遊戯王VRAINS 幻影の咆哮~青き天使との日常~   作:kajoker

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皆様、明けましておめでとうございます!

今回は特別編です!今回の話しは初詣に行った時にふと、思いついた話しです!

ちなみに、本編とは特に関係がない話しなのでちょっとした番外編だと思って、楽しんで頂ければ幸いです!

それでは本編をどうぞ!




特別編 初詣に行こう!

「明けましておめでとう!!」

 

「う、うん…明けましておめでとう、花恋」

 

朝起きて、下に降りてすぐに花恋の大きな新年の挨拶が響く。

 

今日は1月1日、今日から新年の始まりだ。

 

まぁ、でも…ここまで大声で挨拶されるとは思ってなかったな。

 

俺がそんなふうに思っていると、花恋が言葉を続けた。

 

「何か元気ないわね…嫌な夢でも見た?」

 

「いや、別にそういうわけじゃないよ…花恋がすごくテンションが高くてびっくりしただけ」

 

「新年の始まりよ?テンションを上げなくてどうするの!」

 

「お、おう…」

 

本当に何なんだ?このテンションの高さは…まぁ、ある意味花恋らしいから良いか。

 

俺はそんなふうに思いながら、朝食の準備を進めた。

 

 

/////////////

 

「ふぅ、美味しかった!侑哉は本当に料理が上手ね!ちなみに、おせちは作ってくれた?」

 

「いくらなんでもおせちを作る暇はなかったから、買ってきたよ」

 

「そっか、ならしょうがないわね…あ、そうだ、侑哉…ちょっと待ってて」

 

花恋はそう言って、部屋へと向かっていった。

 

どうしたんだ?花恋のやつ…

 

そんなことを思いながら、しばらく待っていると部屋から花恋が出てきた。

 

「どう…?」

 

俺にそう聞く、花恋は黒を基調とした晴れ着を身に纏っていた。

 

その晴れ着は花恋の栗色の長い髪とも合っていて、素直に似合っているなと思った。

 

「あ、うん…似合ってるよ」

 

「あれ、もしかして見惚れてた?」

 

「いや、それは……うん、見惚れてた、かな?」

 

「照れちゃって、可愛いわね!侑哉…」

 

そう言って、花恋は俺の頭を撫でてきた。

 

「ちょっ!花恋?」

 

「もっとこうしてあげようか?」

 

「いや、良いって!」

 

ピンポーン!

 

「あ、誰か来たみたいだね…ちょっと出てくるよ」

 

誰かはわからないけど、良いタイミングで来てくれた。

 

俺は足早に玄関に向かい、扉を開けるとそこには…

 

「あ、侑哉…明けましておめでとう!今年もよろしくね!」

 

青を基調とした晴れ着を身に纏っている葵の姿だった。

 

その晴れ着は葵によく似合っていて、思わず見惚れてしまう。

 

「どうかした?侑哉…」

 

「あ、いや…よく似合ってて可愛いなって思ってさ…」

 

「そ、そう?ありがとう…」

 

葵は少し照れくさそうに、目をそらした。

 

そんな仕草も可愛くて、少しからかいたくなったけどやめておいた。

 

だって、葵とこうして会えただけで嬉しかったから。

 

「ていっ!」

 

「いたっ…!何すんのさ、花恋!」

 

「うるさい、新年早々イチャイチャしてんじゃないわよ!」

 

頬を膨らませながら不機嫌そうに花恋はそう言った。

 

あれ?いつもの花恋なら逆にからかいそうなものなのにどうしたんだ?

 

「えっと、明けましておめでとうございます…花恋さん」

 

「明けましておめでとう、葵ちゃん…まさか、葵ちゃんも晴れ着だとは思わなかったわ」

 

「はい…せっかくだし晴れ着にしてみようかなと思って…それに、侑哉にも見て欲しかったから…」

 

そう言って、葵は少し頬を赤く染めていた。

 

「そっか…えっと、ここはありがとう、で良いのか?」

 

「お礼を言うことじゃないわよ…でも、ありがとう侑哉…」

 

 

 

「はい、ストップ!イチャイチャするのはここまでにして初詣に行くわよ!」

 

「え…?」

 

唐突な葵の発言に思わずそう聞き返す。

 

「ほら!早く準備しなさい!侑哉」

 

「わ、わかったよ…悪いな葵、ちょっと待っててくれ」

 

「うん…」

 

俺は葵にそう言って、準備をしに部屋へと戻った。

 

/////////////

 

「あのさ、二人共…」

 

「うん…?」

 

「どうかしたの?」

 

俺が尋ねると、上から花恋、葵の順番でそう呟いた。

 

「その…二人して抱きつかれるとうまく歩けないんだけど…」

 

そう、今の俺は花恋と葵に抱きつかれている。

 

あの後、準備をし終えて、初詣に行く途中で花恋と葵の二人に抱きつかれ、今に至る。

 

というのも、歩いていたら急に花恋が抱きついてきて、それに乗じて葵にも抱きつかれて、こうなってるわけなんだけど…

 

「またまた、そんなこと言って、本当は嬉しいんでしょ?」

 

「いや、確かに嬉しくないと言えば嘘になるけど…」

 

実際、悪い気はしていない…ただ、俺の精神衛生上良くない。

 

何だろう、すごいデジャヴを感じるんだけど…気のせいかな?

 

「あれ?侑哉君じゃないですか?」

 

「うん?あ、美月!明けましておめでとう!」

 

「明けましておめでとうございます!侑哉君、それに財前さん…ところで、それはどういう状況なんですか?」

 

俺が妙なデジャヴを感じていると、美月が怪訝な表情を浮かべながらそう聞いてくる。

 

まぁ、そんな顔をするのも無理はないか…

 

「実はさ…」

 

そう、間を置いて、俺は美月にここに至るまでの経緯を説明した。

 

「…というわけなんだ」

 

「…ズルいです…」

 

「は?」

 

「私も侑哉君に抱きつきたいです!」

 

「え?ちょっと待って!どうしてそうなるんだ!?」

 

いや、本当に何でそうなるんだ?

 

「そうよ…どうして葉山さんが侑哉に抱きつくの?侑哉は私の恋人なんだから!」

 

「私も侑哉のお姉ちゃんだし、抱きついても問題ないわよね」

 

「いや、花恋、それは違う気が…というか、二人して力入れないで!色々と当たってるし…痛いよ」

 

両方から柔らかい感触が襲い、それと同時に鈍い痛みが襲う。

 

まぁ、嫌な痛みじゃないから良いんだけど…俺の理性が持つかが心配だな。

 

「そんなの関係ありません!私も侑哉君に抱きつきたい、その気持ちがあれば充分ですよ!」

 

「うん、とりあえず落ち着こうか…」

 

何というか、やたらとみんなテンションが高いんだけど…何でなんだ?

 

…はぁ、今日は色々と疲れそうだな…ははっ…

 

俺はそんなふうに思いながら、神社に向かって歩き始めた。

 

////////////

 

「ふぅ、ようやく着いた…」

 

そうため息をつきながら、列に並ぶ。

 

あの後、結局、美月には後ろに抱きつかれたら本格的に歩けなくなりそうだからと説得して、とりあえず近くを

歩くということで納得してくれた。

 

まぁ、葵と花恋は腕に抱きついたままなんだけどな。

 

しかも…

 

〈見ろよ、あいつ…あんなに可愛い娘を3人も侍らせてるぜ〉

 

〈くそっ!リア充爆発しろ!〉

 

〈あの子達仲良いのね…〉

 

…なぁにこれ?

 

周りの視線が色々と痛いんだけど…いや、中には生温かい視線を向けている人もいるけどさ。

 

何だろうこのギャルゲーみたいな展開…いや、気にしたら負けだな。

 

俺はそう考え、歩き続けた。

 

 

 

「見て!侑哉…色々と屋台が出てるわよ」

 

「確かにそうだな…葵は何か食べたいものとかある?」

 

「そうね…リンゴ飴とか食べてみたい」

 

「私はチョコバナナが食べたいです!」

 

「私はたこ焼きかな?」

 

「いや、美月と花恋には聞いてないんだけど……まぁ、良いか…それじゃあ、お参りすませたら買いに行こうか」

 

俺がそう言うと、3人共元気よく返事を返してくれた。

 

それにしても、3人共晴れ着なのに俺だけ普通の服ってすごい違和感があるな…

 

ちなみに、美月の晴れ着はピンクを基調とした晴れ着で、美月の明るさをそのまま表しているような感じがした。

 

それに、髪型もいつものショートポニーではなく髪を下ろしていて、少し新鮮だ。

 

「うーん、俺も晴れ着とか着てくるべきだったかな…」

 

「そう?別に気にしなくても良いと思うけど…」

 

「葵ちゃんの言う通りよ、侑哉はそのままでも十分カッコいいから!」

 

「花恋さん、私の言おうとしたことを言わないでください!」

 

葵と花恋が俺を挟んで言い合いをしている。

 

いや、本当にどうしよう…

 

「そろそろ順番ですから二人共侑哉君から離れてください!このままじゃみんなお参りできませんよ!」

 

俺がこの状況をどうしようかと頭を悩ませていると、美月が助け船を出してくれた。

 

美月、ナイス!

 

思わず心の中で美月にサムズアップする。

 

美月の言ったことが本当だとわかったのか、二人共しぶしぶといった感じで俺から離れた。

 

「ありがとう」

 

口の動きだけで、美月にそう伝えると、それに答えるように、どういたしまして、と口の動きだけで返してくれた。

 

 

そうして、俺達の順番が回ってきてさっそくお参りする。

 

まぁ、何をお願いするかはもう決まってるけどな。

 

俺は自分のお願いを心に思い浮かべながら、参拝をした。

 

/////////////

 

「さぁ、おみくじ引くわよ!」

 

「大吉が出ると良いんですけど…」

 

お参りが終わり、花恋と美月はおみくじの前でそんな会話を交わしている。

 

おみくじか…俺も後で引いてみるかな。

 

「…侑哉、ちょっと来て」

 

「葵…?」

 

俺が後でおみくじを引いてみようかと考えていると、葵に後ろから袖を引っ張られた。

 

「良いから、早く来て…」

 

「…わかった」

 

葵に促されるまま、歩き始める。

 

そして、そのまま歩き続けていると、ふと葵が立ち止まった。

 

「葵、どうかしたのか?」

 

「侑哉…」

 

そう呼ぶと同時に葵に抱き寄せられ、唇が触れあった。

 

葵の唇の柔らかい感触が襲い、キスされたとすぐにわかった。

 

「やっと、二人きりになれた…」

 

そう言って、葵は照れくさそうに俺を見つめる。

 

確かに、今日は花恋や美月も居て葵と二人きりになる機会がなかった…だから、葵は…

 

「何かごめんな、葵…」

 

「謝らなくても良いわよ…でも、その代わり…」

 

そう言って、葵は俺の手にそっと手を絡めてくる。

 

「もう少しだけで良いから、二人きりで居させてくれない?」

 

葵は頬を赤くしながら上目遣いでそう聞いてきた。

 

本当にズルいな、葵は…そんなふうに見つめられたら断れるわけがない。

 

まぁ、元々断るつもりなんてないけどな。

 

「うん、構わないよ…それじゃあしばらく二人で色々と回ろっか!」

 

「うん…!」

 

そんなふうに会話を交わして、葵と恋人繋ぎをしながら一緒に歩き始めた。

 

「そういえば、侑哉は何をお願いしたの?」

 

「ここで言わなきゃダメか?」

 

「言いたくないなら無理には聞かないけど…」

 

「……これからも葵と一緒に居られますように、ってお願いした」

 

「え…!」

 

俺の言葉に、葵がそんな声を漏らす…

 

その表情はどことなく嬉しそうに見えた。

 

「葵の方は?」

 

「私も侑哉と同じよ…これからも侑哉と一緒に居られますようにって…」

 

そう言って、葵は嬉しそうに笑った。

 

まさか、葵も俺と同じお願いごとをしてたなんてな…何か嬉しいな。

 

「二人して、同じ願いごとをしてたなんて不思議な気分だな…」

 

「ふふっ!確かにそうね…」

 

「…なぁ、葵」

 

「どうかした?」

 

「来年もこんなふうに初詣に行こうな」

 

「うん…!」

 

葵はそう言って、笑った。

 

やっぱり、葵には笑顔が似合うな……今年もこんなふうに葵の笑顔が見れたら良いな。

 

俺はそんなことを思いながら歩き続けた。

 

 




といった感じの特別編でした!

そういえば、1月13日に新しいパックが出ますね!サイバースやトリックスターの新しいカードも出るみたいですし、発売されるのが今から楽しみです!

それでは、今回はここまで、ここまでの拝読ありがとうございます!


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