遊戯王VRAINS 幻影の咆哮~青き天使との日常~   作:kajoker

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第42話です!

今回からサイバース世界での戦いが始まります!果たして侑哉は勝利できるのか?

それでは、本編をどうぞ!


第42話 サイバース世界での激闘

「ダメね…全然通信が繋がらない…どうすれば…」

 

色々と試行錯誤したけど…どうしようもないわね。

 

「葵ちゃんには絶対知らせるわけにはいかないわね…」

 

葵ちゃんは今、学校に居る…まぁ、葵ちゃんは侑哉の側に居るって聞かなかったけど、無理やり行かせた。

 

こういう状況になったら間違いなく侑哉の所に行くって言うだろうし。

 

「本当に侑哉と葵ちゃんって似た者同士よね…とにかく何とかしないと!」

 

そうして、操作を再開しようとすると突如としてインターフォンの音が響いた。

 

…え?まさかね?

 

いやいや、いくらなんでもそれはないはずよね?

 

私は一抹の不安を抱えながら、玄関へと向かった。

 

 

「…どちらさま」

 

「花恋さん!侑哉の様子はどうですか?」

 

ドアを開けると、そこには慌てて走ってきたのか、息を切らしている葵ちゃんの姿があった。

 

うん、わかってたわ…こうなるって…

 

「えっと、葵ちゃんはどうしてここに?」

 

「何となく嫌な予感がして…侑哉は大丈夫なんですか?」

 

何となく嫌な予感がした?嘘でしょ?何、二人はどんなに離れてても心が通じてるの?

 

テレパシーでも使ってるの?何でこんなにタイミングが良いのよ!

 

「花恋さん?」

 

「…ごめんごめん!安心して、侑哉は大丈夫よ!」

 

…ふぅ、とりあえず一旦落ち着かないと…色々と問題がありすぎて、冷静さを欠いていたわ。

 

「本当ですか?でも、侑哉の姿が見当たりませんけど…」

 

「それは…」

 

「何かあったんですか?」

 

「はぁ…やっぱりこうなるのね…着いてきて、非常事態発生よ」

 

「非常事態…?わかりました!」

 

そうして、私達は玄関から元の部屋へと歩を進めた。

 

//////////////

 

 

――――――サイバース世界

 

「これは予想外だな…サイバース世界に人間が居るとは…」

 

「どうなさいますか?必要ならボーマンを今すぐにでも…」

 

「いや、その必要はない…そもそも彼の相手は君達では手に余るだろう…彼は普通の人間では到達できない領域に達している」

 

「では…」

 

「私自ら、直接彼と戦うつもりだ…挨拶も兼ねてね」

 

謎の人物は怪しい笑みを浮かべながら目の前の少年にそう告げる。

 

「さぁ、君の力を見せてもらおうか…Phantom」

 

謎の人物はそんなことを口にしながら、侑哉のことを見下ろした。

 

//////////////

 

「しつこい奴だ…オッドアイズ、頼んだぞ!夢幻のスパイラルフレイム!」

 

オッドアイズの攻撃が巨大なモンスターへと命中する。

 

だが、攻撃を受けてしばらくするとすぐに体が再生を始めた。

 

…こいつ、とんでもない再生力だな…どれだけ攻撃しても、すぐに回復する。

 

「マスター…このモンスター、どれだけ攻撃しても復活します…どうしましょうか?」

 

「あぁ、わかっている…」

 

さっきからオッドアイズとダークリベリオン、クリアウィングとスターヴヴェノム…さらにはスターダストとレイに協力してもらっているのにまるで倒しきれる気がしない。

 

他のモンスターを出したいところだが、この力で呼び出せるモンスターは最大で6体…魔法、罠カードは1度使用すると、しばらく使用することができない。

 

…どうやら、これが覇王の力の特徴みたいだ。

 

「さて、どうしたものか…」

 

モンスターを入れ替えたとしても、こいつは倒しきれないだろうし…強力な魔法、罠カードを使えばサイバース世界を巻き込んでしまうかもしれない。

 

「…ならば、一撃であのモンスターを倒せる強力なカードで尚且つサイバース世界を巻き込まないカードを使用するしかないか…だがそんなカードは…」

 

探せばあるかもしれないが、今の俺のデッキにそんなカードはない…仕方ない、別の方法を…

 

「マスター!デュエルディスクが光ってますよ!」

 

「何?」

 

レイにそう促され、デュエルディスクを確認する。

 

すると、確かにデュエルディスクから光が放たれていた。

 

「これは…一体」

 

困惑しつつも、光を放つカードを手に持つ…するとカードが銃のような形状に変化する。

 

「なるほど、これを撃てと言うわけか…良いだろう!」

 

そう口にし、銃を巨大なモンスターへと向ける。

 

狙うは一撃必殺、敵の攻撃タイミングに合わせて弾丸を当てる。

 

「力を借りるぞ!お前達!」

 

俺の言葉に呼応するように、オッドアイズ達が咆哮を上げる。

 

「マスター!すごいです!皆さんの力がマスターの銃に集約されていきます!」

 

「あぁ、そのようだな…さぁ、いくぞ!」

 

モンスターの口にエネルギーが蓄積されていき、それに対抗するように銃にオッドアイズ達の力が集約されていく。

 

「今だ!」

 

その言葉と共に放たれた弾丸はモンスターの攻撃をもろともせず、そのままそのモンスターを消し去った。

 

「ふぅ、ようやく倒せたか…なかなかに厄介だった…ありがとう、みんな…ゆっくり休んでくれ」

 

俺はそう言って、カード達をデッキへと戻した。

 

「やりましたね!マスター!」

 

「あぁ、レイもよくやってくれた…休んでいてくれ」

 

「大丈夫です!まだまだやれます!」

 

「そうか…無理はするなよ」

 

「はい、わかってます!ところでマスター…どうして覇王モードのままなんですか?」

 

「新手が来ないとも限らないからな…警戒しておくに越したことはない」

 

確かにあのモンスターは撃破したが、それを操っている誰かがまだ居るかもしれない。

 

それを考えれば、覇王モードを解除するのは得策じゃない。

 

――――と、そんな風に思考していると

 

「リンクマジック、裁きの矢《ジャッジメント・アローズ》を発動」

 

「なっ!?」

 

何者かが放った言葉と共に、巨大な三つの矢が現れる。

 

「マスター!下がってください!あれは危険です!」

 

「わかってる!」

 

俺はすぐさまデュエルディスクから1枚のカードを取り出す。

 

できれば使いたくはないが、今は仕方ないか…

 

「リンクマジック、《覇王の加護》!」

 

覇王の加護が裁きの矢を防ぎ、攻撃が逸れる。

 

発動したのは、初めて覇王モードになった時にいつの間にかデッキに紛れていた、リンクマジック。

 

どうやら覇王モードになると自然とデッキに紛れ込むみたいだな…どういう原理かは知らないが。

 

「驚いた、まさかリンクマジックまで使えるとは…」

 

「…貴様が黒幕というわけか」

 

上空から降りてきた、ローブのようなものを身に纏っている人物にそう口にする。

 

声からして、恐らく男性だろう…まぁ、声を変えている可能性も0ではないが。

 

「そんなところだ…まさか、サイバース世界に人間が居るとは思いもよらなかったが」

 

「それは、こちらのセリフだ…何故、サイバース世界を攻撃した?」

 

「君が知る必要はない、何故なら君はここで私に敗北するのだからな」

 

そう言って、ローブの男はデュエルディスクを構える。

 

「デュエルか、良いだろう!そのデュエル…受けて立つ!」

 

「行きましょう!マスター!」

 

「あぁ!」

 

そう叫ぶと同時に俺もデュエルディスクを構える。

 

…さて、一体どれほどの実力なのか見せてもらうとしよう。

 

 

「「デュエル!!」」

 

 

 

ローブの男 LP4000

 

VS

 

Phantom LP4000

 

 

「私の先攻、私は手札から《リンクスレイヤー》を特殊召喚!このカードは自身のフィールドにモンスターが存在しない時、手札から特殊召喚できる」

 

リンクスレイヤー レベル5 攻撃表示(ATK2000)

 

「サイバース族のカードか…」

 

あいつもサイバースを使うのか…ということはリンクモンスターが中心のデッキか?

 

いや、そうとも限らないな…サイバースだからといってリンクモンスターが中心かどうかはわからない。

 

「さらに、《バックアップ・セクレタリー》を特殊召喚!そして、同じく《サイバース・コンバーター》を特殊召喚!」

 

バックアップ・セクレタリー レベル3 攻撃表示(ATK1200)

 

サイバース・コンバーター レベル2 攻撃表示(ATK1000)

 

ローブの男手札5→2

 

「さらに、永続魔法、《冥界の宝札》を発動!これで準備は整った…3体のモンスターを生け贄に捧げる!」

 

「生け贄だと…!?その言い方は!」

 

呼ばれるのはどっちだ?三幻神か?それとも…

 

「現れろ、《邪神アバター》!」

 

3体のサイバースを生け贄に現れたのは、黒い球体状のモンスター。

 

知っている、邪神アバター…三邪神の内の1体、しかも1番俺にとって厄介なモンスターだ。

 

邪神アバター レベル10 攻撃表示(ATK?)

 

「冥界の宝札の効果、2体以上のモンスターをリリースしてアドバンス召喚に成功した場合、デッキからカードを2枚ドローする」

 

ローブの男手札0→2

 

「さらに、フィールド魔法、《神縛りの塚》を発動!このカードの効果によりレベル10以上のモンスターは効果の対象にならず効果では破壊されない!さらに、永続魔法、《フィールドバリア》を発動!」

 

「厄介な布陣だな…これはなかなか苦労しそうだ」

 

「私はこれでターンエンド」

 

 

 

ローブの男 LP4000

手札0

 

場 EXモンスターゾーンなし

 

メインモンスターゾーン 邪神アバター レベル10 攻撃表示(ATK?)

 

伏せ2(冥界の宝札、フィールドバリア)

 

Pゾーンなし

 

フィールド魔法 神縛りの塚

 

 

 

Phantom LP4000

手札5

 

場なし

 

伏せなし

 

Pゾーンなし

 

 

「俺のターン、ドロー!さて、どうしたものか…」

 

邪神アバターの攻撃力と守備力はフィールド上で1番攻撃力が高いモンスターの攻撃力+100の数値になる…つまり、戦闘では無敵と言っても過言ではない。

 

しかも、神縛りの塚の効果により効果の対象にならず、効果では破壊されない、それにフィールドバリアのせいで神縛りの塚を破壊することもできない。

 

極めつけには、邪神アバターが召喚に成功した場合、俺のターンを数えて2ターンの間、魔法、罠カードの発動できないときた…

 

「…まぁ、とにかくやるしかないな…こういう状況を覆してこそのエンタメデュエリストというものだ!俺は手札から《閃刀姫-レイ》を召喚!」

 

『いきます!』

 

閃刀姫-レイ レベル4 攻撃表示(ATK1500)

 

「力を借りるぞ!レイ!」

 

『はい!お任せください!』

 

「現れろ、絆を紡ぐサーキット!召喚条件は風属性以外の閃刀姫モンスター1体!俺は、閃刀姫-レイをリンクマーカーにセット!」

 

『換装!モード選択、疾風モード!』

 

「サーキットコンバイン!リンク召喚!現れろ、リンク1!《閃刀姫-ハヤテ》!」

 

『さぁ、いきますよ!』

 

閃刀姫-ハヤテ リンク1(ATK1500)リンクマーカー左下

 

「まだまだいくぞ!手札のレベル2以下のモンスターを墓地に送り、《ビットルーパー》を特殊召喚!さらに、墓地に送られた《ドットスケーパー》の効果!このカードが墓地に送られた時、このカードを特殊召喚できる!蘇れ!ドットスケーパー!」

 

ビットルーパー レベル4 守備表示(DEF2000)

 

ドットスケーパー レベル1 守備表示(DEF2100)

 

「そして、再び現れろ!絆を紡ぐサーキット!召喚条件はサイバース族モンスター2体!俺は、《ビットルーパー》と《ドットスケーパー》をリンクマーカーにセット!サーキットコンバイン!リンク召喚!現れろ、リンク2!《フレイム・アドミニスター》!」

 

フレイム・アドミニスター リンク2(ATK1200)リンクマーカー左/右下

 

「フレイム・アドミニスターの効果!このカードはフィールド上に存在する限り、自分フィールドのリンクモンスターの攻撃力は800ポイントアップする!」

 

閃刀姫-ハヤテ(ATK1500→2300)

 

フレイム・アドミニスター(ATK1200→2000)

 

やっぱり、フレイム・アドミニスターは良いカードだな…それに水のイグニスからもらった他のサイバースのカードも良いカードが多い。

 

…水のイグニスに感謝しないとな。

 

「だが、いくら攻撃力を上げたところで邪神アバターを上回ることはできない…一体何が狙いだ?」

 

「こうするのさ!バトル!閃刀姫-ハヤテで貴様にダイレクトアタック!」

 

「…なるほど、それが狙いというわけか」

 

「その通りだ」

 

今の段階では、邪神アバターを倒す手段を俺は持っていない…ならば、プレイヤーに直接ダメージを与えるだけだ。

 

『ターゲット、ロックオン!喰らいなさい!』

 

レイがそう宣言すると同時に、ローブの男に攻撃が放たれる。

 

そして、その攻撃はローブの男へと直撃した。

 

「ぐぅぅ!やはり、君は大したデュエリストだな…」

 

ローブの男 LP4000→1700

 

 

「褒め言葉として受け取っておこう…戦闘を行ったハヤテの効果!デッキから閃刀カードを1枚墓地へ送る!俺は、《閃刀起動-エンゲージ》を墓地へ送る」

 

俺はそう言って、デッキから閃刀起動-エンゲージを墓地へ送る。

 

「俺はこれでターンエンドだ」

 

 

ローブの男 LP1700

手札0

 

場 EXモンスターゾーンなし

 

メインモンスターゾーン 邪神アバター レベル10 攻撃表示(ATK?→2400)

 

伏せ2(冥界の宝札、フィールドバリア)

 

Pゾーンなし

 

フィールド魔法 神縛りの塚

 

 

 

 

Phantom LP4000

手札3

 

場 EXモンスターゾーン 閃刀姫-ハヤテ リンク1(ATK1500→2300)リンクマーカー左下

 

メインモンスターゾーン フレイム・アドミニスター リンク2(ATK1200→2000)

 

伏せなし

 

Pゾーンなし

 

フィールド魔法なし

 

 




といった感じの第42話でした!

姿を現した邪神アバター…果たして、侑哉はどのようにそのカードを攻略するのか?

それでは、今回はここまで!ここまでの拝読ありがとうございます!

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