遊戯王VRAINS 幻影の咆哮~青き天使との日常~   作:kajoker

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第51話です!

シュタインズゲートゼロの放送が始まってから、すべての回をちゃんと見ているんですが、ついに!次回、鳳凰院凶真が復活するかもしれないということにテンションがMAXになっている今日この頃です!

どれほどこの時を待ちわびていたことか!

…おっと、すみません…遊戯王とは関係ない話しをしてしまいました。

もし、シュタインズゲートについて知らないという方が居れば、ゲームをプレイするか…または、アニメを見てみてください。

最初はまぁ、あれかもしれませんが面白いですから!

それでは、本編をどうぞ!




第51話 殺意

「ふぅ…助かったよ、ありがとうミズキ」

 

「いえいえ、気にしないでください!むしろ、Phantomさんの力になれて嬉しかったです」

 

そう言って、ミズキは満面の笑みを浮かべる。

 

「ゆ…Phantom!無事だったのね!良かった!」

 

「あぁ、おかげさまでね…心配掛けてごめんな、ブルーエンジェル」

 

そう言って、俺はブルーエンジェルに謝罪する。

 

結局、心配を掛けちゃったな。

 

…それにしても、彼女は一体何者だったんだ?

 

俺や葵のことも知っていたし、精霊の力まで使えるなんてな。

 

もしかして、所謂、転生者みたいな人なのか?

 

だとすると、俺は前の世界で彼女に会ったことがあるのか?

 

…ダメだな、あまりにも情報が少なすぎる。

 

「どうかしたの?Phantom」

 

「ごめん、ちょっと考え事をしてた…」

 

「考え事…?」

 

「あぁ、実は…」

 

「え!?ちょっと待ってよ、お母さん!私まだ…Phantomさんの手伝いをしたいのに…」

 

考えていた内容をブルーエンジェルに話そうとすると、突如として、ミズキから声が響いた。

 

「ミズキ?どうかしたのか?」

 

「実は、お母さんから危ないから早く戻って来なさいってメッセージが届いて…」

 

「…あぁ、なるほどな…」

 

それもそうだろう、母親からすれば自分の娘がこんな危ない場所に居るんだし、心配するだろうな。

 

「…わかった、お母さんの元に帰ってあげてくれ…ハノイの塔は俺達が絶対に止めてみせるからさ!」

 

まぁ、俺はデュエルできる状態じゃないから、サポートに徹することになるだろうけど。

 

それでもできることはある…なら、それを全力でやるだけだ。

 

「Phantomさん…わかりました!私、皆さんのことを信じてます!必ずリンクヴレインズを救ってください!」

 

「あぁ、任せてくれ!」

 

最後に俺の言葉を聞いて、ミズキはログアウトした。

 

「さぁ、行こうか、葵!」

 

「…待って、その前に…」

 

「うん?」

 

俺がそう聞き返すと、葵はそっと俺へと抱きついた。

 

「本当に無事で良かった…!本当にいつも無茶ばかりするんだから…」

 

「悪かった…俺に出来ることをしたかったんだけど、こんな風に心配掛けるなら、おとなしくしていた方が良かったかもな…本当にごめん」

 

そう声を掛けながら、葵の頭をそっと撫でる。

 

葵は恥ずかしいのか、頬が赤く染まっていた。

 

その姿が可愛くて、リンクヴレインズに無理して来た甲斐があったな、なんてことを思ってしまう。

 

それにしても…本当に、我ながら無茶ばかりしてるな…でも、じっとなんかしていられないしな…まぁ、それは葵も似たようなものだけどな。

 

『イチャイチャしてるところ申し訳ないんですけど、私のこと忘れてません?目の前でイチャイチャされて嫉妬で狂いそうなんですが…』

 

レイがかなり棘のある言い方でそう口にする。

 

「そうか?いつも通りな気がするけど…あ、そうだ!二人に話したいことがあったんだ…」

 

「話したいこと?」

 

「あぁ…とりあえず、ハノイの塔に向かいながら説明するよ…」

 

「わかったわ…それじゃあ行きましょう!」

 

そうして、俺達はハノイの塔へ再び向かっていった。

 

//////////////

 

「ダークナイトプリンセス…その人とそんなことがあったのね…」

 

「あぁ…」

 

俺はハノイの塔に向かう道中で、ここに来るまでの経緯を説明した。

 

アバターやリンクヴレインズ上の建物を再構築するプログラムを作ったこと、そのプログラムをテストしている途中でダークナイトプリンセスとデュエルをすることになったこと等を二人に説明した。

 

『それにしても、ダークナイトプリンセス…彼女は一体何者なんでしょうか?精霊の力を使えたり、侑哉さんや葵さんのことを知っているなんて…』

 

「それに関しては俺もわからない…だけど、一つ考えられる可能性がある…」

 

『可能性?どんな可能性ですか?』

 

「…俺が前に居た世界から、誰かがこの世界に来たのかもしれない」

 

「侑哉が前に居た世界から?確かにそれなら侑哉のことを知っているのも納得がいくけど…」

 

『でも実際、そんなことが起こり得るんでしょうか?侑哉さんは元々この世界の人ですから、この世界に戻ってきたと考えれば、辻褄も合いますけど…』

 

「確かに、普通に考えれば有り得ないことだけど…方法はあるにはある…」

 

「どんな方法?」

 

「それは……っと、ハノイの塔が見えてきたぞ!」

 

葵とそんな風に会話を交わしていると、ハノイの塔が見えてきた。

 

そして、目を凝らして見てみると、Go鬼塚とリボルバーがデュエルをしていて、それをプレイメーカーが観戦していた。

 

「プレイメーカー!これは、どういう状況だ?」

 

「Phantom…!それにブルーエンジェルも無事だったか…」

 

 

「Phantom、遅かったな…たった今、Go鬼塚とのデュエルに決着がついた、私の勝利でな」

 

プレイメーカーに今の状況をリボルバーがそう答える。

 

鬼塚が負けた?嘘だろ…やっぱり、リボルバーは一筋縄ではいかないな。

 

俺が鬼塚が負けたという事実に衝撃を受けていると、徐々に鬼塚の体が量子になっていく。

 

「くっ!まずい!」

 

その変化に気づいた俺はすぐさまカード状のプログラムを投げつけた。

 

「プレイメーカー、俺が出来るのはここまでだ」

 

「Go鬼塚、お前のおかげで奴の手の内を知ることができた」

 

「フッ、後を頼むぞ、お前達…」

 

そう言って、Go鬼塚は消えていった。

 

「Go鬼塚がデータに…」

 

「…いや、多分大丈夫だ…消える前に周りのデータの色が正常な色になっていた、Go鬼塚はログアウトできたんだと思う…」

 

「それなら良いんだけど…」

 

そう言って、葵は安堵の声を洩らす。

 

正直、危なかった…後少し遅ければ、鬼塚はハノイの塔に吸収されていた。

 

「まさか、ハノイの塔に吸収されないプログラムを作成したとは…さすがはPhantomと言ったところか…」

 

「そいつはどうも…それで、どうするつもりだ?リボルバー…次は誰とデュエルする?」

 

「そうだな…まずは、Phantom、お前との決着をつけたいところではあるが、万全な状態ではないお前とデュエルしても意味はない」

 

「…やっぱり、わかっちゃうか…どうやら俺の想像以上に俺の体はやばい状態らしいな」

 

まぁ、正直、結構無茶をしてる感じはするけどな…全く、こんなんだから葵達に心配掛けるんだろうな。

 

「…Phantomは休んでて、ここは私がリボルバーとデュエルするわ!」

 

「いや、お前達は下がっていろ…これは俺が決着をつけなければならない戦いだ」

 

葵が俺の代わりにデュエルをしようとすると、プレイメーカーがそう口にする。

 

確かに、これはプレイメーカーが決着をつけるべきものかもしれないな…だって、遊作はずっとハノイの騎士を追っていたんだもんな。

 

「ここは私がデュエルするわ!」

 

「…ブルーエンジェル、ここはプレイメーカーにデュエルさせてあげよう」

 

「…どうして?」

 

「ハノイの塔完成まであまり時間はない…何度もデュエルをすれば、その分時間を消費する…それで塔が完成しちゃったら意味がない…それに」

 

「それに…?」

 

「…プレイメーカーはずっとハノイの騎士を追ってきたんだ、最後の決着ぐらいはプレイメーカーにつけさせてあげたいんだ」

 

実際、俺はプレイメーカーと一緒に戦ってきたし、ロスト事件についても少しとはいえ知ってしまった。

 

だからこそ、この決着はプレイメーカー自身がつけるべきだと思った。

 

「…仕方ないわね…わかったわ、ここはプレイメーカーに任せる…だけど、あなたが負けたら、その時は私がリボルバーを倒すわ!」

 

「…まぁ、俺のプログラムを使えばある程度時間稼ぎができるし、一戦分くらいは何とかなるか…とまぁ、ブルーエンジェルもこう言ってくれたし、リボルバーとの決着をつけてこい!プレイメーカー」

 

「お前達…あぁ、任せておけ!」

 

「…どうやら、誰が戦うか決まったようだな」

 

「あぁ」

 

「では、決着をつけるとしよう…来い!プレイメーカー!」

 

そう言って、リボルバーはDボードへと飛び乗り、ハノイの塔へと向かっていき、プレイメーカーもそれに続いた。

 

 

「行ったか…葵、ありがとな…プレイメーカーにデュエルさせてくれて」

 

「気にしないで、私もそれが良いと思っただけだから!」

 

そう言って、葵は俺に満面の笑みを向けてくれた。

 

「そっか…」

 

 

「あれれ?これは邪魔しちゃったかな?」

 

「…っ!お前は…」

 

ふと、聞き覚えのある声が聞こえて、思わず後ろを振り返る。

 

そこには、ここに来る前に戦った少女の姿があった。

 

「ダークナイトプリンセス…!何でここに?」

 

「ちょっと~!そんな怖い顔しないでよ…今回は別に戦いにきたわけじゃないのにさ…」

 

そう言って、ダークナイトプリンセスは怒っていますと言わんばかりに頬を膨らませる。

 

「あなたがダークナイトプリンセス…!侑哉に何の用?」

 

「ブルーエンジェルか…あなたには別に話しかけてないんだけど」

 

そう言いながら、ダークナイトプリンセスは葵を睨み付ける。

 

そして、そのままさらに言葉を紡ぐ。

 

「私が用があるのは侑哉だけだから、あなたはさっさとログアウトすれば?それとも力ずくであなたを退場させようか?」

 

そう口にする、ダークナイトプリンセスからは葵に対する、とてつもない殺意を感じた。

 

こいつ…本気だ!このまま戦えば、葵の身に危険が及ぶ!

 

「…っ!望むところよ!」

 

「待て!葵!やめておいた方が良い」

 

「どうして!?」

 

「あいつの殺気、尋常じゃない…!あれは、完全に葵を潰すつもりだ…お前もそれは感じているだろ?」

 

「…そ、それは…確かにそうだけど」

 

何でかはわからないけど、ダークナイトプリンセスは葵に対して、すさまじいほどの殺気を放っている。

 

あれは、完全に葵を再起不能にまでしようと考えているレベルの殺気だ…どんな手段に出るかわからない。

 

「…ダークナイトプリンセス、結局、用件はなんだ?お前は戦うつもりはないと言った、なら、葵を目の敵にせずに、さっさと用件を言ってくれ」

 

「…はぁ、まぁ、侑哉に頼まれたら断れないよね…不本意だけど、ブルーエンジェル、あなたにもついでに話してあげる」

 

「くっ…」

 

葵は悔しそうにそう口にする。

 

「実は、侑哉に情報を教えてあげようと思って♪」

 

「情報…?」

 

「そうそう♪どうする、知りたい?知りたいなら教えてあげるよ♪」

 

情報か…本当に信頼できる情報とは限らないけど、聞く価値はあるか?

 

「一応、聞いておくけど、その情報を手に入れる為の条件とかはあったりするのか?」

 

「…疑り深いなぁ、私が侑哉に条件を満たさないと、情報を教えない、なんて意地悪なこと言うと思う?」

 

「会って、少ししか経っていないけど、お前ならそれぐらい言いそうな気がするんだけど」

 

「…はぁ、随分と警戒されてるね…まぁ、とにかく今回は条件とかは特にないよ、単純に侑哉に情報を教えたいだけ」

 

「そうか…」

 

「侑哉…この人の言うことなんか信用して良いの?」

 

葵がそう言って、心配そうに俺の方を見る。

 

確かに、葵の言う通りだ…正直言って、この人は得体がしれない…根っからの悪人ではないと信じたいけど、本当に、この情報を聞くべきなのか?

 

「もう、しょうがないなぁ…なら、これを受け取って!」

 

「これは?」

 

「私の知ってる情報♪この情報を見るかどうかは侑哉に任せるから♪それじゃあね!」

 

そう言って、俺のデュエルディスクにデータを送り、ダークナイトプリンセスは消えていった。

 

「…結局、情報って何だったんだ?デュエルディスクにデータが送られてきたから、それを見ればハッキリするのか?」

 

「わからない…だけど、一つだけわかっていることがある…ダークナイトプリンセスは私達の敵よ…多分、侑哉に渡したデータだって罠だと思う」

 

「まぁ、その可能性も0じゃないな…とりあえず、この情報はまだ見るべきじゃないな…」

 

実際、葵の言う通り、罠の可能性が高いかもしれない…だけど、敵かどうかは判断に困るな。

 

まぁ、葵に対しての殺意は間違いなく本物だ…それだけで俺の敵として認識するには充分だけど。

 

「まぁ、そう簡単に答えは見つからないか…」

 

俺はそう呟きながら、プレイメーカーとリボルバーがデュエルしているであろう場所に目を移し、こう言葉を紡いだ。

 

「頑張れよ、プレイメーカー」

 

 




といった感じの第51話でした!

次回の詳しい内容までは決めていないのですが、もうすぐハノイの塔編は終了すると思います。

その後はちょっとした日常回を挟んで、原作に入るつもりです。

それでは、今回はここまで!ここまでの拝読ありがとうございます!

エル・プサイ・コングルゥ…(一度言ってみたかったので)

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