遊戯王VRAINS 幻影の咆哮~青き天使との日常~   作:kajoker

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第12話です。
久しぶりの1話丸々のイチャイチャフェイズです!
1話丸々のイチャイチャフェイズを書くのは久しぶりなのでおかしなところがないか心配ですが楽しんで頂ければ幸いです!

それでは、本編をどうぞ!


第12話 お家デート

「今日は色々とありがとな、葵!」

 

「気にしないで、私がやりたくてやったことだし…」

 

授業とデュエル部の活動も終わり、葵と一緒に帰路に着く。

 

今日は本当に葵に世話になりっぱなしだ…ノート取りも任せちゃったし、手づくりの弁当まで作ってくれた。

 

あぁ…この埋め合わせは本当にしっかりしないとな…

 

「どうかしたの?侑哉」

 

「いや、今日の埋め合わせはきっちりしないとなって、思ってさ…」

 

「そんなに気にしなくても良いわよ…」

 

「葵が気にしなくてもこっちが気にするんだよ」

 

「そう……じゃ、じゃあこうしない?その、良かったら…今日は私の家に来ない?」

 

「え…?」

 

葵の提案に思わず聞き返す。

 

「ほ、ほら!放課後デートみたいな…そういうことしたいなって…」

 

葵は頬を朱色に染めながらそう言った。

 

「放課後デートか…そうだね、そうしよっか!」

 

「ありがとう、侑哉…それじゃあ、行きましょうか」

 

そう言って、葵はそっと俺の手を握ってくる。

 

俺はそれに応えるように、葵の手を握り返し、葵の家へと歩を進めた。

 

//////////////

 

 

「お、お邪魔しま~す…」

 

「そんな遠慮がちに入らなくても…初めて来るわけじゃないんだし…」

 

「まぁ、そうなんだけどさ…」

 

確かに葵の家には何度か入ったことはあるから、遠慮する必要はないんだけどさ…何か遠慮しちゃうんだよな。

 

でも、葵も遠慮しなくても良いって言ってるし、そうさせてもらおうかな…

 

「さぁ、上がって!」

 

「それじゃ、お言葉に甘えて…」

 

葵に促され、家の中へと上がる。

 

〔アオイチャン、オカエリナサイ〕

 

家に上がると、葵の家のロボットが出迎えてくれた。

 

そういえば、初めて葵の家に来たときはこのロボットが出てきてびっくりしたっけ…

 

〔ユウヤクン、イラッシャイ、ユックリシテイッテネ〕

 

「おぉ!俺のことを出迎えてくれてるのか」

 

前に来たときは特に出迎えなんてされなかった気がするけど……色々とアップデートされたのかな?

 

俺はそんなことを思いながら、部屋のソファへと腰掛けた。

 

「待ってて、今お茶を入れるから」

 

「ありがとう、葵…」

 

そういえば、葵と付き合ってから初めて家に上がってるんだよな…何か不思議な感じだな。

 

前に来たときはそんな風に感じなかったのにな…やっぱり、環境が変わったからかな?

 

「お待たせ、侑哉!」

 

「お、ありがとう!」

 

俺がそんなことを思っていると、葵が麦茶を持ってきてくれた。

 

葵の持ってきてくれた麦茶を手に取り、そのまま口へと運ぶ。

 

「ふぅ、麦茶ってこんなおいしかったっけ?」

 

「喉が乾いてたんじゃない?そういう時って飲み物もおいしく感じるし…」

 

「確かに、そうかもな…」

 

まぁ、単純に葵と一緒にいるからかもしれないけど…

 

俺がそんなことを考えていると、葵が俺の肩へともたれ掛かってきた。

 

「ねぇ、侑哉…こういうのってお家デートって言うのかな?」

 

「…言うんじゃないか?実際、家でデートしてるわけだし…」

 

「やっぱり、そうよね…お家デートか、こういうデートも悪くないわね」

 

「そうだね、じゃあ今度は俺の家でやってみる?お家デート…」

 

「うん、やってみたい…でも、花恋さんもいるし、大丈夫かな?」

 

「まぁ、姉さんのことだから邪魔はしないと思うけど…」

 

ただ、俺と葵のやりとりをこっそり見て、葵が帰ってからひたすらからかってくる可能性があるな。

 

……それはちょっと勘弁してほしいな…まぁ、俺が気にしなければ良いだけか。

 

「それじゃあ、決まりね!」

 

「あぁ、そうだね!」

 

俺の家でデートか…帰ったら部屋をキレイに片付けておかないとな。

 

といっても、そんなに散らかってるわけじゃないし、多少は楽かな?まぁ、キレイにしておくに越したことはないな。

 

「ねぇ、侑哉…ちょっとこっちを見てくれない?」

 

「うん?あぁ、別に構わないけど…」

 

葵にそう促され、隣に顔を向ける。

 

「急にどうし……んっ!?」

 

突如として口元に柔らかい感触が襲い、目を閉じている葵の顔がすぐ近くにあることに気付いた。

 

え!?どういう状況?何がどうしてどうなったの!?もしかして、キスされたのか…?

 

「あ、葵!?いきなりどうしたんだ?」

 

「どうしたって…侑哉にき、キスしたの…」

 

俺の質問に葵は顔を真っ赤にしながらそう答えた。

 

やっぱり、キスされたのか…やばい、さっきから心臓がバクバクしてる。

 

これは反則だって、葵…

 

「もしかして、嫌だった?」

 

「いや、全然嫌じゃないよ…不意打ちだったからちょっと驚いてさ…いや、ちょっとどころじゃないな、すごく驚いた」

 

多分、今、俺の顔も真っ赤になってる…すごい顔が熱いし…

 

「そう…なら、良かった…」

 

「それじゃあ、今度はこっちから…」

 

「え…?……んっ!?」

 

今度は俺の方から、葵の唇にキスをする。

 

「さっきのお返しだよ……あぁ、でもこれ結構恥ずかしいな…」

 

「うん、確かに…でも、何か嬉しいな…だってこれが私のファーストキスだから…」

 

「そうだったのか……それは俺としても嬉しいかな」

 

俺は少しそっぽを向きながら、そう呟いた。

 

「ふふっ、侑哉…大好き…」

 

「俺も大好きだよ、葵…」

 

俺の照れが混じった言葉を聞いた後、葵はまた俺の肩へともたれ掛かってくる。

 

そうして、そのままそっと手が触れた。

 

俺はその手を握り、そっと指を絡めてその手を握った。

 

「………」

 

「………」

 

静寂が辺りを包む、でも嫌な沈黙じゃなくてずっとこうしていたい…そんなことを思うぐらいに心地が良かった。

 

「侑哉、その…良かったら、何だけど…」

 

「うん?どうしたんだ?」

 

「今日、家に泊まっていかない?」

 

「……はい?」

 

「だ、だから!今日は私の家に泊まっていかない?」

 

「え!?いや、構わないけど…どうしたんだよ急に」

 

「侑哉と今日は離れたくないなって…思って…」

 

それは今まさに俺が思っていたことと似ていて、思わず笑みが零れた。

 

「…わかったよ、それじゃあ今日は葵の家に泊まらせてもらうよ」

 

「ありがとう、侑哉…」

 

葵は安心したような表情をしながら、そう言った。

 

「そういえば、泊まり用の服とか一切持ってきてないんだけど、俺…」

 

「大丈夫よ…こんなこともあろうかと思って、侑哉の着られそうな服を用意しておいたから!」

 

「お、おう…」

 

何というか、準備が良いな…いつの間に用意してたんだ?

 

まぁ、ありがたいっちゃ、ありがたいか。

 

「あ、そうだ!ちゃんと姉さんに連絡しとかないと…ちょっと待っててくれ」

 

「わかったわ…」

 

俺は、そう言って席を立った。

 

///////////////

 

「というわけで、今日は葵の家に泊まるから」

 

『なるほどね~、葵ちゃんも大胆ね!侑哉に自分の家に泊まっていってほしいなんて』

 

「はいはい、それよりもそっちは大丈夫なのか?」

 

『大丈夫、侑哉は心配性ね…こっちのことは良いから葵ちゃんと思う存分イチャイチャしてきなさい!』

 

「イチャイチャしてこいって……まぁ、良いや、それじゃあそろそろ葵のところに戻るよ」

 

『わかったわ!侑哉、葵ちゃんを襲ったりしないようにね!』

 

「そんなことしないから!!ほんと、姉さんは…」

 

『ごめんごめん、それじゃあね!』

 

そう言って、花恋は電話を切った。

 

やれやれ、相変わらずだな花恋は…さて、葵のところに戻るかな。

 

俺はそう思い、葵のところに向かって歩を進めた。

 

//////////////

 

「………」

 

「………」

 

「~~~~~っ!!」

 

言っちゃった!!侑哉に私の家に泊まらないかって言っちゃった!!

 

侑哉が席を立ってしばらくして、私はさっき言ったことを思い出して、赤面していた。

 

侑哉と今日は離れたくなくて、泊まらないかって言っちゃったけど…侑哉に変に思われてないかな?

 

「もし、そうだったら立ち直れない…」

 

私がそんなふうに一人で落ち込んでいると、花恋さんへの連絡を済ませたのか、侑哉が部屋に戻ってきた。

 

「お待たせ、葵…姉さんも泊まって良いってさ」

 

「そ、そう…なら良いんだけど…」

 

「どうかしたのか?何か元気ないみたいだけど」

 

「そう、見える?」

 

「うん…」

 

どうやら、侑哉にはお見通しみたいね…私もわかりやすいのかな?もし、そうだったら私も侑哉のことは言えないわね。

 

「…急に泊まっていかないか、なんて言われたから侑哉が嫌がってるんじゃないかって気になって…」

 

「うん?何で嫌がるんだ?」

 

「え…?」

 

「だって、好きな人と一緒に居られるのに嫌がる奴なんかいないだろ…それに俺も葵ともっと一緒に居たいって思ってたし」

 

侑哉はさも当然のようにそう言った。

 

そのことが何だか嬉しくて、思わず笑みが零れた。

 

侑哉はきっと、ただ思ったことを言っただけなんだろうなぁ…でも、それが私にとっては嬉しくて、さっきまで落ち込んでいたのが馬鹿みたいに思えてくる。

 

「ふふっ、ありがとう、侑哉…やっぱり侑哉は侑哉ね」

 

「ん?そんなの当たり前だろ…俺は俺なんだからさ」

 

「うん……ねぇ、侑哉…」

 

「どうかしたのか?」

 

「今日はたっぷり甘えさせてもらっても良い?」

 

「…あぁ、構わないよ」

 

「ありがとう……それじゃあ、まずは一緒に買い物に行こ!今日は侑哉もいるから夕飯の材料も買ってこないといけないし」

 

「そうだな…さすがに泊めてもらって、何もしないわけにはいかないし、今日の夕飯は俺が作るよ」

 

「侑哉の料理…食べてみたいわね、何にするの?」

 

「それは店に行ってから決めるよ、それじゃあ、行こうか!」

 

「うん…!」

 

侑哉とそんな会話を交わしながら、スーパーに向かう準備を進める。

 

今日は侑哉ともっと一緒に居られる、そのことを嬉しく思いながら…

 

 

 

 




といった感じの第12話でした!

そういえば、もうすぐエクストラパックの発売日ですね!海外のテーマってとんでもないものが多いですよね…

SPYRALとか動画とかでしか見たことないですけど、回り方がおかしいですよ…

それでは今回はここまで、ここまでの拝読ありがとうございます!




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