誰がこんな乙なことをしてくれたのは? 敷地内に響き渡っているじゃないか。いいこと思いついた。いろんなところを穴ぼこにして、お前のビブレショーン、仲間にも聞いてもらおうぜ』

 突然、オークション会場全域に放送が入る。

 ハイセと【オウル】の戦闘、音声からして、ハイセが一方的にやられている。

 

 放送はエントランスにいるライにも聞こえていた。

 駆けつけてきた班の捜査官の顔が青いので、

「どうした」

 相棒が聞く。

「オレ、前に危ないところを佐々木一等に助けられて……」

 その時のこともあり、すぐに助けに行きたい。

 指揮を取っている和修準特等と連絡を取った班長。

「……和修準特等からの指示だ。我々の班は真戸班と合流する」

 それが政の判断。そもそも単身ハイセに【オウル】と戦えと命じたのも彼。

「そんな、佐々木一等を見捨てろと!」

 助けられた捜査官は抗議。

「命令には従わなくては―ならない」

 下を向いている、班長も辛そう。

「大丈夫だよ」

 捜査官の1人に貰ったペットボトルのミネラルウォーターで、ライは喉を潤す。

「アレぐらいで、佐々木一等はやられてしまうような、やわな人じゃないよ」

 ふぅーと飲み干して一息つく。

 何故か、みんな、ライに言われたら、不思議と本当に大丈夫だと思えてしまう。

「これぐらいで、倒れるようなら、この先は生き残れないさ」

 

 

 

 

 ライの指摘は正しかった。か弱そうな見た目に反し、かなり強い喰種、ヒナミの介入により、ひと時、ハイセは危機を出したかに見えた。

 【オウル】は半赫者の力を解放。

 

 “共食い”を繰り返すことにより、Rc細胞に変化が起きて、稀に身に纏うような赫子を扱うものがいる。

 これを覚りし者と掛け“赫者”と呼ぶ。

 喰種の中でも、とびっきりやばい。

 

 【オウル】は発動率、50%の半赫者。半赫者でもやばいことには変わらない。

 今度はヒナミが追い詰められる。

 ヒナミを守りたい、みんなを守りたい、そんな思いがハイセの中にいる“彼”を呼び覚ます。

 ハイセ自身も半赫者の力を解放、【オウル】を撃退。

 

 

 別件が片付き、有馬率いる0番隊が駆けつけてきた。

「CCGの死神、有馬……貴将」

 ヒナミの退路はない、【オウル】との戦いで、満身創痍。万全の状態でも有馬1人相手では万に一つの勝目も無し。

 『私もこれまでか』とヒナミが思った時、

「彼女は僕が追い詰めました。所有権は僕が頂いて、よろしいですか?」

 自分も満身創痍ながら、堂々と宣言。

 しばしハイセをじっと有馬は見つめる。

「医療班を、佐々木一等が負傷だ」

 踵を返す。

 こうしてヒナミは駆逐されずに済む。

 

 

 別件で動いていた特等が率いる捜査官たちが、どっとオークション会場に駆けつけてきた。

 ナキ、ミザたち、生き残っていた喰種は撤退を開始。

 アヤトはヒナミを助けに行こうとしたが、ナキに止められた。

 この状況、助けに向かうのは自殺行為以外の何物でもない。

 ギリッ、歯軋りしながら撤退。

 

 

 

 

 なんと言う偶然の嫌がらせか、逃げていた【オウル】は暁と鉢合わせ。

「滝澤……」

 姿形は変わっていても、【オウル】が誰なのかは暁には解った。

「真戸だ」

 顔を隠し、逃げていく。滝澤政道が、もっとも会いたくなかった相手会ってしまった。もっとも見られたくなかった相手に見られてしまった……。

 

 

 

 

 【JAIL】も無事にオークション会場からの脱出に成功していた。

「まさか、CCGの死神が来るなんて」

 マスクを作ってくれたウタも言っていた、CCGの死神、有馬貴将を見たら、逃げろと。

 【JAIL】は怪鳥のマスクを外す。

「暁さん、前よりも綺麗でかっこよくなっていたな」

 リオは外したマスクを見つからないように、懐に隠す。

 

 

 

 




 阿藤たちもライくんに助けさせたかったのですが、ああしないと話が進まないので、原作通りの展開に。
 ゲームでのリオくんと暁さんの絡み、好きなので、暁さんのピンチには、リオくんに登場してもらいました。
 『:re』ENDの覚醒リオくんなので、キジマは故人。
 旧多との兼ね合いは次回に。

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