遊戯王VRAINS 幻影の咆哮~青き天使との日常~ 作:kajoker
最近、いつもよりも更新ペースが早くて、自分自身に驚いています。
これからも、不定期更新になるとは思いますがこの小説を楽しんで頂ければ幸いです!
それでは、本編をどうぞ!
「侑哉がサイバース世界で戦っている!?」
「そうよ、侑哉は今サイバース世界で誰かと戦っているの…何故かはわからないけど」
花恋さんは焦っている様子でそう口にした。
嫌な予感がして学校から戻ってきて良かった…これで侑哉を助けに行ける!
「…葵ちゃん、言っておくけど今すぐ侑哉を助けに行くことはできないわよ」
「どうしてですか?サイバース世界の場所はわかっているじゃないですか!」
花恋さんの言葉に思わずそう返す。
サイバース世界の場所がわかっているなら、そこに私がログインするのに、どうして?
「最後まで話しを聞きなさい、今、ログインしたら葵ちゃんも戻ってこれなくなるでしょ?だから、まずは緊急用の脱出プログラムを組むわ…そして、そのプログラムを組み終わった後に、葵ちゃんにサイバース世界に向かってもらうわ」
「なるほど、だから花恋さんは今すぐに助けには行けないって言ってたんですね…ごめんなさい」
侑哉を助けたい気持ちでいっぱいで、早とちりしちゃったわね。
「本当に侑哉のことになると周りが見えなくなるんだから…まぁ、私も似たようなものだけど…」
「花恋さん?どうかしたんですか?」
「いえ、何でもないわ…侑哉がこうなったのは私の責任でもあるから、すぐにプログラムを組むわ…待ってて」
「わかりました…」
花恋さんはそう言って黙々と作業を始めた。
…何だろう、何だか今の花恋さんの様子はおかしかった気がする。
確かに侑哉を止めることができなかったけど…それなら私の責任でもある…今の花恋さんは何だか別の何かを後悔しているような気がする。
…でも、今は侑哉を助けに行くことが大事よね…後で侑哉と一緒にそれとなく聞いてみようかな。
私はそんなことを考えながら、花恋さんの作業が終わるのを待った。
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「私のターン、ドロー!ふむ…ではこのままバトルに入らせてもらおう!」
「いきなりか…」
だが、逆に言えばあいつは今、あれ以上の行動を取れないとも言える。
まぁ、あえて動いていないとも考えられるが…
「バトル!《邪神アバター》で《閃刀姫-ハヤテ》に攻撃!今の邪神アバターの攻撃力は閃刀姫-ハヤテの攻撃力2300に+100した数値となる!」
邪神アバター(ATK2400)
邪神アバターが閃刀姫-ハヤテの姿を模したような姿へと変わり、ハヤテへと攻撃を仕掛ける。
『きゃあああ!』
Phantom LP4000→3900
「くっ!すまない、レイ…」
『…気になさらないでください!それに、私はまだ倒れませんよ!』
そう言って、レイはハヤテの装甲を解除し、フィールドに舞い戻った。
閃刀姫-レイ レベル4 攻撃表示(ATK1500)
「装甲を解除して生き延びたというわけか…だが、この瞬間、フィールド魔法、神縛りの塚の効果発動!フィールド上のレベル10以上のモンスターが戦闘でモンスターを破壊し、墓地へ送った場合、破壊されたモンスターのプレイヤーは1000ポイントのダメージを受ける!」
「ぐわぁぁぁ!!」
Phantom LP3900→2900
『マスター!大丈夫ですか!?」
「…あぁ、大丈夫だ…そっちの方こそ大丈夫か?」
『はい、私は大丈夫です…ただ、あのモンスター、他のモンスターとは何かが違います…装甲がなかったら私も危なかったかもしれません…』
「…相手はまがりなりにも邪神だからな…そこいらのモンスター達とは格が違うということだろうな」
それに…邪神アバターもそうだが、神縛りの塚のダメージもかなり大きい…あの男の使っているカード達は本物と同等の力を持っているのか?
「私はこれでターンエンドだ…さぁ、君のターンだぞ、Phantom」
ローブの男 LP1700
手札1
場 EXモンスターゾーンなし
メインモンスターゾーン 邪神アバター レベル10攻撃表示 (ATK?→2100)
伏せ2(冥界の宝札、フィールドバリア)
Pゾーンなし
フィールド魔法 神縛りの塚
Phantom LP2900
手札3
場 EXモンスターゾーンなし
メインモンスターゾーン 閃刀姫-レイ レベル4 攻撃表示(ATK1500)
フレイム・アドミニスター リンク2(ATK2000)リンクマーカー左/右下
伏せなし
Pゾーンなし
「俺のターン、ドロー!」
Phantom手札3→4
…このカードは!これならいけそうだ!
魔法、罠カードは次のターンから発動可能…次のターンからが勝負だな。
「…現れろ、絆を紡ぐサーキット!召喚条件は水属性以外の閃刀姫モンスター1体!俺は、閃刀姫-レイをリンクマーカーにセット!」
『いきますよ!換装!モード選択、刀衛モード!』
「サーキットコンバイン!リンク召喚!現れろ!リンク1《閃刀姫-シズク》!」
『この身に懸けてもマスターをお守りします!』
閃刀姫-シズク リンク1(ATK1500)リンクマーカー右上
「俺は、カードを2枚伏せてターンエンドだ!そして、この瞬間、シズクの効果発動!墓地に同名カードが存在しない、閃刀魔法カードを1枚手札に加える!俺は、《閃刀術式-アフターバーナー》を手札に加える!さぁ、貴様のターンだ!」
Phantom手札4→2→3
さて、どう出てくる?
「私のターン、ドロー!私は手札から魔法カード、《サイクロン》を発動!」
「サイクロン!?このタイミングでか…」
もし、あのカードが破壊されたら、逆転が難しくなるぞ…
「さて、何を破壊しようか…決めた、私から見て右の伏せカードだ」
「…!」
サイクロンの効果により、俺から見て、左の伏せカードが破壊される。
そして、破壊されたカードは…
「…破壊された《リ・バウンド》の効果発動!このカードが破壊された時、デッキからカードを1枚ドロー!」
Phantom手札3→4
「…外した…いや、そのカードを破壊するように誘導されたのか…私がサイクロンを発動した時、君はその伏せカードに反射的に目を移した…そのせいで私は君が目を移した伏せカードが重要なカードだと錯覚してしまった」
「ある意味、重要なカードだっただろ?まぁ、まさかこんな作戦で騙せるとは思っていなかったが」
俺はそう言って、ローブの男に余裕の笑みを浮かべる。
正直、危ないところだった…この作戦が失敗したらなかなかに厳しい状況になっていただろうしな。
「さすがと言っておこう…あまりにも自然な動きだったせいで、騙されてしまった…だが、この攻撃は防げまい!バトルだ!邪神アバターでフレイム・アドミニスターに攻撃!」
シズクの姿を模した邪神アバターがフレイム・アドミニスターへと攻撃を仕掛ける。
「そうはさせない!これが、邪神アバター攻略への一手だ!リバースカードオープン!永続罠!《革命-トリック・バトル》!」
「《革命-トリック・バトル》!?」
「トリック・バトルの効果!攻撃表示モンスター同士が戦闘を行う場合、攻撃力の高いモンスターが戦闘で破壊される!」
「何!?」
トリック・バトルの発動により、邪神アバターの攻撃をフレイム・アドミニスターが押し返す…そして、そのまま邪神アバターを撃破した。
Phantom LP2900→2500
「ライフはこちらが削られるが…邪神アバター、攻略完了だ!」
「くっ!まさか、邪神アバターを戦闘で真っ正面から突破してくるとは…これがPhantomの実力か…やはり、君は面白い」
「そいつはどうも…それで、どうするつもりだ?まだ貴様のターンだぞ?」
「…私は手札から魔法カード、《強欲で貪欲な壺》を発動!デッキトップから裏側で10枚除外して、2枚ドロー!」
ローブの男手札1→0→2
このタイミングでドローカードだと?
「さらに、手札から《サイバース・ガジェット》を召喚!このカードが召喚に成功した時、墓地からレベル2以下のモンスターを特殊召喚できる!蘇れ、《サイバース・コンバーター》!」
サイバース・ガジェット レベル4 攻撃表示(ATK1400)
サイバース・コンバーター レベル2 守備表示(DEF1000)
「サイバースを展開してきたか…」
「さらに、魔法カード、《運命の宝札》を発動!サイコロを振り、出た目の数だけデッキからカードをドローし、ドローした枚数と同じ数だけデッキトップからカードを除外する」
「…強力なドローソースだな…さて、どの目が出る?」
ローブの男がサイコロを振り、地面へと転がる…そして、サイコロは3の目を出して止まった。
「出た目は3…よってデッキから3枚ドローし、3枚カードを除外する」
ローブの男手札1→0→3
「そして、私は君の場の革命-トリック・バトルを墓地へ送り、《トラップイーター》を特殊召喚!」
「トラップイーターだと!?」
俺の場の革命-トリック・バトルを食らい、トラップイーターがローブの男のフィールドに現れた。
トラップイーター レベル4 攻撃表示(ATK1900)
「そして、魔法カード、《二重召喚》を発動!これにより私はもう一度、通常召喚を行える!さぁ、いくぞ!私は3体のモンスターを生け贄に捧げる!現れろ!2体目の邪神!《邪神ドレッド・ルート》!」
その言葉と共に、異形の魔物が現れる…その魔物の姿は悪魔と表現するのが正しい気がした。
邪神ドレッド・ルート レベル10 攻撃表示(ATK4000)
「まさか、2体目の邪神まで出てくるとはな…これは、少し不味いかもな」
邪神アバターに続き、ドレッド・ルートまで…あいつのデッキには三邪神全てが入ってるのか?
どちらにせよ、この状況はなかなかに厳しい…だが、それでこそ倒しがいがあるというものだ。
「冥界の宝札の効果により、2枚ドロー!そして、墓地へ送られた、サイバース・ガジェットの効果によりガジェット・トークンを特殊召喚する」
ガジェット・トークン レベル1 守備表示(DEF0)
「ドレッド・ルートの効果!このカード以外のモンスターの攻守は全て半分となる!」
ドレッド・ルートから闇の波動が広がり、全てのモンスターに影響を与える。
『うっ…何ですか、これ…急に力が…抜けて』
レイはそう口にして、力なく地面へと座り込む。
閃刀姫-シズク(攻撃力2300→1150)
フレイム・アドミニスター(攻撃力2000→1000)
「レイ!大丈夫か?」
『大丈夫…です…こんなところで……倒れてなんかいられません!』
「何とか大丈夫そうだな…」
だが、これ以上デュエルを長引かせるわけにはいかないな…デュエルの勝敗以前にレイが持たない。
「…シズクの効果!墓地の魔法カードの数×100ポイント相手のモンスターの攻守を下げる!俺の墓地には閃刀起動-エンゲージがある…よって攻守を100ポイントダウンさせる!」
邪神ドレッド・ルート(ATK4000→3900)
「ふむ、ではカードを1枚伏せてターンを終了する」
ローブの男 LP1700
手札1
場 EXモンスターゾーンなし
メインモンスターゾーン 邪神ドレッド・ルート レベル10 攻撃表示(ATK4000→3900)
ガジェット・トークン レベル1 守備表示(DEF0)
伏せ3(内2枚 冥界の宝札、フィールドバリア)
Pゾーンなし
フィールド魔法 神縛りの塚
Phantom LP2500
手札4
場 EXモンスターゾーン 閃刀姫-シズク リンク1(ATK2300→1150)リンクマーカー右上
メインモンスターゾーン フレイム・アドミニスター リンク2(ATK2000→1000)リンクマーカー左/右下
Pゾーンなし
フィールド魔法なし
「俺のターン、ドロー!」
Phantom手札4→5
「俺は手札から魔法カード、《ツインツイスター》を発動!手札を1枚墓地へ送り、フィールド上の魔法、罠カードを2枚破壊できる!俺はフィールドバリアと貴様の伏せカードを破壊する!」
墓地へ送ったカード 閃刀術式-アフターバーナー
ツインツイスターの効果によりフィールドバリアと相手の伏せカードが破壊される。
よし、これで突破しやすくなった…さぁ、反撃といこうか!
「俺は手札から《EMドクロバット・ジョーカー》を召喚!この瞬間、ドクロバット・ジョーカーの効果によりデッキからこのカード以外の《EM》、《魔術師Pモンスター》、《オッドアイズ》モンスターのいずれかを手札に加える!俺は《オッドアイズ・ペルソナ・ドラゴン》を手札に加える!」
Phantom手札3→2→3
EMドクロバット・ジョーカー レベル4 攻撃表示(ATK1800→900)
「そして、俺はスケール6の《EMギタートル》と同じくスケール6の《EMリザードロー》でPスケールをセッティング!そして、ギタートルのP効果!もう片方のPゾーンにEMがセットされた時、デッキからカードを1枚ドロー!さらに、リザードローのP効果!このカードを破壊し、さらに1枚ドロー!」
Phantom手札1→3
「そして、空いたPゾーンに《オッドアイズ・ペルソナ・ドラゴン》をセット!そして、フィールド魔法、《天空の虹彩》を発動!」
天空の虹彩を発動すると同時に、空に美しい虹彩が現れる。
「さらに、天空の虹彩の効果発動!ペルソナ・ドラゴンを破壊し、デッキから《オッドアイズ・ファンタズマ・ドラゴン》を手札に加える!」
「《オッドアイズ・ファンタズマ・ドラゴン》…?何だそのカードは?」
「さぁな…それは見てのお楽しみだ…さらに、手札から魔法カード、《強欲で貪欲な壺》を発動!デッキトップから裏側でカードを10枚除外し、2枚ドロー!」
Phantom手札2→1→3
「さらに、フィールド魔法、《チキンレース》を発動!これにより、天空の虹彩は墓地へ送られる…そして、チキンレースの効果発動!1000ライフを払い、カードを1枚ドローする!」
Phantom LP2500→1500
「…よし、まだまだいくぞ!ライフを1000払い、魔法カード、《コズミック・サイクロン》を発動!このカードの効果により、《神縛りの塚》を除外する!」
コズミック・サイクロンの効果により、神縛りの塚が除外される。
Phantom LP1500→500
「さらに、魔法カード、《カップ・オブ・エース》を発動!コイントスを行い、表が出れば俺が、裏が出れば貴様が2枚ドローする……コイントスを行う、結果は…よし、表だ!よって、俺がデッキからカードを2枚ドローする!」
Phantom手札2→1→3
「…ようやく来たか…俺は空いているPゾーンにスケール3の《EMシールイール》をセット!そして、シールイールのP効果!相手フィールド上のモンスター1体の効果をターン終了時まで無効にする!俺はドレッド・ルートの効果を無効にする!」
シールイールのP効果により、ドレッド・ルートの効果が無効にされる。
…これで、俺のモンスター達は元の力を取り戻せる。
『あれ?力が溢れてくる……マスター!今ならいけますよ!』
「…どうやら、元のレイに戻ったようだな…俺のモンスター達の攻撃力は元に戻ったが、ドレッド・ルートにはシズクの効果を受けてもらう!俺の墓地の魔法カードは7枚、よって邪神ドレッド・ルートの攻守は700ポイントダウンする!」
邪神ドレッド・ルート(ATK4000→3300)
閃刀姫-シズク(ATK1150→2300)
フレイム・アドミニスター(ATK1000→2000)
EMドクロバット・ジョーカー(ATK900→1800)
「だが、君の場にドレッド・ルートを倒せるモンスターは存在しない…一体どうするつもりかな?」
「…フッ、お楽しみはこれからだ!俺は手札から《オッドアイズ・ファンタズマ・ドラゴン》を特殊召喚!」
「そのカードは!?」
「このカードはPゾーンにカードが2枚存在し、EXデッキに表側表示でオッドアイズPモンスターが存在する時、手札から特殊召喚できる!さぁ、初陣だ!ファンタズマ・ドラゴン!」
その言葉と共に、進化した幻影の竜が現れる…そして、俺の言葉に応えるように咆哮を上げた。
オッドアイズ・ファンタズマ・ドラゴン レベル8 攻撃表示(ATK3000)
「スケールを無視して、上級のモンスターを呼んだというのか…!」
「オーバースケールペンデュラム!これが俺の新たな力だ!いくぞ!バトル!《オッドアイズ・ファンタズマ・ドラゴン》で《邪神ドレッド・ルート》に攻撃!そして、この瞬間、ファンタズマ・ドラゴンの効果発動!このカードが戦闘を行う時、戦闘を行うモンスターの攻撃力をEXデッキに表側表示で存在するPモンスターの数×1000ポイントダウンする!俺のEXデッキには2体のPモンスターが表側表示で存在している、よって邪神ドレッド・ルートの攻撃力を2000ポイントダウンする!」
邪神ドレッド・ルート(攻撃力3300→1300)
「…お楽しみはこれまでだ!ファンタズマ・ドラゴン!邪神ドレッド・ルートを打ち倒せ!」
ファンタズマ・ドラゴンの攻撃は邪神ドレッド・ルートへと命中し、ローブの男のライフを0にした。
ローブの男 LP1700→0
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「俺達の勝利だ…サイバース世界から出ていけ」
「…今回は私の負けだ、だが次に戦う時はこうはいかない」
「できればもう二度と会いたくはないがな」
「君が拒もうと、再び会うことになる…君がその力を持っている限りな…」
「どういう意味だ?」
俺がそう尋ねると、ローブの男は笑い声を上げながら消えていった。
「何だったんだ?一体……ぐっ、さすがに力を使いすぎたか…」
『マスター!大丈夫ですか?』
「あぁ、俺は大丈夫だよ…レイの方こそ大丈夫か?」
覇王モードを解除し、レイにそう問いかける。
『はい、私は大丈夫です…でも、マスターが!』
「さっきも言っただろ?大丈夫だよ」
俺はそう言って、レイの頭を撫でる。
『あ…えへへ……って、これでごまかせると思ったら大間違いですよ!マスターはしばらくLINK VRAINSに行くの禁止ですからね!』
「え!?何でだよ!」
『マスターは気づいていないかもしれませんが、今回の戦いでかなりのダメージを受けているんです…これ以上のダメージは現実の体にまで影響を及ぼします』
「そうなのか…」
確かに、今回は最初の巨大なモンスターと戦ったり、三邪神の内の2体と戦ったり、なかなかにハードだったからな…レイの言う通り、かなりのダメージを受けていたかもしれないな。
「…わかった、しばらくLINK VRAINSには行かないように気をつけるよ」
『言い方が曖昧すぎませんか?マスターのことですから、隙をついてLINK VRAINSに行く気なんじゃないですか?』
レイはそう言って俺をジト目で睨み付ける。
「…うっ、返す言葉もないな…わかったよ、おとなしくしてる」
『そうしてください…侑哉さんがいなくなるのは絶対に嫌ですから…』
「あぁ、わかったよ…そういえば、レイって俺のことをたまに名前で呼ぶよな…」
『もしかして、ご迷惑でしたか?それなら、名前で呼ぶのはやめますけど…』
「いや、そういうわけじゃなくて…マスターなんて呼び方じゃなくて、普通に名前で呼んでくれて良いのになって思ったさ」
『へっ!?でも、私はマスターのAIであり、精霊ですし…』
「それがどうかしたのか?」
『え…?』
「何であれ、レイが俺の大切な仲間であることに変わりはないし…それに、マスターなんて呼び方されるのは慣れてないしな」
…うん?待てよ、いっそのこと命令する感じで言った方が良いのか?
だけど、このことを命令するのって何か違う気が…まぁ、やるだけやってみるか。
「うーん…そんじゃ、これは命令だ…レイはこれから俺のことを名前で呼べ!良いな?」
『マスター…!ふふっ!命令なら仕方ないですね…改めてよろしくお願いします!侑哉さん!』
レイは嬉しそうに笑みを浮かべながら、そう言った。
「侑哉!やっと見つけた!」
「葵!?どうしてここに?」
俺がレイと会話を交わしていると、葵が俺に駆け寄ってきた。
「花恋さんにサイバース世界へ行けるようにしてもらったの…良かった、侑哉が無事で…」
「あぁ、なんとかな…」
『無理しないでください、侑哉さん…無事とは言いがたいじゃないですか』
「そうなの!?なら、早く戻らないと…待ってて!今、花恋さんが作ってくれたプログラムを起動させるから」
そう言って、葵はデュエルディスクを操作し始める。
そして、しばらくしてから球体型のプログラムが出現した。
「これで、ログアウトできるわ…あ、そうだ!ねぇ、侑哉…花恋さんの様子が何だか変なの」
「花恋の様子が…?どういうことだ?」
「それはわからないけど…だから、戻ったら花恋さんに聞いてみない?侑哉になら話してくれるかもしれないし」
花恋の様子が変か…いつも変と言えば変だけど、そういうことじゃないよな。
それに、確かに俺も引っ掛かることがいくつかある…何か俺に知られたくないことがある、そんな気がしてならない。
「…わかった、それじゃあログアウトしようか!」
俺の言葉に葵とレイが肯定するように頷いてくれた。
…それにしても…今回、戦った相手は一体何者だったんだ?サイバース世界を襲撃して、一体何が狙いだったんだ……今は考えても答えは出なさそうだな。
イグニス達はうまく逃げきれたんだろうか?まぁ、今は逃げきれたと信じるしかないな。
俺はそんなことを考えながら、サイバース世界を後にした。
といった感じの第43話でした!
そういえば、もうすぐ新しいパックが発売されますね!ネフティスの新しいカードやプランキッズ、後、個人的には魔妖が気になりますね!
それでは、今回はここまで!ここまでの拝読ありがとうございます!