遊戯王VRAINS 幻影の咆哮~青き天使との日常~   作:kajoker

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第26話です!

今回は、ちょっと葵がキャラ崩壊しています…いや、どうしてこうなった…まぁ、侑哉が復活して嬉しいんだな!うん、きっとそうだ!

それでは本編をどうぞ!


第26話 バトルロワイヤル

「侑哉…本当に良かった!」

 

「葵のおかげだよ、ありがとう…」

 

「…うん、でも…」

 

「でも…?」

 

「結局、私は侑哉に守られてばかりだった…今回のデュエルだって侑哉が居てくれなかったら、今頃私は…」

 

目が覚めた侑哉に、そう言葉を溢す。

 

実際、侑哉のカードがあったから……あの時、侑哉が私を励ましてくれたから、私はあのデュエルに勝つことができた。

 

「それは違うよ!」

 

「え…?」

 

「葵は、俺を助けに来てくれたじゃないか…色々とリスクだってあったはずなのに…それでも葵は来てくれた、充分、俺を守ってくれてるじゃないか…」

 

侑哉は私の目を真っ直ぐに見つめながら、少し笑みを浮かべてそう言った。

 

「むしろ、今回は葵が居てくれたから俺は今こうしてここに居る……ありがとな、葵…俺を助けてくれて」

 

「侑哉…!」

 

侑哉の言葉を聞いて、感情が爆発する。

 

さっきと同じように、侑哉へと思いっきり抱きつく。

 

また、侑哉に苦しいとか言われるかもしれないけど、今は何よりもこうしていたい……侑哉の存在を感じていたい。

 

「葵…苦しいって…」

 

「嫌…侑哉ともっとこうしていたいの…」

 

「…わかったよ、でも少し力を緩めてくれないか?そうじゃないと俺が葵を抱きしめられないからさ」

 

「うん…」

 

そう言って、力を少し緩めると侑哉は私を抱きしめてくれた。

 

「侑哉…大好き」

 

「俺も大好きだよ…葵」

 

『二人共、いつまでイチャイチャしているつもり?』

 

侑哉と抱き合っていると、花恋さんの声が響いた。

 

でも、そんなのお構い無しに私は侑哉を抱きしめ続ける。

 

『ちょっと葵ちゃん!侑哉から離れてよ!』

 

「嫌です、花恋さんの方こそ、今すぐ通信を切ってください…侑哉と二人きりが良いので」

 

『…ねぇ、侑哉……葵ちゃん、何か様子が変じゃない?』

 

「確かにそうかもしれないな…葵、どうかしたのか?」

 

侑哉が心配そうな表情をしながら、私にそう尋ねる。

 

「…だって、侑哉が目を覚ましてこうして一緒に居られるのが嬉しくて…」

 

「葵…」

 

「…だから、誰にも邪魔させない…!侑哉との時間は誰にも…!」

 

『侑哉!葵ちゃんがヤンデレ化してる!何とかしなさいよ!』

 

「え、え?いや何とかしろと言われても……そうだ、葵」

 

侑哉が慌てたように、私の名前を呼ぶ。

 

それにしても、心外ね…私は別にヤンデレじゃない、ただ、侑哉ともう少しこうしていたいだけ……花恋さんでもこの時間を邪魔するのは許さない。

 

「現実世界に戻ったら、デートに行かないか?」

 

「デート…嬉しいけど、侑哉はまだ病院に居るからすぐには行けないわよ…」

 

「もちろん、俺が元気になってからだよ…デートの途中で倒れたりしたら台無しだからね…それで、葵はどこか行きたいところとかある?」

 

「行きたいところ……私は侑哉と一緒なら、どこでも良いかな…」

 

侑哉の質問にそう答える。

 

実際、私は侑哉と一緒に居られるならどこでも良い…だって、侑哉とならどこに行っても、きっと楽しいと思うから。

 

「そっか…なら、葵が喜びそうなデートプランを考えておくよ」

 

「うん、楽しみにしてる!あ、そうだ!侑哉にこれを返さないと…」

 

そう言って、私はデッキから数枚のカードを手に取り、そのまま侑哉の手に握らせる。

 

それは、侑哉の目が覚めたら返そうと思っていたオッドアイズ・ファントム・ドラゴン…そして、侑哉のデッキの中心であるPモンスター達。

 

「やっぱり葵のデッキに入ってたんだな…」

 

「うん…ごめんね、勝手にカードを借りちゃって…」

 

「いや、良いさ…葵は俺と一緒に戦おうとしてくれたんだろ?」

 

「それは、そうだけど…」

 

「なら、責める理由なんてないよ…むしろ、そんなふうに思ってくれて嬉しいよ!」

 

侑哉の心から言葉に嬉しくなる…そして、それと同時に侑哉への想いが溢れてくる。

 

あぁ…今日はダメだ、侑哉への想いを抑えきれそうにない…でも、別に良いわよね、自分の想いに正直になっても。

 

「侑哉…」

 

そう呟いて、侑哉をそのまま押し倒す。

 

「えっと、葵…大丈夫か?何か目がとろんとしてるぞ…それに、ちょっと頬が赤いような……熱でもあるのか?」

 

「ふふっ、熱なんかないわよ…でも、ありがとう…侑哉」

 

「ちょっ、葵!?……んむっ!」

 

少し動揺した様子の侑哉にキスをする。

 

何度も何度も侑哉の存在を確かめるように、深く、長く…

 

「…んっ…!はっ…!はっ…侑哉…!」

 

「んぐ…!ちょっ…葵…はっ…ストップ…」

 

「侑哉…!」

 

 

 

「チェストォォオ!!」

 

突如として、そんな声が響き、それと同時に頭に鈍い痛みが走った。

 

「いた!誰…?今、私の頭を叩いたのは…」

 

「私よ!」

 

その声はさっきまで通信していた人の声で、LINK VRAINSには来ていないはずの人だった。

 

「あれ?花恋さん…どうしてここに?」

 

「どうしてここに、じゃないわよ!葵ちゃん…今の状況わかってる?」

 

「え…?」

 

花恋さんの言葉に、さっきまで自分がしていた行動を振り返る。

 

確か、自分の感情を抑えきれなくて…侑哉を、押し倒して…それで…

 

「あ…あ…!」

 

そこまで思い出して、頬が熱くなってくる…

 

私…侑哉に何てことを…

 

チラッと侑哉の方に目をやると、侑哉は少し困ったような表情を浮かべていて、その頬を赤くしていた。

 

「ごごご、ごめんね!!侑哉!私…どうかしてた!!本当にごめんね!!」

 

慌てて侑哉と距離を取り、目を逸らす。

 

うぅ、穴があったら入りたい…

 

「いや、そこまで謝らなくても良いって…別に嫌だったわけじゃないし…ただ、かなりびっくりはしたけどな」

 

「侑哉…」

 

 

 

「はいはい、ストップ!全く、そういうことを言うから葵ちゃんに襲われるのよ」

 

「え?俺のせいなのか…それよりも大丈夫なのか?花恋…アバターを作ってるわけじゃないからリアルの姿のままなんじゃ…」

 

私が未だに侑哉から目を逸らしていると、侑哉が花恋さんにそう尋ねる。

 

「あぁ、これ?特に問題ないわ…それよりも葵ちゃんが暴走したままの方が色々と問題があるわよ…まぁ、侑哉ならそんな葵ちゃんも許容できそうだけど…」

 

「うん?最後の方がよく聞き取れなかったんだけど…何て言ったんだ?」

 

「…侑哉は気にしなくて良いわ、それより―――」

 

「ちょっと待ってくれ花恋…あれは何だ?」

 

花恋さんが侑哉に何か言いかけると同時に侑哉が視線を外に移動するように促した。

 

侑哉に促され、外を見てみると巨大なデータストームが発生していた。

 

「あれは、データストーム…?何であんな巨大なデータストームが…」

 

「わからないわ…」

 

「ねぇ、侑哉…何だかこっちにデータストームが向かってきてない?」

 

「え…?」

 

侑哉がそう呟くと同時に、データストームが侑哉を巻き込んでしまう。

 

「侑哉!…っ!絶対に侑哉を連れてなんて行かせない!」

 

「葵ちゃん!ダメ!」

 

侑哉を巻き込んだデータストームに近づこうとすると、花恋さんに引き止められた。

 

「離して!侑哉が…!」

 

「侑哉ならきっと大丈夫よ!だって、あの侑哉なのよ?きっと、すぐに帰ってくるわよ!だから…今は信じて待ちましょう…」

 

「……わかりました」

 

正直、侑哉のことが心配で仕方がないけど今の私には何もできない…

 

「侑哉…お願い、無事でいて…」

 

 

/////////////////

 

「どわぁぁあ!!」

 

データストームに巻き込まれ、体が色々な方向にぐるぐると回る。

 

やれやれ、せっかく戻れたと思ったら今度はデータストームに巻き込まれるとは…

 

「くっ…!」

 

何とか体勢を立て直し、Dボートへと飛び乗る。

 

「ふぅ…随分と手荒いお出迎えだね…」

 

『すまんな、急を要する事態が起きたのでな』

 

「あの巨大なデータストームのことか?」

 

『その通りだ……だが、説明している暇はない、後は当事者達から話しを聞いてくれ』

 

「当事者達…?それって―――」

 

playmakerとリボルバーのことか?そう聞こうとした、その瞬間、データストームが急激に速度を上げた。

 

「ちょっ、速いって!」

 

『飛ばすぞ!』

 

「うわぁぁ!!」

 

そのまま、高速でデータストームが進み続ける。

 

やばいな…ちょっとでも気を抜いたら、外に放り出されそうだ。

 

俺は必死に体勢を立て直し続け、目的地に辿り着くまで待った。

 

 

 

『着いたぞ!では、後は任せた!』

 

そう言ってデータストームの主は俺を巨大なデータストームの中に放り投げた。

 

 

「え!?ちょっ…!うわぁぁぁ!!」

 

巨大なデータストームに放り投げられ、上からそのまま落下していき、思わず目を瞑る。

 

「……ん?あれ、俺、浮いてる?」

 

いつまでも痛みが襲って来ず、目を開けると体が空中に浮いていて、ゆっくりと下へと移動していた。

 

「それにしても、データストームの中心ってこんな感じなんだな…風が少しも吹いていないし…台風の目みたいなもんか」

 

俺がそんなふうに周りの景色を見ていると、向かい合っている二人の人物が目に入った。

 

「Phantom…!ブルーエンジェルの方は上手くいったようだな」

 

「あぁ、ブルーエンジェルのおかげでこの通りさ!playmakerも除去プログラムを手に入れるためにリボルバーと戦ってくれたんだろ?ありがとな!」

 

「…俺は、責任を果たしにきただけだ…」

 

『またまた、素直じゃねぇな…あいつは俺の仲間だから絶対に助ける、とか言ってたくせに』

 

「お前…!」

 

playmakerのデュエルディスクからAiがからかうような声が聞こえ、思わず笑みが零れた。

 

仲間、か…友達まではいってないけどかなり進歩したな…

 

「まさか…電脳ウィルスを除去したのか!?」

 

俺がplaymakerと仲良くなれたことに感動を覚えていると、リボルバーが驚いたような声を上げた。

 

まぁ、そりゃ驚くよな…電脳ウィルスは多分、リボルバーの持っている除去プログラムでしか除去できないはずだったもんな。

 

「まぁ、一応ね…荒療治だったから体の節々が未だに痛いけど…」

 

「一体どうやって……だが、好都合だ、お前とも決着を着けねばならないと思っていたところだ」

 

「そうだな…俺もお前とはもう一度デュエルしたいと思ってた……それで、どうする?playmakerともデュエルしなきゃいけないだろ?」

 

さすがに、俺とplaymakerを1人ずつ相手していくのは無理がある気がするしな。

 

「Phantom、これは俺の戦いだ…お前は俺とリボルバーのデュエルを見ていろ」

 

「…フッ、ならばバトルロワイヤルルールでのデュエルはどうだ?」

 

「…なるほどね、確かにそのルールなら俺達全員でデュエルができるな」

 

「バトルロワイヤルルールか……良いだろう、そのルールでデュエルを受けてやる」

 

playmakerも納得したようで、バトルロワイヤルルールでデュエルを行うことに決まった。

 

まさか、ここでバトルロワイヤルルールでデュエルすることになるなんてな。

 

…良いね!ワクワクしてきた!

 

「では、始めるとしよう!」

 

 

 

 

 

「「「デュエル!!」」」

 

 

 




といった感じの第26話でした!

次回からはいよいよPhantom、playmaker、そして、リボルバーのデュエルが始まります。

果たして、誰が勝つのか?

ついに、UAが5万を突破しました!お気に入りも300を超え、作者はテンションが上がりまくっています!!

ここまで来れたのもいつもこの小説を読んでくださっている皆様のおかげです!本当にありがとうございます!

それでは今回はここまで!ここまでの拝読ありがとうございます!

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