遊戯王VRAINS 幻影の咆哮~青き天使との日常~ 作:kajoker
皆さん、明けましておめでとうございます!
久しぶりの更新です…最近、色々と忙しくてなかなか更新が出来ませんでした。
今回から原作に入っていきたいと思います!
それでは、本編をどうぞ!
「う、うん…もうこんな時間か…」
目覚まし時計の音に目を覚ます。
『お目覚めですか?Phantom、いえ侑哉…』
「ん?…お前は!?水のイグニスじゃないか…どうしてここに?」
目を覚ますと何故かそこにはデュエルディスクの上に座っている水のイグニスの姿があった。
『私には真実と嘘を見抜く力があります…その力であなたの真の姿を見ました。Phantomの真の姿は神薙侑哉、それを知った私はあなたを探してここまで来ました』
「そうだったのか…でも、何で俺を探してたんだ?」
『サイバース世界を守るために戦ってくれたことに対してのお礼と、お願いしたいことがあってあなたを探していました』
「お願いしたいこと?」
俺が聞き返すと、水のイグニスは意を決して言葉を口にした。
『はい…あなたに光のイグニスと風のイグニスを止めてほしいのです』
「どういうことだ?」
光のイグニスと風のイグニス…何でこの二人を…まさか!?
「…まさか、そいつらは人間を敵視しているのか?」
『はい、おそらく何か良からぬことを企んでいるのだと思います』
「人間を支配する、とかか…」
俺が呟いた言葉に水のイグニスは視線が下に向いていて、明らかに落ち込んでいる様子だ。
そういえば、サイバース世界に行った時に会ったけど風のイグニスは人間を嫌っていたな…光のイグニスは何を考えているのかよくわからないやつだったけど。
待てよ…だとしたら、サイバース世界で戦ったやつは光のイグニスと風のイグニスの仲間か?それともイグニス達自身か?
まぁ、どちらにせよサイバース世界を襲撃してきたことに変わりはないが。
タイミングが良すぎるとは思っていたが、まさか二人のイグニスが仕組んだことだったなんてな。
「なるほどね、大体わかった…君に協力する、俺としてもそのイグニス達を止めるのは賛成だし」
『ありがとうございます…!』
「気にしなくて良いよ…そういえば、いつまでも水のイグニスって呼ぶのは面倒だな…名前は、そうだな…」
水のイグニスだから、水っぽい名前にしたいな…ウォーター?いや、名前としてはあんまりよくないな…そうだ!
「…決めた!君の名前はアクアだ!」
『アクア…良い名前ですね!ありがとうございます!』
「気に入ってもらえて良かったよ…それじゃあ、これからよろしくな、アクア!」
『はい、よろしくお願いします!』
水のイグニス改め、アクアは嬉しそうにそう言った。
「そういえば、サイバース世界で会った時はもう少し砕けた話し方だったのに何で今は丁寧な話し方をしてるんだ?」
『実は、こっちが私の素なんです…あの時はあなたが話しやすいように砕けた話し方をしていました』
「そうだったのか…まぁ、俺はどちらの話し方でも構わないけどな」
『では、この話し方のままで…』
「わかった…それはそうと、アクア…炎のイグニスと地のイグニスはどうなったかわかるか?」
光のイグニスと風のイグニスは人間を支配する為に協力していると考えられるから、多分、同じ場所に居ると思う。
だけど、炎のイグニスと地のイグニスはどこに居るかは想像もつかない。
だから、アクアにそう問いかけた。
『それは私にもわかりません…ただ、あなたの力を貸して頂けたら、地のイグニスの居場所はわかると思います』
「本当か!?」
『はい、あなたの持つリンクアクセスの力はあらゆるネットワークシステムを自在に操ることができる力…その力を使えば、地のイグニスを見つけ出すことができるはずです』
「なるほどな…って、ちょっと待ってくれ!何でリンクアクセスの力について知ってるんだ?」
俺は一部の人にしかリンクアクセスについて話していないはずだ…ハノイの騎士達のように知ることができる人は居るかもしれないが、それ以外では知ることはできないはずだ。
あの時、サイバース世界に居たのは俺とレイだけだったよな……まさか!?
『リンクアクセスの力についてはレイから聞きました』
「マジか…レイのやつ、後で説教してやらないとな…まぁ、アクアにいちいち説明せずに済んだわけだしある意味良かったかな…」
それにその時の俺は一時的に現実世界に戻っていたから、レイだけを責めるわけにはいかないな。
「…とりあえず、リンクヴレインズに行って地のイグニスを見つけ出すしかないな…何か手がかりになるようなものはないか?」
さすがにリンクアクセスの力があっても何の情報もなしに地のイグニスを見つけ出すのは難しい。
そもそも、地のイグニスがネットワーク上に居るのかも怪しい……だから、今は少しでも情報が欲しい。
『…地のイグニスに私はあるカードを託しました…そのカードの反応を辿っていけば地のイグニスの元へと辿りつけるはずです』
「なるほどな…それじゃあさっそく…」
そこまで言って、今さらながらあることに気づいた。
「…そういえば、まだ朝ご飯食べてないな…悪い、アクア、朝ご飯食べてからで良いか?」
『もちろんです、体調管理は大事ですから』
「ありがとう、それじゃあ朝ご飯食べてくるよ!あ、そうだ…アクアも付いてきてくれ。花恋にも今のことを話しておきたいからさ」
『わかりました』
そうして、俺達は下の階へと向かって行った。
/////////////
「あ、侑哉さん!おはようございます!」
俺達が下に降りると、エプロン姿のレイが目に入った。
「おはよう!レイ…というかいつの間に実体化したんだ?」
「いつも侑哉さんにお世話になっていますから、たまには私が朝食を作ろうと思いまして…それで侑哉さんが寝ている間に実体化しました!」
「そうだったのか…ちなみにレイは料理をしたことがあるのか?」
「…いえ、1度もありません!だけど、レシピ通りにやればうまく作れるはずですから問題ありませんよ!」
「お、おう…頑張れよ」
それって、料理が失敗するフラグじゃないよな?
そんなことを思ったが、楽しそうに料理をしているレイを見て、そんな気持ちはなくなった。
レイの料理か…楽しみにしておくか。
「侑哉、おはよう!」
「おはよう、花恋…ちょうど良かった、朝ご飯を食べ終わったら聞いてほしい話しがあるんだけど良いか?」
「良いけど、何かあったの?」
「あぁ、かなり重要な話しだ」
「…わかった、それじゃあ朝ご飯を食べ終わったら聞かせてね」
そう言って、花恋は俺の目の前の席に座った。
「そういえば、侑哉…今日は葵ちゃんとイベントをやる日だったわよね」
「あぁ、晃さんに頼まれてな…正直、俺が一緒にやらなくても葵だけで充分な気もするけどな」
今日はリンクヴレインズでイベントをやる日で、葵と一緒に司会をやることになっている。
何でもイベントを盛り上げる為に俺の力を借りたいということらしい。
晃さんからの頼みでもあったし、何より葵がノリノリで俺と一緒に司会をやりたがったので、司会をやることにした。
「そうかしら?侑哉が参加するだけでさらに盛り上がると思うけど?」
「そうか?」
「そうですよ!侑哉さんが司会をするなら、もっと盛り上がりますよ!なんなら私が侑哉さんを大声で応援しましょうか?」
「それはやめてくれ…レイ」
レイが大声で俺を応援してくれることは嬉しくないと言えば嘘になるが、さすがにそれは恥ずかしい。
「…侑哉さんがそう言うなら、デュエルディスクの中からこっそり応援しますね!」
「…はぁ、わかったよ…好きにしてくれ」
結局、応援されることに変わりはないのか…まぁ、レイの厚意を無下にするわけにもいかないよな。
俺はそんな風に思いながら、朝食ができるのを待つことにした。
//////////////
「ご馳走さまでした」
「どうでしたか?侑哉さん」
「あぁ、想像以上に美味しかったよ!」
正直、レイがここまで料理ができるとは思っていなかった…これからはレイにもちょくちょく料理を作ってもらおうかな。
「それなら良かったです!これからも侑哉さんの為に料理を作りますね!」
「あぁ、そうだな…ちょくちょく作ってもらって良いか?」
「もちろんです!」
(ふふっ、決まりました!私の嫁力がどんどん上がっていますね!今の私の嫁力は53万ぐらいはありますよ!私が侑哉さんの本当の嫁になる日も近いですね!)
何故か、レイが満足そうな顔をしているが、まぁ、嬉しそうだから良いか。
「そういえば、朝ご飯を食べた後に話したいことがあるって言ってたけど…」
「あぁ、そうそう…アクア、もう出てきても大丈夫だよ」
『はい、初めまして、アクアです…レイとは面識がありますがあなたと会うのは初めてですね。花恋と呼べば良いでしょうか?』
「あれ?水のイグニスさんじゃないですか!久しぶりですね!」
「水のイグニス…侑哉からサイバース世界に行った時の話しは聞いていたから面識があっても不思議じゃないけど……でも、どうして侑哉の所に来たの?」
「それが二人に話しておきたいことなんだ…アクア、説明をお願いして良いか?俺よりアクアの方が上手く説明できると思うし」
『はい、わかってます…実は』
そうして、アクアは俺に話した内容と同じ内容を二人に説明してくれた。
それを聞いて、花恋は自分の予感が的中してしまった為か表情が暗かった。
「…やっぱり、そうなっちゃったのね…」
「そんなのおかしいですよ!人間とAIは仲良くなれるはずです!侑哉さんと私みたいに」
「そうだな…俺も人間とAIは分かりあえるって信じてる。だから、そのイグニス達を倒すんじゃなくて止めるんだ」
Aiやアクアみたいに人間と共存しようと考えてくれているイグニスだって居る…だから、他のイグニスとも分かりあえるはずだ。
「そうですね!人間とイグニスが仲良くなれるように頑張りましょう!侑哉さん」
「あぁ、もちろんだ!」
「…そうね、これは私の責任でもあるし協力するわ」
『ありがとうございます…!皆さん』
俺達の言葉を聞いたアクアはとても嬉しそうにそう言葉を口にした。
「それじゃあ、まずは手始めに地のイグニスを探しましょうか。アクアちゃん、地のイグニスにあげたカードのデータはある?それを基に地のイグニスを探してみるから」
『はい、ここに…ですが、簡単に見つかるでしょうか?』
「安心して、侑哉が戻ってくるまでには絶対に地のイグニスを見つけてみせるわ!」
自信満々に花恋はそう言い放ち、すぐさま作業を始めた。
花恋がこう言ってるなら大丈夫だな…それじゃあ、俺はリンクヴレインズに行くとするか。
「それじゃあ、俺はリンクヴレインズに行ってくるよ」
「あ、侑哉さん、私もご一緒します!」
「あぁ、頼んだぞ」
「はい!」
レイは元気よく返事をし、俺のデュエルディスクの中に入った。
「アクア、悪いが少し待っててくれ」
『わかりました。あなたにとって重要なことのようですし、あなたが戻ってくるまで待っています』
「ありがとう…それじゃあ行ってくる!デッキ、セット!イントゥザヴレインズ!」
///////////////
「はぁ…疲れた」
「お疲れ様、Phantom…紅茶でも飲む?」
「あぁ、もらうよ」
イベントの司会の仕事が終わり、若干疲れてしまっている俺にブルーエンジェルがそう声を掛けてくれた。
いや、本当に疲れた…イベント開始前の催しで、参加者が俺とデュエルするってなんだよ…聞いてないよ!晃さん!
そのせいで結構な数の人とデュエルすることになり、さすがに疲れてしまった。
まぁ、そのおかげで盛り上がったから良かったかもしれないけど。
「Phantom、その…良かったら…私の膝で休む?」
「え?いや、さすがにそれは…」
「良いから!ほら、ゆっくり休んで」
「…わかった、それじゃあ、お言葉に甘えて」
正直、めちゃくちゃ恥ずかしかったが、ブルーエンジェルに押しきられてしまい、膝まくらをしてもらうことにした。
「どう…?」
「柔らかくて気持ち良いよ…この枕ならゆっくり休めそうだ」
…って、何言ってるんだ!?俺。
「そ、そう…?それなら良かった…」
そう言って、葵は少し恥ずかしそうにしながら笑みを浮かべた。
「…それじゃあ、少し休ませてもらうよ…お休み、葵」
「うん、お休み…侑哉」
そんな会話を交わしながら、俺はゆっくりと意識を手放した。
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「あなたは…ダークナイトプリンセス!どうしてここに?」
「久しぶりだね、ブルーエンジェル…今日は侑哉をこっちの仲間に引き入れる為に来たの」
「…ダークナイトプリンセス…だって?」
二人の会話に意識が覚醒し、すぐさま立ち上がる。
俺をダークナイトプリンセスの仲間に引き入れる為に来た?どういうことだ?
「おはよう♪侑哉♪迎えに来たよ」
「迎えに来ただって?俺はお前の仲間になるつもりなんてないぞ?」
「知ってる、だから今回はちょっと強引に仲間にするつもり」
そう口にし、ダークナイトプリンセスは葵に手をかざす。
その瞬間、その手に周りの物が吸い込まれていき、葵もその手に吸い込まれそうになる。
「葵!」
俺がそう叫ぶと同時に、葵の周りにシールドが展開され、ダークナイトプリンセスの手に吸い込まれそうになっていたものが、元の位置へと戻った。
「嘘!?無力化された?……あはは、あはははは♪そっか、侑哉は私のこの行動すら予測してたんだ♪さすがだね♪ますます好きになっちゃうよ」
今のは俺が花恋に頼んでいたプログラムか?やっぱり、作ってもらって正解だったな。
「しょうがない、今回は撤退するしかないね…じゃあね、また来るから♪」
「待て!」
Dボードに乗って逃げようとしているダークナイトプリンセスを俺もDボードに乗って追いかける。
「どうしたの?そんなに私と一緒に居たいの?嬉しいなぁ♪」
「違う、お前に聞きたいことがあるだけだ」
「相変わらず、つれないなぁ…まぁ、そんなところも大好きだけど♪…じゃあ、デュエルしよっか♪私に勝ったら侑哉が聞きたいこと、何でも答えてあげる」
「わかった、そのデュエル受けて立つよ!」
「そうこなくっちゃ!それじゃあ、いくよ?」
「あぁ!」
「「スピードデュエル!!」」
といった感じの第56話でした!
次回からは、侑哉とダークナイトプリンセスのデュエルが始まります、果たしてどうなるのか?
そういえば、今月からファイアウォールが禁止になってしまうんですよね…サイバースデッキの編成を考えないといけませんね。
それでは、今回はここまで!ここまでの拝読ありがとうございます!