遊戯王VRAINS 幻影の咆哮~青き天使との日常~   作:kajoker

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第30話です!

ついに、今回のデュエルに決着が着きます!
初めてバトルロワイヤルルールのデュエルを書いたので色々とミスがないか心配ですが、とにかく書き終われて良かったです。

それでは本編をどうぞ!


第30話 鎮魂の竜

「今のところは侑哉達が優勢ですね」

 

「そうね、久しぶりに侑哉の本気を垣間見た気がするわ」

 

「え…?」

 

花恋さんが侑哉を監視、もとい守るために仕掛けておいたカメラの映像を見ながらそんな会話を交わす。

 

「もちろん、普段から侑哉は全力で戦っているわ…ただ、最大限の本気を出してはいないの」

 

「それって、どういうことですか?」

 

「まぁ、簡単に言えば侑哉が本気を出したら状況によってはあれ以上に色々と展開できるってことよ」

 

「あれ以上に…!?」

 

花恋さんの言葉に思わずそんな言葉が漏れる。

 

侑哉は普段からあんなに強いのに…それでもまだまだ全力を出しきっていないなんて…

 

「…侑哉はやっぱり強いですね」

 

―――私なんかじゃ、到底追いつけないぐらいに。

 

「…葵ちゃん、自分の事を卑下しないで…侑哉は確かに強いわ、でもそれは葵ちゃんが居るからこそなんだから!」

 

「私が…?」

 

「そうそう、侑哉はいつも言ってるわよ、『俺は見ている人達も楽しませたいけど、何より葵を1番楽しませたいんだ!』ってね…だから、葵ちゃんに楽しんでもらえるように色々とデッキを弄ってるみたいよ」

 

「私の為に…?」

 

花恋さんの話しを聞いて、気恥ずかしさを感じると同時に嬉しくなってくる。

 

侑哉がそんな事を言ってくれていたのが嬉しくて…私の為にデュエルをしていてくれていたことが嬉しくて。

 

「…さぁ、侑哉を応援するわよ!葵ちゃん!…まぁ、侑哉は私達が見ていることは知らないでしょうけどね」

 

「はい!」

 

 

//////////////

 

「私のターン、ドロー!」

 

 

 

 

リボルバー LP2900

手札0→1

 

場 EXモンスターゾーン ヴァレルロードドラゴンLINK4(ATK3000)リンクマーカー右/左/右下/左下

 

メインモンスターゾーン オートヴァレットドラゴン攻撃表示(ATK1600)

 

伏せなし

 

Pゾーンなし

 

 

 

 

 

playmaker LP200

手札1

 

場 EXモンスターゾーン ファイアウォールドラゴンLINK4(ATK2500→2800)リンクマーカー上/下/左/右

 

メインモンスターゾーンなし

 

伏せ2

 

Pゾーンなし

 

フィールド魔法 サイバネットユニバース

 

 

 

 

 

Phantom LP3500

手札3(内2枚、『EMレインゴート』、『EMオッドアイズディゾルヴァー』)

 

場 EXモンスターゾーンなし

 

メインモンスターゾーン プロキシードラゴンLINK2(ATK1400)リンクマーカー左/右

 

スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン攻撃表示(ATK2800)

 

クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン攻撃表示(ATK3000)

 

伏せ2(内1枚、補給部隊)

 

Pゾーン ライトPゾーンなし

 

レフトPゾーン EMオッドアイズシンクロン(スケール6)

 

 

「少々厳しい状況だな…まぁ、まずは手札補充から始めるか…私は手札から魔法カード、『スクイブドロー』を発動!このカードは自分フィールドのヴァレットモンスター1体を破壊し、デッキからカードを2枚ドローできるカード、私は『オートヴァレットドラゴン』を破壊し、2枚ドロー!」

 

リボルバー手札1→0→2

 

「さらに、魔法カード、『マーカーズチャージ』を発動!EXモンスターゾーンに同じリンクのモンスターが2体存在する時、デッキからカードを2枚ドローし、お互いにドローカードを確認する!」

 

リボルバー手札2→1→3

 

「ほぅ…これはおもしろいカードを引いた…私がドローしたカードは『リボルブートセクター』と『皆既日蝕の書』だ、そして、私は今ドローした『皆既日蝕の書』を発動する!このカードの効果によりフィールド上の表側表示のモンスターを全て裏側表示にする!守備力を持たないリンクモンスターには無意味だが、それ以外のモンスターを裏側表示にする!」

 

「それ以外って…俺の場のクリスタルウィングとスターヴ・ヴェノムぐらいなものじゃないか!」

 

「その通りだ、もう1体の効果はわからないが、恐らくクリスタルウィングはクリアウィングの進化した姿…ならば、その効果はクリアウィングの上位互換のはずだ、厄介なカードは早めに対処しなくてはな」

 

「くっ…!」

 

皆既日蝕の効果により、俺の場のクリスタルウィングとスターヴ・ヴェノムが裏側になってしまった。

 

リボルバーの奴、皆既日蝕を持っていたなんてな…これでクリスタルウィングの効果は使えないし、スターヴ・ヴェノムが破壊された時に発動する効果も使えない。

 

さすがリボルバーってところだな…まぁ、だからこそ面白いんだけどね。

 

「そして、私はフィールド魔法、『リボルブートセクター』を発動!このカードの効果、相手フィールド上のモンスターの数が自分のモンスターの数より多い時、その差分だけ墓地のヴァレットモンスターを特殊召喚できる!対象となる相手はPhantom、お前だ」

 

「まぁ、そうなるよな…」

 

「お前とのモンスターの差は2体、よって私は墓地の『マグナヴァレットドラゴン』と『オートヴァレットドラゴン』を特殊召喚する!さらに、リボルブートセクターの効果により私のフィールドのヴァレットモンスターの攻守は300ポイントアップする!」

 

マグナヴァレットドラゴン攻撃表示(ATK1800→2100)

 

オートヴァレットドラゴン攻撃表示(ATK1600→1900)

 

ヴァレットモンスターを特殊召喚する効果に攻守をアップさせる効果か…!

 

厄介な効果だな…って、この状況やばくないか?

 

「私はヴァレルロードの効果発動!私はマグナヴァレットの攻守を500ポイント下げる」

 

『え!?自分のモンスターの攻守を下げちゃうの?』

 

「いや、これで良いんだ…あのヴァレットモンスターの効果を発動するにはな」

 

『どういうことだ?』

 

「見ていればわかる」

 

 

「この瞬間、マグナヴァレットは破壊される…そして、その後、フィールド上モンスター1体を選んで墓地へ送る!私は裏側になっているクリスタルウィングを墓地へ送る!」

 

「くっ…まぁ、そうくるよな」

 

やっぱり、マグナヴァレットの効果は強いな…まぁ、他のヴァレットモンスターにも言えることだけど。

 

「これで厄介なカードは消し去った…バトルだ!『オートヴァレットドラゴン』で『プロキシードラゴン』に攻撃!」

 

「そうはさせないよ!手札のオッドアイズディゾルヴァーの効果!自分のモンスターが戦闘を行う時、手札のこのカードを特殊召喚できる!来い、オッドアイズディゾルヴァー!」

 

EMオッドアイズディゾルヴァー守備表示(DEF2600)

 

「そして、自分のモンスターはこの戦闘では破壊されない!」

 

「だが、ダメージは受けてもらう!」

 

「ぐっ…!」

 

Phantom LP3500→3000

 

「さらに、『ヴァレルロードドラゴン』で『ファイアウォールドラゴン』を攻撃!この瞬間、ヴァレルロードの効果発動!このカードが相手モンスターと戦闘を行う時、そのモンスターのコントロールを得る!ストレンジトリガー!」

 

ヴァレルロードの効果によりファイアウォールドラゴンがリボルバーの場に出現した。

 

『俺達のすげぇドラゴンが相手のすげぇドラゴンに取られた!』

 

「コントロール奪取効果か…!Phantomの言った通り、ヴァレルロードは強力なモンスターだな…」

 

「言った通りだったろ?」

 

「あぁ…それよりPhantom」

 

「どうした?」

 

「俺にはリボルバーの攻撃を防ぐ手段があるが、それはお前にも影響を与えるカードだ…それを使用しても良いか?」

 

playmakerは俺の方を見ながらそう尋ねてくる。

 

俺にも影響を与えるカードか…どんなカードなんだ?

 

「…構わないよ、どんなカードを使われても俺は立て直せると思うし」

 

「…わかった、そういうことなら遠慮なく使わせてもらう」

 

 

「作戦会議は終わったか?ではいくぞ!私は、『ファイアウォールドラゴン』でplaymakerにダイレクトアタック!」

 

「そうはさせない!罠発動!『サイバネットリフレッシュ』!相手のサイバースモンスターが攻撃宣言をした時に発動できる!お互いのメインモンスターゾーンのモンスターを全て破壊する!」

 

「なるほど、メインモンスターゾーンのモンスターを破壊する効果か…!だが、それではPhantomの場のモンスターも破壊されるぞ?」

 

「俺は、あいつを信じる…あいつが立て直せると言っていたんだ、なら、きっと大丈夫だ」

 

なるほど、playmakerが言っていたことはこういうことか…確かに、俺のカードに影響を与えるカードだな…

 

でも、これならなんとかなる!

 

「俺は『プロキシードラゴン』の効果発動!自分フィールド上のカードが戦闘、効果で破壊される時、代わりにこのカードのリンク先のモンスターを破壊できる!俺はオッドアイズディゾルヴァーを破壊する!」

 

これでサイバネットリフレッシュの効果で俺のモンスターが全滅するのは避けられたな。

 

「さらに、補給部隊の効果で1枚ドロー!」

 

Phantom2→3

 

「くっ、私はカードを1枚伏せて、ターンを終了する!そして、この瞬間、破壊されたマグナヴァレットとオートヴァレットの効果発動!デッキから自身以外のヴァレットモンスターを特殊召喚する!マグナヴァレットの効果で『アネスヴァレットドラゴン』をオートヴァレットの効果で『マグナヴァレットドラゴン』を特殊召喚する!」

 

アネスヴァレットドラゴン守備表示(DEF2200→2500)

 

マグナヴァレットドラゴン守備表示(DEF1200→1500)

 

「そして、裏側にされたスターヴ・ヴェノムは表側表示となり、表側表示になったモンスターの数だけ相手はカードをドローできる…よって、Phantom、お前はデッキからカードを1枚ドローできる」

 

「それじゃあドローさせてもらうよ」

 

スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン守備表示(DEF2000)

 

Phantom手札3→4

 

「サイバネットリフレッシュの効果!エンドフェイズにこのカードの効果で破壊されたサイバースモンスターを元の持ち主の場に特殊召喚する!蘇れ!『ファイアウォールドラゴン』!!さらに、サイバネットユニバースの効果により攻撃力が300ポイントアップする!」

 

ファイアウォールドラゴンLINK4(ATK2500→2800)リンクマーカー上/下/左/右

 

 

リボルバー LP2900

手札0

 

場 EXモンスターゾーン ヴァレルロードドラゴンLINK4(ATK3000)リンクマーカー右/左/右下/左下

 

メインモンスターゾーン アネスヴァレットドラゴン守備表示(DEF2200→2500)

 

マグナヴァレットドラゴン守備表示(DEF1200→1500)

 

伏せ1

 

Pゾーンなし

 

 

 

playmaker LP200

手札1

 

場 EXモンスターゾーンなし

 

メインモンスターゾーン ファイアウォールドラゴンLINK4(ATK2500→2800)リンクマーカー上/下/左/右

 

伏せ1

 

Pゾーンなし

 

フィールド魔法 サイバネットユニバース

 

 

 

Phantom LP3000

手札4(内1枚、『EMレインゴート』)

 

場 EXモンスターゾーンなし

 

メインモンスターゾーン プロキシードラゴンLINK2(ATK1400)リンクマーカー左/右

 

スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン守備表示(DEF2000)

 

伏せ2(内1枚、『補給部隊』)

 

Pゾーン ライトPゾーンなし

 

レフトPゾーン EMオッドアイズシンクロン(スケール6)

 

 

「俺のターン、ドロー!」

 

playmaker手札1→2

 

「それじゃあ、今のタイミングで罠発動!『ヒロイックギフト』!このカードは相手のライフを8000にすることでデッキからカードを2枚ドローできる!俺はplaymakerのライフを8000にして、2枚ドロー!」

 

playmaker LP200→8000

 

Phantom手札4→6

 

 

「Phantom、お前…」

 

「一応、念のためにね…攻撃してダメージが跳ね返ってきたりしたら、playmakerのライフが一瞬で0になっちゃうかもしれないし」

 

実際、リボルバーが何のカードを伏せているかわからない以上、ある程度準備をしておいて損はない。

 

「…礼を言う、これでライフを気にせず戦える!俺は『サイバネットユニバース』の効果を発動!自分、または相手の墓地のモンスター1体をデッキに戻す!俺は俺の墓地の『エンコードトーカー』をEXデッキに戻す!」

 

エンコードトーカーをEXデッキに戻したか…ということは呼び出す方法があるってことか。

 

「そして、罠発動!『リコーデットアライブ』!自分のフィールド、墓地に存在するリンク3のモンスターを除外し、EXデッキからコードトーカーモンスターを特殊召喚する!俺は墓地の『デコードトーカー』を除外し、『エンコードトーカー』を特殊召喚する!現れろ、『エンコードトーカー』!!」

 

エンコードトーカーLINK3(ATK2300→2600)リンクマーカー上/下/右下

 

へぇ、コードトーカーモンスター限定とはいえ、リンク3のモンスターを除外してEXデッキから呼び出せるのか…俺のデッキに組み込みたいぜ!

 

そういえば、他のコードトーカーモンスターってどれだけ居るんだろうな……まぁ、今はデュエルに集中するか。

 

「さらに、手札から魔法カード、『破天荒な風』を発動!このカードの効果により、次の自分のスタンバイフェイズまで自分のモンスターの攻撃力を1000ポイントアップする!俺は、『エンコードトーカー』の攻撃力をアップする!」

 

エンコードトーカーLINK3(ATK2600→3600)

 

 

 

これで、リボルバーのライフを削りきれるけど…そう簡単に通してくれるのか?

 

「俺には絶対に負けられない理由が3つある…1つ、俺はお前達を破滅させ10年前の真実を突き止める。2つ、そして、俺は失った時間を取り戻す。3つ、俺は俺を助けてくれた友を救う」

 

俺がリボルバーが攻撃を通してくれるかを考えていると、playmakerが決意を語り始めた。

 

10年前の真実…?10年前に何かあったのか?

 

もしかして、10年前の事がplaymakerがハノイの騎士に復讐しようとしている理由なのか?

 

「10年前…3つ…まさかお前は10年前の事件の…」

 

「そうさ…俺はその復讐の使者だ!」

 

「ちょっと待ってくれ…10年前の事件って何なんだ?」

 

俺がそう尋ねると、リボルバーが少し間をあけてこう答えた。

 

「…そうだな、Phantom…お前とも無関係とは言い難いかもしれんな…」

 

「え、それってどういう…」

 

「だが、今はそれを話すわけにはいかん…お前の身の安全のためにもな」

 

俺の身の安全?どういうことなんだ…しかも、どうしてリボルバーが俺の身を案じる必要があるんだ?

 

「これだけは言っておく、お前達は何も真実を知らない…真実も知らぬままSOLテクノロジーに踊らされているのだ!」

 

リボルバーの声は僅かに震えていて、その声はどこか怒りに満ちていた。

 

SOLテクノロジーに踊らされている?いや、正確には多分SOLテクノロジーの偉い人達かな…そいつらが10年前の事件を隠蔽したってことなのか?

 

ありそうな話しだけど、実際、どうなんだ?

 

「俺のすることはただひとつ、ハノイの騎士お前達を叩き潰し、全てを知ることだけだ!いくぞ!バトルだ!まず俺は『ファイアウォールドラゴン』で『ヴァレルロードドラゴン』に攻撃!テンペストアタック!」

 

「なるほど、『エンコードトーカー』の効果を使用するためか」

 

「その通りだ!『エンコードトーカー』の効果発動!このカードのリンク先のモンスターが自身より攻撃力の高いモンスターと戦闘を行う時、そのカードは戦闘では破壊されず、ダメージも受けない!さらに、戦闘を行った相手のモンスターの攻撃力分だけこのカード、または、このカードのリンク先のモンスターにその攻撃力を加算する!俺は『エンコードトーカー』に攻撃力を加算する!」

 

エンコードトーカーLINK3(ATK3600→6600)リンクマーカー上/下/右下

 

「そして、『エンコードトーカー』で『ヴァレルロードドラゴン』に攻撃!ファイナルエンコード!」

 

これが通ればリボルバーのライフが0になるけど…

 

「…残念だったな、お前の攻撃は私には届かない!罠発動!『和睦の使者』!このカードの効果により、私のモンスターはこのターン、戦闘では破壊されず戦闘ダメージも受けない!」

 

「何!?」

 

エンコードトーカーの攻撃がヴァレルロードに命中したかに思えたが、その攻撃は見えない壁に妨げられ、ヴァレルロードを破壊することができなかった。

 

「これでお前の攻撃は終わりだ」

 

リボルバーのその言葉にplaymakerはフッ、と笑ってこう言った。

 

「…あぁ、確かに俺の攻撃は終わった…だが、Phantomの攻撃はまだ残っている、ここでお前が伏せカードを使ったことで次のPhantomのターンに防ぐ手段がなくなりつつあるはずだ」

 

「…っ!まさか、playmaker…お前は私に伏せカードを使わせるためにわざと攻撃を仕掛けてきたのか!」

 

「今の状況では俺1人でお前を倒すことはできない、だが、Phantomと協力すればお前を倒せる」

 

「playmaker……ははっ、随分と期待してくれてるみたいだね、ならその期待に応えないとな!」

 

まさか、playmakerがこんなことをしてくれるなんてな…なら、ここまでしてくれたplaymakerの期待に応えないとな。

 

「…フッ、なるほどな…1人では届かなくとも2人ならば届くということか…ならば、私を倒してみせろ…次のお前のターンで!」

 

リボルバーは俺の方を見ながら、そう言った。

 

「俺はこれでターンエンド、この瞬間、エンコードトーカーの攻撃力は元に戻る」

 

エンコードトーカー(ATK6600→3600)

 

 

 

 

「悪いが、後は任せたぞ…Phantom」

 

「良いのか?俺に任せちゃって…」

 

「…今の状況ではお前に託すしかない…それにお前のことだ、恐らくまだ隠し玉があるんだろ?」

 

「…まぁ、一応ね」

 

まだ見せていないカードはそれなりにある…それに今の手札には幸いなことにそれを出す方法もある。

 

「なら、それを見せてみろ」

 

「…あぁ!もちろんさ!さぁいくよ!お楽しみはこれからだ!俺のターン、ドロー!」

 

Phantom手札6→7

 

さてと、まずはリボルバーの場のマグナヴァレットをどうにかしないとな。

 

「俺は手札から魔法カード、『月の書』を発動!このカードの効果によりマグナヴァレットを裏側表示にする!」

 

「そう来たか…ならば、ヴァレルロードの効果発動!『マグナヴァレットドラゴン』の攻守を500下げる、そして、この瞬間マグナヴァレットは破壊され、その後フィールドのモンスター1体を選んで墓地に送る!私は『プロキシードラゴン』を墓地へ送る!」

 

「くっ…でもこれでマグナヴァレットとヴァレルロードの効果は使わせた!俺はさらに手札から魔法カード、『ペンデュラムパラドックス』を発動!このカードの効果でEXデッキに表側表示で存在する、スケールが同じで名前が異なるモンスターを2体手札に加える!俺は、『オッドアイズ・ファントム・ドラゴン』と『EMオッドアイズディゾルヴァー』を手札に加える!」

 

Phantom手札6→5→7

 

「Pカードを回収するカードか…!まだそんなカードを持っていたとはな」

 

「まだまだいくよ!俺はさらに空いているPゾーンにスケール3の『EMオッドアイズライトフェニックス』をセットし、魔法カード、『ペンデュラムターン』を発動!このカードの効果でオッドアイズシンクロンのスケールを10に変更する!」

 

EMオッドアイズライトフェニックス(スケール3)

 

EMオッドアイズシンクロン(スケール6→10)

 

これでレベル4~9のモンスターが同時に召喚可能になった!

 

「今1度揺れろ!運命の振り子!迫り来る時を刻み、未来と過去を行き交え!ペンデュラム召喚!!来い!俺のモンスター達!EXデッキから『EMドクロバットジョーカー』、手札から『EMセカンドンキー』、『EMオッドアイズディゾルヴァー』、そして、『オッドアイズ・ファントム・ドラゴン』!!」

 

EMドクロバットジョーカー攻撃表示(ATK1800)

 

EMセカンドンキー攻撃表示(ATK1000)

 

EMオッドアイズディゾルヴァー攻撃表示(ATK2000)

 

オッドアイズ・ファントム・ドラゴン攻撃表示(ATK2500)

 

 

「セカンドンキーの効果発動!このカードが召喚、特殊召喚に成功した時、デッキからセカンドンキー以外のEMモンスターを墓地へ送る、俺は『EMギッタンバッタ』を墓地へ送るよ…ま、今はあんまり意味はないけどね」

 

俺はそう言いながら、デッキからギッタンバッタを墓地へ送った。

 

「さぁ、いくよ!俺はセカンドンキーとドクロバットジョーカーの2体でオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!漆黒の闇より!愚鈍なる力に抗う反逆の牙!今、降臨せよ!エクシーズ召喚!!現れろ!ランク4、『ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン』!!」

 

ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンランク 4攻撃表示(ATK2500)ORU2

 

「エクシーズ召喚か…融合、シンクロ、エクシーズ、ペンデュラム、さらにはリンク召喚…このデュエルだけでEXデッキを利用する戦略をここまで使用するとはな」

 

「ははっ、確かにそうだね…俺もここまで展開できるとは思ってなかったよ…でも、まだまだお楽しみはこれからさ!まずは、ダークリベリオンの効果発動!ORUを2つ使い、相手モンスター1体の攻撃力を半分にし、その数値分だけダークリベリオンの攻撃力をアップする!俺は『ファイアウォールドラゴン』の攻撃力を半分にしその数値分だけアップする!playmaker、力を借りるよ!」

 

「あぁ、構わない」

 

ファイアウォールドラゴン(ATK2800→1400)

 

ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン(ATK2500→3900)

 

「さぁ、ここからもう一工夫だ!俺は手札から魔法カード、『RUM―幻影騎士団ラウンチ』を発動!このカードは自分フィールド上のエクシーズ素材のない闇属性エクシーズモンスターとこのカードを素材にして、同じ属性でランクの1つ高いエクシーズモンスターにランクアップさせる!」

 

「ランクアップマジックだと!?」

 

「俺はダークリベリオンを素材にオーバーレイネットワークを再構築!煉獄の底より!未だ鎮まらぬ魂に捧げる反逆の歌!永久に響かせ現れろ!ランクアップエクシーズチェンジ!来い!ランク5、『ダーク・レクイエム・エクシーズ・ドラゴン』!!」

 

ダーク・レクイエム・エクシーズ・ドラゴン ランク5攻撃表示(ATK3000)ORU2

 

「ランクアップマジック…これもお前の切り札のひとつか、フッ…どこまでも楽しませてくれる男だ…」

 

リボルバーは楽しそうな様子で俺にそう言った。

 

「そこまで言ってくれるなら、このカードを見せた甲斐があるってもんだよ!それじゃあ、いくよ!『ダーク・レクイエム・エクシーズ・ドラゴン』の効果発動!1ターンに1度ORUを1つ使い、相手モンスター1体の攻撃力を0にし、そのモンスターの元々の攻撃力分だけダークレクイエムの攻撃力をアップする!俺はファイアウォールの攻撃力を0にし、ダークレクイエムの攻撃力をアップする!レクイエムサルベージョン!」

 

ダーク・レクイエム・エクシーズ・ドラゴン(ATK3000→5500)

 

ヴァレルロードドラゴンはモンスター効果の対象にならない、だけど、これはバトルロワイヤルルールだ…相手にはplaymakerも含まれる!

 

「さぁ、いくよ!俺はスターヴヴェノムを攻撃表示にして、バトル!『ダーク・レクイエム・エクシーズ・ドラゴン』で、『ヴァレルロードドラゴン』に攻撃!鎮魂のディザスターディスオベイ!!」

 

ダークレクイエムが飛び立ち、翼に力を収束させる、その翼はステンドグラスのように輝いて、その翼に収束させた力をヴァレルロードに向けて放った。

 

「ぐぅぅぅ!!」

 

リボルバー LP2900→400

 

「さらに、『スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン』で『アネスヴァレットドラゴン』に攻撃!」

 

「ぐっ…!」

 

これでリボルバーの場は空いた!

 

「お楽しみはこれまでだ!『オッドアイズ・ファントム・ドラゴン』でリボルバーにダイレクトアタック!!夢幻のスパイラルフレイム!!」

 

オッドアイズから放たれた攻撃は渦巻きながらリボルバーに向かっていき、そして、そのままリボルバーへと直撃した。

 

「ぐ、ぐぁぁぁぁぁ!!」

 

リボルバー LP400→0

 

オッドアイズの攻撃により、リボルバーは大きく後ろに飛ばされ、その勢いのまま、岩へとぶつかった。

 

「ちょっ、大丈夫か?リボルバー!ごめん、やりすぎたかも…」

 

「…ぐっ、全く…先ほどまで戦っていた相手のことを心配するとはな…本当に変わった男だ…」

 

リボルバーはそう言って、苦笑した。

 

一応、大丈夫…なのか?

 

まぁ、大丈夫なら良いんだけど。

 

「約束通り、お前達の情報を貰う!」

 

『俺が食ってやる!』

 

デュエルディスクからAiの声が聞こえたかと思うと、Aiが今まで見たことのない姿をして、リボルバーに襲いかかった。

 

リボルバーは咄嗟にそれをかわしたが、かわし切れず右腕をAiに食べられた。

 

「何がどうなってるんだ?」

 

『全部だ!全部食ってやる!』

 

Aiはそう言って、尚もリボルバーに襲いかかる…だが、その直後、眩い光が辺りに広がった。

 

「父さん…!」

 

『グォォォ!動けねぇ!』

 

「くっ、外部からの干渉か…!戻れ、Ai!」

 

『くっそぉぉ!』

 

悔しそうな声を上げながら、Aiはplaymakerのデュエルディスクに戻っていった。

 

「…何かよくわからないけど、とりあえずは大丈夫になったのか?…そうだ、リボルバーは!?」

 

俺が慌てて、周りを見渡すとリボルバーは謎の光に吸い込まれて、空中に浮いていた。

 

「約束は守る…受けとれ!」

 

そう言って、リボルバーは俺に向かってカード状のプログラムを投げてきた。

 

「除去プログラムだ…恐らく、お前は電脳ウィルスを完全に除去できたわけではない…だが、これで完全に電脳ウィルスを除去できるはずだ」

 

「そっか、ありがとな!リボルバー!今度戦う時は1対1でデュエルしようぜ!」

 

「フッ、良いだろう……playmaker、Phantom、今日は私の風は吹かなかったようだ…だが、playmakerお前がそのAIを手にしている以上、これは始まりのデュエルにすぎない…お前とは、いやお前達とはいずれまた…」

 

最後にリボルバーはそう言って消えていった。

 

「始まりのデュエルか……とりあえず、playmaker…まずはお互いに情報を話した方が良いな、色々と気になることもあるし」

 

「…あぁ、そうだな」

 

そう言って、playmakerはデュエルディスクを操作し始めた。

 

どういうつもりなんだ…?

 

「ん?」

 

俺がそんなことを思っていると、俺のデュエルディスクにメッセージが届いた。

 

「これって…!?」

 

「お前の時間がある時で構わない、その場所に来い…そこでお互いの情報を確認する」

 

「あ、あぁ…わかった」

 

「じゃあな」

 

そう言って、playmakerも消えてしまった。

 

それにしても、この場所に来いって…つまり現実で情報を交換するってことだよな…それって大丈夫なのか?

 

…いや、俺は大丈夫かはわからないけど…playmakerは多分、身バレはしていないだろうし現実の方がある意味安全か。

 

「…さぁて、俺も帰るかな」

 

葵も心配してるかもしれないしな…

 

俺はそんなことを思いながら、ログアウトした。

 

 

/////////////

 

「すみません、父さん…イグニスを奪うことができませんでした」

 

「さすがのお前でも、あの二人を同時に相手にするのは無理があったか」

 

「…ですが、次こそは必ずイグニスを奪ってみせます!」

 

「…ならば、お前に任せよう…だが、万が一イグニスを奪えなかった時は計画を最終段階に進めなければならないかもしれんな…」

 

「あの計画を、ですか!?」

 

「あぁ、そうだ……それにしても、まさかまだリンクアクセスの能力を持っている人間が居たとはな」

 

鴻上博士はどこか悲しげな様子でそう口にした。

 

「わかっているな、リボルバー…Phantomの持つリンクアクセスの力は絶対にSOLテクノロジーに知られてはならない」

 

「はい、わかっています…」

 

リボルバーはそう言葉を口にする。

 

その言葉の奥に様々な感情を抱きながら。

 

 

 




といった感じの第30話でした!

最近、アニメでリボルバーさんがミラーフォースを使っているところを見て、衝撃を受けた今日この頃です…しかも、実際、サイバースのデッキでリンクモンスターを並べたところでミラーフォースを使われた経験があるのでその絶望感がよくわかるという…

それでは、今回はここまで!ここまでの拝読ありがとうございます!

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