遊戯王VRAINS 幻影の咆哮~青き天使との日常~   作:kajoker

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第18話です!

今回から少し原作に入っていきます!本格的に入るのは次回からになりそうですが…

それでは、本編をどうぞ!


第18話 デュエル部にようこそ

夢を見ていた、私にとっては悪夢と言っていい。

 

目の前に居るのは、playmakerや葉山さん、そして花恋さん達に囲まれている侑哉の姿。

 

その侑哉の目には私は映っていなくて、声を掛けても何も返事が返ってこない。

 

そして、そのまま何処かに消えていってしまった。

 

ーーーー待って!侑哉…

 

「行かないで!」

 

目を覚ますと、そこには見慣れた私の部屋の景色が広がっていた。

 

「はぁ…はぁ…!ゆ、夢?」

 

私のさっきまで見ていたものは夢だったの…?

 

「…夢で良かった…でも、なんであんな夢を…」

 

考えても答えは出なくて、結局はただの夢だと結論づけた。

 

「…侑哉に電話してみようかな」

 

こんな朝早くに電話に出てくれるかはわからないけど、今は侑哉の声が聞きたい…

 

私はそう思って、侑哉へと電話した。

 

『葵か?こんな朝早くにどうしたんだ?』

 

私が電話を掛けてから、しばらくして侑哉の思ったよりもはっきりした声が聞こえてきた。

 

その声を聞いただけで、なんだか気持ちが楽になる。

 

「おはよう、侑哉…もしかして起きてた?」

 

『うん、なんか急に目が覚めてさ…今さら寝る気も起きなくて、デッキを眺めてたよ』

 

「ふふっ、侑哉らしいわね…」

 

『そうかな…?それでどうしたんだ?何かあったのか?』

 

「特に何も……何となく侑哉の声が聞きたくなって…」

 

『そっか…特に問題がないなら良いけどさ…何か悩みがあるなら相談してくれよ』

 

「うん、ありがとう…侑哉」

 

侑哉はきっと私に何かしらの悩みがあることに気づいているんだと思う。

 

それでも、無理に聞き出さずに私から話すのを待っていてくれている。

 

「……実は、嫌な夢を見たの」

 

『嫌な夢ってどんな?』

 

「侑哉が私のそばから居なくなっちゃう、そんな夢を見たの…」

 

『なるほどね…』

 

侑哉は納得したようにそう呟いて、言葉を続けた。

 

『俺は葵が見た夢の内容について具体的にはよくわからないけど、俺が葵のそばから居なくなるなんてことはないよ』

 

そう言う侑哉の声は優しくて、聞いているだけで何だか安心できた。

 

「…ありがとう、侑哉…おかげで元気になった!」

 

『それなら良かったよ…それじゃあ、せっかくこうやって電話してるんだしもう少し話そっか!』

 

「うん…!」

 

その後、侑哉と朝食を食べるまで他愛ない会話を交わした。

 

/////////////

 

『おい、遊作』

 

「何だ?」

 

『財前葵が来るまでここで待つつもりか?』

 

「当然だ」

 

授業が終わり、財前葵が現れるのを待っているとAiが不満げな声を漏らした。

 

俺だって、好きでこんなことをしているわけではない。

 

昨日、草薙さんとブルーエンジェルの正体は俺と同じ高校に通う財前葵だと突き止め、その兄はSOLテクノロジー社のセキュリティ部長である財前晃だということも突き止めた。

 

そして、彼女から情報を引き出すことができればハノイの騎士の糸口を見つけることができると考えたのだが…

 

『なかなか来ないな、もう帰ったんじゃないのか?』

 

「お前は財前葵を探すことに集中しろ」

 

『へいへい、分かりましたよ』

 

しぶしぶといった感じで、Aiがそう口にした。

 

確かにAiの言った通り、財前葵がすでに帰宅している可能性もある。

 

まぁ、その時はその時で考えるとしよう。

 

『お、見つけたぞ!財前葵だ!』

 

「見つけたのか?」

 

俺が財前葵が帰宅した可能性について考えていると、Aiの声が聞こえた。

 

噂をすればなんとやら、というやつか。

 

 

『おう!あそこに居るぞ…うん?財前葵の隣に居るのって…』

 

Aiの言う方向に目を向けると、そこに居たのは財前葵と…

 

「あれは、侑哉か?」

 

財前葵と楽しげに会話している黒髪の少年、神薙侑哉の姿だった。

 

『あの二人って仲良いんだな、あんな楽しそうに会話してるし』

 

「確かにそう見えるな…とりあえず、後を追うぞ」

 

そうして、後をつけていると、ある部屋の前で止まった。

 

「うん?」

 

そして、何を思ったのか侑哉が後ろを振り返った。

 

「まずい!」

 

侑哉が振り返るのを見て慌てて近くの物陰に身を潜める。

 

「どうかしたの?侑哉」

 

「今、誰かが見てた気がして……う~ん気のせいか?まぁ、良いや、とりあえず中に入ろっか!」

 

「そうね…」

 

 

「ふぅ…なんとかやり過ごしたか」

 

『危ないところだったな』

 

侑哉達が中に入ったことを確認し、物陰から出て部屋の前へと歩を進める。

 

「DUEL CLUB…?」

 

そう呟くと同時に、目の前の扉が開かれた。

 

そこに居たのはさっき部屋に入っていった侑哉だった。

 

「…あれ?遊作じゃんか!どうしたんだ、扉の前でボーっとして…もしかして、入部希望?それなら大歓迎だよ!」

 

「いや、俺は…そういえばここは何かの部室なのか?」

 

「あぁ、ここはデュエル部の部室だよ」

 

「デュエル部…あぁ、ここ、デュエル部の部室か」

 

「そうそう!立ち話もなんだし良かったら見学していけば?」

 

目をキラキラさせながら、侑哉はそう言った。

 

侑哉には悪いが、俺はデュエル部に入りに来たわけではない。

 

そう思い、断ろうと口を開こうとすると…

 

『あぁ、そうさせてもらうよ!』

 

「なっ…!」

 

「やったぜ!おーい、みんな、見学者が来たよ!!」

 

俺、いや正確に言えば俺の声を真似たAiの言葉を聞いた侑哉はさっきよりもさらにテンションを上げて部屋へと戻っていった。

 

「お前…!」

 

『ふん!』

 

反省の色はなしか…しかし、こうなってしまってはどうしようもない。

 

俺はそう考え、デュエル部の部室に入っていった。

 

 

///////////////

 

「そういえば、侑哉と藤木君って知り合いだったの?」

 

「うん、行きつけの店でよく会ってさ…そこから仲良くなったんだよ」

 

「ふ〜〜〜ん、そうなんだ…」

 

「いや、何で俺をジト目で睨み付けるのさ…」

 

「教えない」

 

「……今度一緒にその店に行く?そこの店のホットドッグ、すごい美味しいんだよ!葵も気に入ると思う」

 

「…そうね、それじゃあ一緒に行きましょうか!もちろん、侑哉の奢りでね!」

 

「はいはい、わかったよ」

 

 

「何ですか!!この茶番!!イチャイチャするなら別のところでしてくださいよ!!」

 

侑哉と財前の会話に、一人の少女がそうツッコミにも似た叫びをあげる。

 

確か、葉山って言ったっけ……その意見に賛成だ。

 

目の前の何とも言えない雰囲気は俺ですらわかるほど甘い。

 

「なぁ、島…」

 

「あぁ、お前の言いたいことはわかるぜ、藤木…でもいちいち気にしてたら身がもたねぇぞ」

 

「あ、あぁ…」

 

どうやら、この部ではこれはよくある光景のようで、部長の細田さんは気にせずミーティングを始めようとしている。

 

侑哉に半ば強引に見学に参加させられて、互いに軽く自己紹介をした後に急にこんな雰囲気になってしまい、正直、困惑している。

 

『あれだな、リア充爆発しろ!って奴だな』

 

「お前は少し黙っていろ」

 

周りに聞こえない程度の声でAiを黙らせる。

 

幸いにもミーティングが始まっていたため、俺達の声に耳を傾ける人物はいなかった。

 

……それにしても

 

目の前には財前のデッキ調整に付き合っている侑哉の姿…その表情はとても楽しげで、それにつられているのか、財前もとても楽しげな表情をしていた。

 

本当に仲が良いな、この二人…もしかして、侑哉に頼まれれば、財前葵は意外と簡単に情報を教えてくれるんじゃないのか?

 

…いや、止めておくか、そもそも侑哉がそんなことを許すとは思えないしな。

 

あいつとは最近知り合ったばかりだが、誰かを裏切るような人間じゃないというのはわかっているつもりだ。

 

「…別の方法を考えるか」

 

俺のそんな呟きは他の誰にも聞こえず、消えていった。

 

 

 




といった感じの第18話でした!

リンクヴレインズボックスを買った結果、ブルーエンジェルのスリーブをゲットできました!!

そのおかげで1日中テンションMAXでしたよ!

そのせいで、『ブルーエンジェルのスリーブを当てられるなんて僕は何て幸運なんだ!!』(ネットリ)と叫んでしまいました。

わかる人にしかわからないネタを言ったところで、今回はここまでとさせて頂きます!

ここまでの拝読ありがとうございます!


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