遊戯王VRAINS 幻影の咆哮~青き天使との日常~   作:kajoker

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第49話です!

今回から、侑哉とダークナイトプリンセスのデュエルが始まります。

最初の方はダークナイトプリンセスの過去の一部になります。

それでは本編をどうぞ!


第49話 月夜に眠る姫

その少女はごく普通の家庭に生まれ、普通の生活を送っていた。

 

ただ、普通と少し違うのは少女はとても容姿端麗であり、男子の人気者だったことだ。

 

それが、同性の友人達は気に食わなかったのか、彼女をいじめるようになった。

 

そして、いじめはどんどんエスカレートしていき、幼かった彼女の心はボロボロだった。

 

両親を巻き込んではいけないと、相談もできずに1人で苦しんでいた。

 

しかし、誰も彼女を救おうとはしなかった…そんな、ある日のことだった。

 

「ねぇ、どうかしたの?」

 

「…別に、何もないよ」

 

「じゃあどうして泣いてるの?」

 

「…!何でもないってば!」

 

そう言って、少女は逃げ出した。

 

見知らぬ少年に自分の心を見抜かれてしまったような気がして、とにかくこの場から逃げ出したかった。

 

少女は走った、ただひたすらに、自分に声を掛けた少年から逃げるために。

 

「はぁ…さすがに着いてきてないよね?」

 

そう呟いて、少女が振り向くと先ほど声を掛けてくれた少年が息を切らしながら、走ってきていた。

 

「はぁ…はぁ…君、足早いね…」

 

「何でついてきたの?私のことはほっといてよ!」

 

「…確かに、僕は君のこと知らないけど、悲しんでいる人をほっとくなんてできないよ…」

 

少年はそう言って、笑みを浮かべる。

 

その様子を見て、少女は自分の心が温かくなっていくのを感じた。

 

「…そうだ、君の名前は?僕はかんなぎ ゆうや…」

 

「私は…」

 

 

///////////////

 

(君と出会ってから、私の世界は広がった…君がいたから、今の私はここに居る…侑哉、君にとっては何てことないことでも私はそれに救われた…だから、君以外の人なんて眼中になかった…君さえ居てくれれば何も要らない…だから、君が望まないとしても、私は君を私のものにしてみせる)

 

「私の先攻、まずは手札から魔法カード、《聖遺物の醒存》を発動!このカードの効果はデッキからカードを5枚見て、その中に《クローラー》、または、《聖遺物》カードがあれば、その内の1枚を手札に加える!そして、加えたカード以外のカードは墓地に送る!」

 

めくったカード

 

オルフェゴール・カノーネ

 

星遺物-『聖槍』

 

星遺物-『聖杖』

 

オルフェゴール・プライム

 

オルフェゴール・ディヴェル

 

「私は《星遺物-『聖槍』》加えるよ!そして、それ以外のカードは墓地へ送る!」

 

「星遺物…しかも、聞いたことのない星遺物カードだな…」

 

それにクローラーというカードも知らないな…まぁ、当然といえば当然だけど。

 

それにしても、あの魔法カードで墓地のカードが増えたな…もしかして、ダークナイトプリンセスのデッキは墓地から起動するタイプのデッキなのか?

 

「そして、私は《終末の騎士》を召喚!終末の騎士の効果でデッキから闇属性モンスター1体を墓地に送る!私は《オルフェゴール・スケルツォン》を墓地へ送るよ!」

 

終末の騎士 レベル4 攻撃表示(ATK1400)

 

終末の騎士…やっぱり墓地から起動するタイプのデッキと見て良いかもしれないな…まぁ、まだ推測の域を出ないけど。

 

俺はそんな風に思考しながら、ダークナイトプリンセスの行動を見ることにした。

 

「そして、墓地の《オルフェゴール・ディヴェル》の効果発動!このカードを除外し、デッキからディヴェル以外のオルフェゴールモンスターを特殊召喚する!来なさい!《オルフェゴール・カノーネ》!」

 

オルフェゴール・カノーネ レベル1 チューナー 攻撃表示(ATK500)

 

「そして、現れなさい!凶演を奏でるサーキット!召喚条件はオルフェゴールモンスターを含む効果モンスター2体!私は《終末の騎士》と《オルフェゴール・カノーネ》をリンクマーカーにセット!サーキットコンバイン!リンク召喚!現れろ!リンク2、《オルフェゴール・ガラテア》!」

 

オルフェゴール・ガラテア リンク2(ATK1800)リンクマーカー右上/左下

 

「そして、ガラテアの効果発動!除外されている機械族モンスター1体をデッキに戻すことで、デッキからオルフェゴール魔法、罠カードを1枚セットできる!私はディヴェルをデッキに戻し、フィールド魔法、《オルフェゴール・バベル》をセットして、そのまま発動!」

 

フィールドに巨大な塔が現れる、それは名前の通り、バベルの塔のようだった。

 

…やれやれ、今の所、塔には良い思い出が1つもないんだけどな…さて、それはさておき、このフィールド魔法、何か厄介なカードな気がするな。

 

バベルと名のつくカードには前にも苦しめられたからな…それに、わざわざサーチしたってことは重要なカードの可能性が高そうだ。

 

「まだまだいくよ♪墓地のカノーネの効果発動!このカードを除外し、手札からカノーネ以外のオルフェゴールモンスターを特殊召喚できる!私は手札の《オルフェゴール・ディヴェル》を特殊召喚!」

 

オルフェゴール・ディヴェル レベル4 攻撃表示(ATK1700)

 

「再び現れなさい!凶演を奏でるサーキット!アローヘッド確認、召喚条件はオルフェゴールモンスターを含む効果モンスター2体以上!私はディヴェルとガラテアの2体をリンクマーカーにセット!サーキットコンバイン!リンク召喚!現れよ、リンク3!《オルフェゴール・ロンギルス》!」

 

オルフェゴール・ロンギルス リンク3(ATK2500)リンクマーカー左上/上/右下

 

「オルフェゴール・ロンギルス…何か、どこかで見たことがあるような……そうだ!ニンギルスに似てるんだ!」

 

それに、さっきのガラテアはイヴに似てたしな…なら、オルフェゴールデッキは聖杯デッキのカードが基になってるのか。

 

うん?待てよ…聖杯が基になってるならアウラムも居なきゃおかしいよな…もしかして、ニンギルスが闇落ちして、アウラムと敵対したとかか?

 

『ニンギルスか…その名は捨てた…今の俺はロンギルスだ』

 

「…!なるほどな、これが君の精霊ってことか…」

 

『そういうことだ……そして、お前がマスターの思い人というわけか…なるほど、確かにお前からは強い光の力を感じる』

 

そう言って、ロンギルスは俺を品定めするかのように観察する。

 

「きゃ♪もうロンギルスったら、思い人だなんて恥ずかしいよ♪」

 

ダークナイトプリンセスはロンギルスの言葉に照れたようにそう口にする。

 

…何か色々と変わった人だな。

 

「…えっと、1つ聞かせてくれないか?」

 

「良いよ♪何でも聞いて♪」

 

「君は俺のことを知ってるのか?正直言って俺は君のことをまるで知らないんだけど」

 

「…まぁ、それはしょうがないよ、今の私はアバターの姿だしね…ただ、1つだけ言えるのは私はあなたのことを誰よりも知ってるよ♪…もちろん財前葵よりね」

 

この人…葵のことも知ってるのか…一体、何者なんだ。

 

「それじゃあ、続けるね…さらに、墓地の《星遺物-『聖杖』》の効果!このカードを除外し、除外されているオルフェゴールモンスター1体を特殊召喚できる!私は除外されているカノーネを特殊召喚!そして、三度現れなさい、凶演を奏でるサーキット!召喚条件はオルフェゴールモンスターを含む、効果モンスター2体以上!私はロンギルスとカノーネをリンクマーカーにセット!サーキットコンバイン!リンク召喚!現れよ、リンク4!《オルフェゴール・オーケストリオン》!」

 

オルフェゴール・オーケストリオン リンク4(ATK3000)リンクマーカー上/右上/左下/下

 

「いきなりリンク4か…しかも、手札をほとんど消費してないし…これがオルフェゴールか…良いね、ワクワクしてきたよ!」

 

「はふぅ…♪そんな楽しそうな顔されたら嬉しくなっちゃうなぁ…もっと私に興味を持って、私だけを見て…そして、私を…」

 

「えっと、ターンエンドか?それなら俺のターンを始めちゃうけど…」

 

「スルーは酷いと思うなぁ…まぁ、良いけど…私はさらに墓地のスケルツォンを除外し、墓地のロンギルスを特殊召喚!そして、カードを1枚伏せて、ターンエンドだよ」

 

 

ダークナイトプリンセス LP4000

手札2(内1枚、《星遺物-『聖槍』》)

 

場 EXモンスターゾーン オルフェゴール・オーケストリオン リンク4(ATK3000)リンクマーカー上/右上/左下/下

 

メインモンスターゾーン オルフェゴール・ロンギルスリンク3(ATK2500)リンクマーカー左上/上/右下

 

伏せ1

 

Pゾーンなし

 

フィールド魔法 オルフェゴール・バベル

 

 

 

 

Phantom LP4000

手札5

 

場なし

 

伏せなし

 

Pゾーンなし

 

「俺のターン、ドロー!俺は手札からレベル2以下のモンスターを墓地に送り、《ビットルーパー》を特殊召喚!」

 

ビットルーパー レベル4 守備表示(DEF2000)

 

「そして、俺は《ROMクラウディア》を召喚!そして、ROMクラウディアの効果で墓地のサイバース族モンスターを手札に加えることができる!俺は《レイテンシ》を手札に加える!そして、レイテンシは墓地から手札に加わった時、特殊召喚できる!来い!レイテンシ!」

 

ROMクラウディア レベル4 攻撃表示(ATK1800)

 

レイテンシ レベル1 守備表示(DEF0)

 

「そして、現れろ!希望を照らすサーキット!召喚条件はサイバース族モンスター2体!俺はROMクラウディアとレイテンシをリンクマーカーにセット!サーキットコンバイン!リンク召喚!現れろ、リンク2!《フレイム・アドミニスター》!」

 

フレイム・アドミニスター リンク2(ATK1200)リンクマーカー左/右下

 

「そして、レイテンシの効果!自身の効果で特殊召喚したこのカードがリンク素材として墓地へ送られた場合、デッキからカードを1枚ドローする!」

 

Phantom手札3→4

 

「そして、再び現れろ!希望を照らすサーキット!召喚条件はサイバース族モンスター2体以上!俺はフレイム・アドミニスターとビットルーパーをリンクマーカーにセット!サーキットコンバイン!リンク召喚!現れろ、リンク3!エンコード・トーカー!」

 

エンコード・トーカー リンク3(ATK2300)リンクマーカー上/下/右下

 

「なるほど…サイバースも使ってるんだ…さぁて、どうしようかな」

 

「何もないなら続けるよ!俺は手札から魔法カード、《カップ・オブ・エース》を発動!」

 

「来た!Phantomの得意戦法だ!」

 

「…得意戦法って、まぁ、良いか…それじゃあコイントスを行う…結果は…よし、表!よってデッキからカードを2枚ドロー!」

 

Phantom手札4→3→5

 

「いつも思うけど、すごい確率だよね…普通、こんなに成功しないでしょ…まぁ、それでこそPhantomって感じもするけど♪」

 

「まぁ、こういうカードを使いこなしてこそのエンタメデュエリストってもんだからね!さぁ、いくよ!俺はスケール1の《オッドアイズ・ペルソナ・ドラゴン》とスケール8の《オッドアイズ・アークペンデュラム・ドラゴン》でPスケールをセッティング!」

 

Phantom手札5→3

 

「揺れろ、運命の振り子!迫り来る時を刻み、未来と過去を行き交え!ペンデュラム召喚!来い!俺のモンスター達!手札から、《EMペンデュラム・マジシャン》、そして、《オッドアイズ・ファントム・ドラゴン》!!」

 

EMペンデュラム・マジシャン レベル4 攻撃表示(ATK1500)

 

オッドアイズ・ファントム・ドラゴン レベル7 攻撃表示(ATK2500)

 

「そして、ペンデュラム・マジシャンの効果発動!ペンデュラム・マジシャンとペルソナ・ドラゴンを破壊して、デッキから《EMドラミングコング》と《EMオッドアイズ・ユニコーン》を手札に加える!」

 

Phantom手札3→1→3

 

「そして、自分フィールドのオッドアイズモンスターが破壊されたことで、アークペンデュラム・ドラゴンのP効果発動!手札、デッキ、墓地からオッドアイズモンスターを特殊召喚できる!俺はデッキから《EMオッドアイズ・ディゾルヴァー》を特殊召喚するよ!」

 

EMオッドアイズ・ディゾルヴァー レベル8 攻撃表示(ATK2000)

 

「オッドアイズ・ディゾルヴァーの効果発動!オッドアイズ・ディゾルヴァーとPゾーンのアークペンデュラム・ドラゴンを融合する!現れろ!疾風纏いし迅雷の竜!《オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン》!」

 

オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン レベル7 攻撃表示(ATK2500)

 

「ボルテックス・ドラゴンの効果発動!このカードが特殊召喚に成功した時、相手フィールド上の攻撃表示モンスター1体を手札に戻す!俺はオルフェゴール・オーケストリオンを手札に戻す!」

 

ボルテックス・ドラゴンの効果により、オーケストリオンがEXデッキに戻っていく。

 

とりあえず、1体は処理したけど、効果がわからない以上警戒はしておかないとな。

 

「そして、俺はスケール2の《EMドラミングコング》とスケール8の《オッドアイズ・ユニコーン》で再びPスケールをセットする!」

 

「それじゃあ、バトルフェイズに入る前に、罠発動!《威嚇する咆哮》!このカードの効果で君はこのターン攻撃宣言を行えないよ!」

 

「だったら…」

 

ボルテックス・ドラゴンの効果を発動…そう言おうとして、ふと動きを止める。

 

本当にこの効果を発動して良いのか?何か誘導されている気がする…

 

「…いや、やっぱり何もない…俺は手札から魔法カード、《ペンデュラム・ホルト》を発動!EXデッキに表側表示でPモンスターが3種類以上存在している時、デッキからカードを2枚ドローできる!ただし、このカードの発動後、自分はターン終了時までデッキからカードを加えることができない」

 

Phantom手札1→0→2

 

「俺はカードを1枚伏せて、ターンエンドだ」

 

 

 

ダークナイトプリンセス LP4000

手札2(内1枚、《聖遺物-『聖槍』》)

 

場 EXモンスターゾーンなし

 

メインモンスターゾーン オルフェゴール・ロンギルス リンク3(ATK2500)リンクマーカー左上/上/右下

 

伏せなし

 

Pゾーンなし

 

フィールド魔法 オルフェゴール・バベル

 

 

 

Phantom LP4000

手札1

 

場 EXモンスターゾーン エンコード・トーカー リンク3(ATK2300)リンクマーカー上/下/右下

 

メインモンスターゾーン オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン レベル7 攻撃表示(ATK2500)

 

オッドアイズ・ファントム・ドラゴン レベル7 攻撃表示(ATK2500)

 

伏せ1

 

Pゾーン EMドラミングコング(スケール2)

 

EMオッドアイズ・ユニコーン(スケール8)

 

 

(へぇ~、やっぱり侑哉はすごいなぁ…オルフェゴールデッキについては知識がないはずなのに、直感的に感じとったのかな?)

 

「…やっぱり最高♪Phantom…もっともっと楽しもうね♪」

 




といった感じの第49話でした!

というわけで、ダークナイトプリンセスのデッキはオルフェゴールになりました。

オルフェゴールデッキは最近使い始めたばかりなので上手くオルフェゴールデッキの良さを書けたかはわかりませんが楽しんで頂けたなら幸いです。

それでは、今回はここまで!ここまでの拝読ありがとうございます!

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