遊戯王VRAINS 幻影の咆哮~青き天使との日常~ 作:kajoker
今回はデュエルはありません。
そういえば、もうすぐ新しいパックが出ますね!新しい閃刀姫やサイバース、ミラーフォースランチャーとか欲しいカードが結構あるので、今から楽しみです!
それでは、本編をどうぞ!
「それじゃあ話してくれ…レイ」
『はい、実は…』
「実は…?」
『私は花恋さんによって作られたAIなんです』
「AI…!?カードの精霊みたいなものって言ってなかったか?」
レイの一言に思わずそう聞き返す。
『元々はAIだったと言うべきですかね…以前、花恋さんがデュエルディスクを装着したまま行動してほしいと頼んだ時がありましたよね』
「あぁ、葵とのデートの時に……じゃあ、あの時花恋が言ってた、試したいことって…」
『はい、マスター専用のサポートAIを作ることだったんです…デュエルディスクにAIの基となるものを埋め込み、今までのデュエルのデータを組み込こんだ後で、マスターの行動や、感情をデュエルディスクを通して学ばせようとしたんです』
「なるほどな…」
だから、あの時デュエルディスクをしたままで過ごして欲しいって言ってたのか。
花恋がうまくいったら、俺もきっと驚くって言ってたのはサポートAIのことだったんだな。
しかも、俺が葵とデートする時にはデュエルデータはもう組み込まれていたのか…いつの間にそんなことをやってたんだ……まぁ、今はそれよりも聞くことがあるな。
「…でも、レイはどうやってカードになったんだ?」
『はい…信じてもらえないかもしれませんが…私は、マスターのことについて知るたびにマスターに…侑哉さんに会ってみたくなったんです、それもAIとしてではなく、別の形で…』
レイは少し、照れたような様子でそう言った。
『そこで、考えて考えて、カードになれば良いんだと気づいたんです!』
「え、どうしてそんな考えに?」
『マスターは、デュエリストです…それなら、マスターの傍にいる為にはカードになるのが一番良い方法だと思ったんです…それにカードになって、召喚して貰えれば、マスターに触れることもできますからね!』
「な、なるほど……そういえば、いつの間にデッキを替えたんだ?」
正直、わからない部分もあるけど、いつの間にデッキが入れ替わったのかも気になるしな。
『それは、マスターがここに来る時に、デュエルディスクにデッキをセットした瞬間に入れ替えました!』
「ここに来る前に入れ替えたのか…でも、何でそんなことを?」
『マスターを驚かせたくて……それに、マスターなら初めて使うカードでも必ず使いこなせると信じていましたから!』
レイはそう言って、笑顔を見せてくれた。
「そっか…一応ありがとうで良いのかな?」
『えへへ、お礼を言われるようなことじゃありませんよ!』
「まぁ、確かにそうかもしれないけど…俺を信じてくれたのは嬉しいからさ!それに、確かにびっくりしたけど、閃刀姫デッキって結構面白いデッキだしね…それを作ってくれたレイには感謝しかないよ」
いきなり、デッキが替わっていたのはさすがに驚いたけど、新しい戦略とか色々と試せそうだし、正直、ワクワクしてる。
『マスター…!ありがとうございます!やっぱりマスターは私の思った通りの人でした!』
そう言って、レイは勢いよく俺に抱きついてきた。
「ちょっ!レイ!抱きつくなって…バランスが崩れるってば!」
「おい、Phantom…大丈夫か?」
「playmaker!ちょうど良いところに!何とかしてくれ!」
レイに抱きつかれている状態になっていると、playmakerがやってきた。
「Phantom…その少女は誰だ?そして、その状況は…」
「えっと、実はさ…」
そうして、俺はplaymakerにここまでの経緯を簡単に説明した。
「なるほど…とりあえず、このことはブルーエンジェルに報告するか…」
「playmaker!?ちょっと待てって!俺の話し聞いてた?後、それだけは絶対に止めてくれ!とんでもない誤解を受けるから!」
「フッ、冗談だ…それにしても、まさか、Aiと同じように意志を持ったAIが居るとはな…しかも、Phantomに会うためにデッキを生み出すとは…」
『俺はお前が冗談を言えることに驚いたぜ…そういえば、お前、レイっていうんだろ?宜しくな!』
『はい!よろしくお願いします!』
そんなふうに、レイとAiは会話を交わす…どうやら、仲良くなれたみたいだな。
今、レイは俺のデュエルディスクに入って会話をしている…レイが言うにはさっきみたいに実体化したり、こんなふうにデュエルディスクに入ることもできるらしい。
本人も詳しい理由はわからないと言ってたけど、カードになったことが原因じゃないかと言っていた。
「…そろそろ、目的地に着くぞ」
「そうなのか…よし、それじゃあ気合い入れて行きますか!」
そうして、俺達はデータバンクの中にへと入っていった。
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「へぇ、ここがデータバンクの中なのか…」
「あぁ、そのようだな…ん?あれは!?財前!」
「え…?」
playmakerの言葉に思わず視線を向ける。
そこに居たのは、playmakerの言葉の通り、財前晃が居た。
晃さんが何でここに?これは完全に予想外だな…
「待っていたぞ、playmaker…そして、Phantom…君のことも」
「俺達を待ち伏せしていたのか?」
playmakerがそう尋ねると、晃さんの後ろから忍者みたいに布で口を覆っているスタイルの良い女性が姿を現した。
『うぅ…羨ましくなんかないですよ…』
その女性が出てくると、自分の胸をさすりながらレイがそんなことを口にする。
「あはは…レイもそういうことを気にするんだね…」
なんというか、本当に普通の女の子みたいだな。
まぁ、こんなふうに感情が豊かな方が良いよな。
「あら?その女の子、あなたのサポートAIなの?可愛いわね!お人形さんみたい!」
「あはは…ありがとうございます、ところであなたは?」
「そういえば、あなたとは初対面だったけ…私はゴーストガールよ!よろしくね!」
そう言って、ゴーストガールは笑みを向けてくれた。
実際、口は見えなかったけど目が笑っているように感じたから多分、そうだろう。
「あなたがゴーストガールか…playmakerとデュエルしたっていう」
「えぇ、そうよ…ま、結局は負けちゃったけどね」
「よく言うよ…勝っても負けてもどっちでも良かったくせに…勝てば、Aiが手に入るし、負けてもこんなふうにデータバンクに侵入するための準備もできる…だろ?」
「へぇ、すごいわね、あなた…そこまで見抜いていたなんて…」
ゴーストガールは感心したようにそう言った。
どうやら、俺の推測は当たってたみたいだ……それにしても、どこかでゴーストガールに会ったような気がするんだよな。
あの奇抜な髪型とか、スタイルとか……あ、そうだ!あの時、ホットドッグ屋で会った人に似てるんだ!
いや、でも…たまたま似た見た目のアバターを使っている全く面識がない人の可能性もあるな…まぁ、あの人ともちょっと会っただけで、面識があると言えるかは微妙だけど…
「どうしたの?もしかして、私に見惚れちゃった?」
「いや、そういうわけじゃないけど…」
「うっ、そんなふうにあっさり言われるとちょっと傷つくわね…」
「え!?何かごめん…そんなつもりで言ったわけじゃなくて…」
「コホン…二人共、そろそろ良いだろうか?」
俺があたふたしていると、晃さんがそれを制すようにそう言った。
「あぁ、すみません…」
「いや、構わないさ…君が心の優しい人間だということは知っているからね」
そう言って、晃さんはplaymakerの方に視線を移す。
「…そろそろ本題に移らせてもらうぞ…財前、お前はここに何が記録されているのか知っているのか?」
「あぁ、私も先ほど初めて知ったばかりだ…10年前、SOLテクノロジー社で何が起きたのか…そして、君の身に何が起こったのかも」
SOLテクノロジーが10年前の事件に関わっていたのか…そういえば、リボルバーがSOLテクノロジーが何かをしたみたいなことを言っていたけど、嘘じゃないのかもしれないな。
「君は10年前の事件の被害者の一人だな」
被害者の一人…?10年前の被害者は複数人居るってことか…だとすると、草薙さんの弟もその10年前の事件の被害者なのかもしれないな。
あ、だからか…だから、遊作と草薙さんは協力関係になったのか…なるほど、何で二人が協力関係になったのか、少しだけわかったな。
『こいつら、自分達だけが情報を見て、俺達には教えないとはせこい奴らだぜ!』
「お前がイグニスか?」
『おうよ!俺様がお前達が探しているイグニス様だぜ!今は、記憶がなくなって犬みたいな名前で呼ばれてるがそのデータの中には俺の本当の名前もあるんだろ?』
「それはなかったかな」
『ズコッ!』
「えーっと、ちなみに聞きたいんだけど…リンクアクセスって言葉については何かなかった?」
俺はゴーストガールとAiのショートコントみたいな会話に苦笑しながら、そう尋ねる。
「リンクアクセス…?そんなのはなかったわね…それにしても、何なの?そのリンクアクセスって…」
「いや、知らないなら良いんだ…」
「ふーん…」
それにしても、SOLテクノロジーのデータバンクにもないとすると、ハノイの騎士がデータを完全に消してるってことなのかな。
俺の持っているリンクアクセスって結構、やばい能力なのか?
リボルバーも俺の身の安全のためにも、詳しくは話せないって言ってたし…SOLテクノロジーにバレたらまずい能力なのかもしれないな。
「playmaker、そのAIを引き渡してここは手を引いてくれ…この事件は世間に明るみにして、必ず真相を追求してみせる」
「一応フォローしておくと、晃はリボルバーの一件で失脚したのよ」
「え…?」
『お~、妹のために出世を捨てるとは、お兄ちゃん素敵!』
Aiがそんな言葉を口にしていたが、そんなことはどうでも良かった。
晃さんが失脚…?そんなこと、一言も言ってなかったぞ。
「晃さん…そのこと、葵には言ったのか?」
「いいや、言ってない…葵に心配は掛けたくないからね」
「そっか…でも、ちゃんと葵には伝えておいた方が良いよ、晃さんが言いづらいなら俺が代わりに伝えるし」
「ありがとう、Phantom…葵にもちゃんと伝えるつもりだ……それで、playmaker、答えを聞かせてほしい」
「…断る、どんな理由あろうとこの事件を他人に任せるつもりはない…1つ、この事件は俺自身の手で真実を突き止める。2つ、お前には関わりのないことだ。3つ、それでも関わるというなら俺を従える方法はわかっているはずだ」
「デュエルか?」
「そうだ、お前が勝てばお前の要求は全て呑もう、俺はお前を信じて、このAIを置いて姿を消す」
『えぇーっ!』
「だが、俺が勝てばお前達はここから立ち去れ」
「君を止める方法はデュエルしかなさそうだな…良いだろう!ここで君にデュエルを挑む!」
『ま~た、このパターンか』
「「デュエル!!」」
そうして、playmakerと晃さんのデュエルが始まった。
それにしても、晃さんがデュエルをするとは思わなかったな…一体どんなデッキを使うんだ?
「ねぇねぇ、Phantom…せっかく、こうして会えたわけだし、私達もデュエルをしない?」
「え…?いや、デュエルなら大歓迎だけど…急にどうしたんだ?」
ゴーストガールの提案に思わずそう聞き返す。
デュエルなら大歓迎なんだけど、ゴーストガールがそんなことを言うと、どうしても裏があるように思えてしまう。
「安心して、特に深い意味はないわ…ただ、playmakerと晃のデュエルを見ているだけじゃつまらないしね、それに一度あなたとデュエルをしてみたかったのよ!」
「奇遇だね、俺もplaymakerから話しを聞いて、あんたとデュエルをしたいと思ってたんだ!」
「ふふっ、そうこなくっちゃ!魅せてもらうわ、LINK VRAINS最強のデュエリストと呼ばれているあなたの実力を…」
「えっ?俺、そんな風に呼ばれてるのか?」
「あら?知らないの?あなたは、現LINK VRAINSで最強のデュエリストだって、多くの人がそう言ってるわよ」
「そうなのか…全然知らなかったよ」
俺が最強のデュエリスト、か…俺より強い人なんてたくさん居ると思うんだけどな…まぁ、実際、結構嬉しいし、ここは素直に喜ぼうか。
「それじゃあ、俺達も始めようか!」
「「デュエル!!」」
といった感じの第34話でした!
次回からはゴーストガールとのデュエルが始まります!ただ、その前にちょっとした話しを挟もうと思っているので、それも楽しんで頂ければ幸いです。
それでは、今回はここまで!ここまでの拝読ありがとうございます!