遊戯王VRAINS 幻影の咆哮~青き天使との日常~ 作:kajoker
いよいよバトルロワイヤルルールでのデュエルが始まります!ちなみにルールとしては一番最初のターンは誰も攻撃できず、別々のプレイヤーがEXモンスターゾーンを使用して、その結果としてEXモンスターゾーンが埋まっている場合はEXモンスターゾーンを使用しているプレイヤー以外は使用できない。
要するに、先にEXモンスターゾーンを使ったもん勝ちということです、ただし、リンクマーカーが相手のフィールドに向いている場合はそのリンク先にモンスターがいなければ、使用することが可能です。
後は、ほとんど普通のバトルロワイヤルルールと同じです。
それでは、本編をどうぞ!
「花恋さん、どうですか?」
「…ダメね、通信がつながらない」
「そんな…!」
データストームに侑哉が巻き込まれ、何とか今の侑哉の様子を知るために通信したが、まるで通信がつながらなかった。
「…私、あのデータストームに飛び込みます!そうすれば侑哉の様子を知ることができるはずです!」
「落ち着いて、葵ちゃん…手段がすべてなくなったわけじゃないわ」
「え…?何か手があるんですか?」
「もちろんよ!ちょっと待ってて…」
自信満々にそう言い切った花恋さんは何かの作業を始めた。
「……これでよし!」
「何をしたんですか?」
「まぁ、見てなさい」
花恋さんがそう言うと同時に、目の前に映像が映し出される。
そこには、向かい合っている3人の人物が映っていて、今まさにデュエルが始まろうとしていた。
「侑哉…!それにplaymakerとリボルバー…3人でデュエルをするつもりなの?…いや、それよりもどうして映像が…?」
「侑哉のデュエルディスクに小型カメラを仕込んでいたのよ…分離可能のね、ちなみにステルス機能も付いてるから侑哉もそれ以外の人にも多分気づかれないわ」
「なるほど…でも、いつの間にそんなものを仕込んでいたんですか?」
「侑哉があのプログラムを作ってほしいと私に頼んだ時に…ついでにデュエルディスクのアップデートをしたのよ、その時にね」
「…そうだったんですか、でも何でそんなことを?」
「侑哉を監―――守るためよ…侑哉に何かあったら大変じゃない」
「今、監視って言いかけませんでしたか?」
「え!?あははっ、そんなこと言ってないわよ…」
花恋さんはごまかすようにそう言ったけど、絶対に嘘だ…目が泳いでるし。
これは後で侑哉に教えてあげないといけないわね…でも、とにかく今はこのデュエルを見ておかないと。
「頑張って、侑哉…」
私はそう呟いて、侑哉達のデュエルを観戦し始めた。
//////////////
「「「デュエル!!」」」
リボルバー LP4000
VS
playmaker LP4000
VS
Phantom LP4000
「Phantom、気を付けろ…リボルバーはお前が来る前にカードを追加していた」
「カードの追加…?一体どんなカードを追加したんだ?」
「それはわからない…だが、警戒しておくに越したことはない」
「わかった…気を付けるよ」
playmakerがそう言うんだ…多分、強力なカードなんだろうな…
それに、バトルロワイヤルルールと言っても俺とplaymakerの標的はリボルバーだ、つまり2対1の状況とほとんど変わらない。
それなのに、このルールを提案したということは何かしらの勝算があるに違いない。
まぁ、とにかく警戒しておくに越したことはないな。
「私からいかせて貰おう!私は手札からフィールド魔法、『天火の牢獄』を発動!」
リボルバーがカードを発動すると、巨大な鳥籠のようなものが現れ、俺達を閉じ込めた。
「何だ?このカード…これがリボルバーが追加したカードか…?」
少なくとも、前にリボルバーとデュエルした時にはこんなカードはなかった…となると、これが追加されたカードか。
「一体どんな効果があるんだ…」
「このカードは自身の効果以外では破壊されず、お互いにフィールド上に存在する最もリンクマーカーの多いリンクモンスターよりリンクマーカーが少ないリンクモンスターをリンク召喚することができず、リンクモンスター以外は攻撃することができない」
「なっ…!?」
厄介なカードだな…少なくとも俺にとっては。
俺のデッキの主軸はペンデュラムカード、それに融合、シンクロ、エクシーズといったカード達…リンクモンスターも入ってはいるが、playmakerみたいにリンクモンスターが主軸というわけじゃない。
「…いつも以上にキツそうだな、今回のデュエル…」
「フッ、Phantom…お前にとってはなかなかに厄介なカードだろう?」
「確かにな…でも、そういう状況を覆してこそのエンタメデュエリストってもんさ!」
「…そうこなくてはな!」
リボルバーはそう言って、ターンを進めた。
「私は、『ゲートウェイドラゴン』を召喚!さらに、モンスター効果を発動する!このカードの効果により、手札から『スニッフィングドラゴン』を特殊召喚!」
ゲートウェイドラゴン攻撃表示(ATK1600)
スニッフィングドラゴン攻撃表示(ATK400)
「さらに、スニッフィングドラゴンが特殊召喚に成功した時、デッキからもう1体スニッフィングドラゴンを手札に加える」
リボルバー手札2→3
「現れろ!我が道を照らす未来回路!アローヘッド確認、召喚条件はトークン以外のレベル4以下のドラゴン族モンスター2体!私は『ゲートウェイドラゴン』と『スニッフィングドラゴン』をリンクマーカーにセット!サーキットコンバイン!リンク召喚!現れろ、リンク2、『ツイントライアングルドラゴン』!!」
ツイントライアングルドラゴンLINK2(ATK1200)リンクマーカー右/下
「さらに、リンク召喚に成功したことにより、『弾帯城壁龍《ベルトリンクウォールドラゴン》』を特殊召喚!『天火の牢獄』の効果により、守備力が300ポイントアップ、さらに、このカードが特殊召喚に成功した時ウォールカウンターを2つ置く」
弾帯城壁龍守備表示(DEF2100→2400)ウォールカウンター×2
「カウンターを乗せるモンスターか…一体どんな意味があるんだ…?」
「弾帯城壁龍の効果!お互いにこのカードに置かれているカウンターの数よりリンクマーカーが多いモンスターをリンク召喚できず、リンクモンスター以外は攻撃できない!」
「また、厄介なカードを…!」
このカードによってさらに、ロックが強化された…つまり、天火の牢獄と組み合わせることでリンク召喚できる範囲が狭められ、しかもリンクモンスター以外の攻撃を封じる…強力なロックコンボの完成ってわけか。
「Phantomの言うとおり、厄介なロックコンボだな…」
「お前もそう思う?」
「あぁ」
まぁ、playmakerにしても厄介なコンボだよな。
リンク召喚の範囲が狭められるのは、リンクモンスターを主軸にしているplaymakerにとっては結構キツイ気がするし。
「私はこれでターンエンドだ!さぁ、どちらから来る?」
「よし、それじゃあ俺から――――」
「俺のターン、ドロー!」
playmaker手札5→6
「ちょっ!playmaker!?」
「すまない…だが、ここは俺からいかせてくれ」
「…はぁ、わかったよ」
「まずはplaymakerからか…良いだろう…この瞬間、弾帯城壁龍の効果により、ウォールカウンターを1つ乗せる」
ウォールカウンター×3
「カウンターが増えた…これでLINK3までのリンクモンスターを召喚できるようになったか…」
なるほど…スタンバイフェイズにカウンターが増えるのか。
それにしても…何か引っ掛かるな、このリボルバーの戦略……ロックする目的もあるんだろうけど、それと同時にリンクモンスターを並べさせようとしてる感じがする。
天火の牢獄にはリンクモンスターを並べさせることで発動する効果でもあるのか?
…まぁ、とりあえず今はplaymakerの行動を見るか。
「俺は手札から『リンクスレイヤー』を特殊召喚!このカードは自分のフィールドにモンスターがいない時、特殊召喚できる!」
リンクスレイヤー攻撃表示(ATK2000)
「さらに、俺は『バックアップセクレタリー』を特殊召喚!このカードは自分のフィールドにサイバース族モンスターが居るとき、特殊召喚できる!そして、俺は『スタックリバイバー』を通常召喚!」
バックアップセクレタリー攻撃表示(ATK1200)
スタックリバイバー攻撃表示(ATK100)
「現れろ!未来を導くサーキット!アローヘッド確認、召喚条件はサイバース族モンスター2体以上!俺は『リンクスレイヤー』、『バックアップセクレタリー』、『スタックリバイバー』の3体をリンクマーカーにセット!サーキットコンバイン!リンク召喚!現れろ、リンク3!『エンコードトーカー』!!」
エンコードトーカーLINK3(ATK2300)リンクマーカー上/下/右下
「さらに、スタックリバイバーをリンク召喚の素材とした時、このカード以外にリンク素材として墓地へ送られたレベル4以下のサイバース族モンスターを特殊召喚できる!蘇れ!『バックアップセクレタリー』!」
バックアップセクレタリー守備表示(DEF800)
「さっそく、現れたか…この瞬間、弾帯城壁龍の効果!リンク召喚に成功した時、このカードに置かれているウォールカウンターを2つ取り除く」
ウォールカウンター×3→1
「…バトルロワイヤルルールでは最初のターンは誰も攻撃することはできない、俺はカードを1枚伏せてターンを終了する」
「ようやく俺の出番か…それじゃあ俺のターン、ドロー!」
Phantom手札5→6
「この瞬間、弾帯城壁龍のウォールカウンターが一つ乗る」
ウォールカウンター×1→2
これでリンク召喚できるモンスターはLINK2まで…でも、リンク召喚したところで今の状況は変わらない…さて、どうしたもんかな。
「まぁ、とりあえずやれることをやるしかないな…俺は手札から『EMドクロバットジョーカー』を召喚!このカードが召喚に成功した時、デッキからこのカード以外のEM、魔術師Pモンスター、そして、オッドアイズモンスターのいずれかを手札に加える!俺は『オッドアイズ・ペルソナ・ドラゴン』を手札に加える!」
EMドクロバットジョーカー攻撃表示(ATK1800)
「さらに、永続魔法、『補給部隊』を発動!そして、フィールド魔法、『天空の虹彩』を発動するよ!」
俺がカードを発動すると、上空に虹彩が現れた。
天空の虹彩を使うとこんな感じになるのか…キレイだな。
「…おっと、見とれてる場合じゃなかった!俺は天空の虹彩の効果を発動!このカード以外の表側表示のカードを破壊することでデッキからオッドアイズカードを手札に加えることができる!俺はドクロバットジョーカーを破壊し、『オッドアイズ・ミラージュ・ドラゴン』を手札に加える!」
ドクロバットジョーカーが破壊され、デッキからカードが手札に加わる。
「さらに、ドクロバットジョーカーが破壊されたことにより、補給部隊の効果で1枚ドロー!」
Phantom手札6→4→6
「ほぅ、必要なカードをサーチし、さらにカードをドローしたか…やるな」
「まだまだここからだよ!俺はスケール1の『オッドアイズ・ペルソナ・ドラゴン』とスケール8の『オッドアイズ・ミラージュ・ドラゴン』でペンデュラムスケールをセッティング!」
さて、ここからペンデュラム召喚を―――ちょっと待て、今の状況でEXモンスターゾーンって使えるのか?
いや、多分無理だよな…あれ、やばくないか今の状況…
とりあえず、エンコードトーカーのリンクマーカーを利用するしかないな。
「揺れろ、運命の振り子!迫り来る時を刻み、未来と過去を行き交え!ペンデュラム召喚!来い、俺のモンスター達!EXデッキから『EMドクロバットジョーカー』、手札から『EMペンデュラムマジシャン』、『ジャンクシンクロン』、そして、『オッドアイズ・ファントム・ドラゴン』!!」
EMドクロバットジョーカー攻撃表示(ATK1800)
EMペンデュラムマジシャン攻撃表示(ATK1500)
ジャンクシンクロン攻撃表示(ATK1300)
オッドアイズ・ファントム・ドラゴン攻撃表示(ATK2500)
「ペンデュラムマジシャンの効果!ペンデュラムマジシャンを破壊し、デッキから『EMレインゴート』を手札に加える!」
Phantom手札1→2
「さらに、レベル4のドクロバットジョーカーにレベル3のジャンクシンクロンをチューニング!その美しくも雄々しき翼翻し、光の速さで敵を討て!シンクロ召喚!現れろ、レベル7!『クリアウィング・シンクロ・ドラゴン』!!」
クリアウィング・シンクロ・ドラゴン攻撃表示(ATK2500)
「ほぅ、シンクロ召喚か…ブルーエンジェルとのデュエルで見せたシンクロモンスターとはまた違ったシンクロモンスターだな」
「まぁね、これも俺の切り札の1つさ!さて、とりあえずカードを1枚伏せてターンエンドだよ!」
リボルバー LP4000
手札2(内1枚スニッフィングドラゴン)
場 EXモンスターゾーン ツイントライアングルドラゴンLINK2(ATK1200)
メインモンスターゾーン 弾帯城壁龍《ベルトリンクウォールドラゴン》守備表示(DEF2100→2400)ウォールカウンター×2
伏せなし
Pゾーンなし
フィールド魔法 天火の牢獄
playmaker LP4000
手札2
場 EXモンスターゾーン エンコードトーカーLINK3(ATK2300)リンクマーカー上/下/右下
メインモンスターゾーン バックアップセクレタリー守備表示(DEF800)
伏せ1
Pゾーンなし
Phantom LP4000
手札1(EMレインゴート)
場 EXモンスターゾーンなし
メインモンスターゾーン クリアウィング・シンクロ・ドラゴン攻撃表示(ATK2500)
オッドアイズ・ファントム・ドラゴン攻撃表示(ATK2500)
伏せ2(内1枚補給部隊)
Pゾーン オッドアイズ・ペルソナ・ドラゴン(スケール1)
オッドアイズ・ミラージュ・ドラゴン(スケール8)
フィールド魔法 天空の虹彩
といった感じの第27話でした!
初めてバトルロワイヤルルールでデュエルシーンを書いたので、何かミスがないか心配ですが、楽しんで頂けたら幸いです。
それでは今回はここまで、ここまでの拝読ありがとうございます!