僕の名前は緑谷出久。"無個性"である僕はオールマイトの"個性"、ワン・フォー・オールを受け継いだ。そのおかげで僕もヒーローへの道が開けた。それからというもの、頑張って身体を鍛え続けている。
今も自室で鍛えながら、テレビをみているととんでもないニュースがあった。
『本日、最年少で国際ヒーロー免許を習得した二人の女の子が来日しました』
テレビに移されているのは小さな女の子二人。一人は茶髪のショートカットで、もう一人は金髪の長いツインテール。どちらも小学生くらいだ。
『どちらも飛び級で大学を卒業しているそうですね』
『はい。それも軍大学ですね』
『軍大学ということは軍人でもあるということでしょうか?』
『そうなります。国内と加盟しているEUでの活動がメインですね。もっとも、そのうちの一人は日本国籍を持ちながらも留学を認められたようですが。その時の契約で数年はかの国で活動するとのことでしたが、その契約が終わったようで帰国となったみたいです』
『しかし、最年少とはいえ……その実力はどうなのですか?』
『かなり強いですよ。なにせ一人はその力から二つ名が
『殲滅者ってどれだけなんですか』
『彼女がでてきたのは数年前ですが、戦場で数千の敵を容赦なく殲滅する広範囲攻撃を使うことからつけられた名ですね。まあ、二人で行動するようになってきてからですが、ヒーローネームは星光と雷光です』
ヒーローネーム、雷光と星光を名乗っているけれど、どちらも殲滅者が後ろにつくほど
『黒と赤の魔法少女。そう呼ばれています』
『これ、どちらがどちらなんでしょうか?』
『黒の魔法少女が雷光で、赤の魔法少女が星光ですね。黒の魔法少女はかの有名なヴァルゼライド総統のお弟子で、おそらく彼女が総統の娘でしょうね』
『では、あちらの茶髪の子が日本国籍の子ですか?』
『え? 違う? 申し訳ございません。茶髪の子が総統の子で、金髪の子が総統の弟子のようですね。日本国籍は金髪の子のようです』
普通は逆だと思うよね。日本人だったら茶髪の子の方があってる。それにしても、すごく強いみたいだ。この年齢ですでに国際免許を持ってるなんて。ヒーロー国際免許は国連に加入している国ならどこでもその免許が使える。その為、とても厳しい試験がある。また、偉い人の後ろ盾がないと取れない。そもそも、もしヒーローが問題を起こせば国際免許は発行した国にも責任がいく重大な免許だ。ちなみにコネでは取れない。確かに推薦はコネクションがいるが、その後は国連が主導するとても難しい試験を超えないといけない。少なくとも最低で五カ国の言語を話て書けないと駄目だからだ。合格者は世界中で1000人いるかいないかだ。ヒーローの最高峰といえる。ちなみに日本ではオールマイトとエンデヴァーが習得している。
『しかし、魔法少女ですか? なんだかアニメみたいな話ですね』
『はい。彼女達は魔法陣をわざわざ構築したり、見た目にもこだわっているんですよ。こちらが戦闘の映像です』
画面には金色の閃光が無数に走って、多数の
『すごく速くないですか?』
『本気だともっと速いらしいですよ。この2人、軍大学ではよく模擬戦をしていたみたいで、有名らしいです』
『その映像は……?』
『入手できませんでした。まあ、軍施設ですからね』
それは仕方ないよね。でも、ヒーローとしてはすでにトップクラスっていうところなんだろう。すごいや。
『さて、空港に中継が繋がりました』
『はい。こちらでは今、降りてくるようです』
到着した飛行機から降りてくる二人の女の子。このまま報道陣のところまでいくかと思ったら、二人共、かかりの人に何かを話したら空を飛んでいった。
『あれ?』
『あ~どうやら、ここからは飛んで移動するようですね。ヘリで追ってるそうなので……あ、速度が違いすぎますね』
『瞬く間に消えていきましたね』
『おそらく、あのまま大使館に移動するのでしょう。そこで生活するかはわかりませんが、しばらく張り込んでみようと思います』
『お願いします。それにしても可愛らしい少女達ですね』
『ええ。ですが、実力は高いです。これからはオールマイトの活躍と共に期待がもてます。若い人がどんどんでてきてますからね。まあ、彼女達は若すぎるのですが。資料を見る限り、12歳以上なのは確実なんですけどね』
『小学生低学年くらいにしか見えませんが……』
『成長が遅いのか、他に原因があるのかはしりませんが、年齢はそうなっています。まあ、あちらで数年すごしているのですから、当然ですね』
同い年なんだ。どう見ても年下にしかみえない。彼女達が僕達の先輩だ。そういえばオールマイトが紹介したい子がいるっていってたな。
「出久、ご飯よ!」
「はーい!」
ご飯を食べて、学校へと向かう。今日も一日頑張ろう。日々、ヒーローを目指すために頑張らないと。まずは"個性"をコントロールすることからだけど。
しかし、僕達はその日の授業で恐ろしい目にあった。レスキュー訓練でやってきたウソの災害や事故ルーム、略してUSJで
「さあ、まだやるかい?」
「どうしますか死柄木?」
「ちっ、ゲームオーバーだ。撤退するぞ」
「逃がすと思ってるのか?」
轟君がそんなことをいう。このままワープで逃げられる。でも、あっさりと撤退を選んだ。あんなにむしゃくしゃして、頭を掻きむしっていたのに、手を沢山つけた主犯は冷静に言っている。
「逃がすも逃がさないも、お前達はどうすることもできねえよ。確かに俺達はゲームオーバーだ。だがな、俺達だけだと誰がいった?」
「どういうことだね?」
「どうもこうも、我々は第一陣ということですよ、オールマイト」
「使い捨ての後詰めはちゃんと用意してるんだよな、これが。黒霧」
「はい」
ゲートが開き、そこから数人の女の子だと思われる子がでてきた。彼女達はバイザーを装着し、黒い鎧を着た青髪ツインテールの女の子達。
「その娘達はまさかっ!?」
「オールマイトは知っているよな? なんせ、アンタの娘なんだからよ」
「「「ええええええええっ!?」」」
「あの研究施設で全て破壊したと思ったんだけどね」
「ああ、おかげで遺伝子情報の一部しか持ち出せなかったそうだ。だから、どっちかっていうとクローンのクローンだとよ。まあ、使い捨ての兵士には充分だ。命令だ。殺せ」
青いツインテールの女の子が大鎌と大剣を構えて、僕達に突撃してくる。その間に連中は悠々と撤退していった。絶望的な状況だけど、先生達が到着した。
「目標の増援を確認。排除する」
彼女達はすごい速さで先生達に襲い掛かっていく。僕はその間に急いでオールマイトに駆け寄っていく。
「オールマイトっ!」
「緑谷少年。無事だったか」
「はい。でも、オールマイトはもう時間が……」
「ああ、そうだね。このフォームを維持するのが限界だ。そして……」
すぐ近くに青いツインテールの女の子が青色の雷を放ってくる。
「ぐぅっ!?」
オールマイトがボクを庇ってくる。しかし、オールマイトはすでに限界で、姿が戻ってしまった。幸い、他の人にはばれていない。こうなったら、僕がやるしかない。
「ああああああああああああああああぁぁぁぁぁっ!」
「待ちたまえ緑谷少年っ!」
足を壊して全力で加速して突撃する。同時に拳を放つ。しかし、相手は微かに首を傾げただけで、壊せたのはバイザーだけだ。そして、そのまま綺麗な無表情な顔にみられながら大鎌が僕の頭を切り落とすために振るわれる。
怖くて怖くて、これで終わりだと思うと身体が震えて眼を瞑ってしまう。でも、その時に轟音が響いた。
「え?」
「オールマイト、空から女の子が……」
「そうだね。しかし、君は結構余裕だな」
「そうだったっ!」
慌てて青髪のツインテールの女の子を殴り飛ばそうとするが、その女の子はすでにいなかった。降りてきた女の子、金髪ツインテールの女の子に殺到したのだ。
「危ないっ!」
僕が叫んだら、彼女はこちらを見た。その瞬間、そらから赤い光が無数に降ってきて、それらが青髪の女の子の手足を触れるそばから消していく。
「なに、あれ……」
「上だよ」
オールマイトの声に従って上をみると、遥か上空に一人の女の子が魔法陣みたいなものを展開していた。
「オールマイト、あれは……?」
振り返るとオールマイトはいなかった。
「オールマイト!?」
ボクが慌てている間にも事態が動く。
「さて、投降してください。貴女達に勝ち目はありません。大人しく投降すれば命と身の安全は国際条約に乗っ取り、保証させていただきます」
「ただし、投降しない場合は身の安全は保証できません。どうやら、投降の意思はないようですね。殲滅しますか、フェイト」
一部の人が攻撃を開始し……というか、青いツインテールの女の子は止まる気配すらない。
「できるかぎり殺しちゃ駄目だよ。日本ではヒーローは捕まえることが前提だから」
「国際条約に則って、降伏勧告は行いました。ですので、国際条約のテロリストに対する条約を適応します。日本も加盟国ですから」
「シュテルってその辺りは容赦しないよね」
「民の安全を脅かす
「その辺りはヴァルゼライドさんの娘だってわかるよ。さて、時間だね。いこうか」
「はい。私が敵を排除します。フェイトは救助をお願いします。パイロシューター」
「了解」
緋色の雨が降り注ぎ、金色の閃光が走り回る。身体に衝撃を感じたと思ったら、すでに入口にみんなと先生達に囲まれていた。
「やれやれ、アレが秘蔵っ子達ですか」
「そのようだな……」
「アッハッハッハ、相手になってないね」
たった二人の女の子が、沢山の数がいる
「先生、あの子達って……」
「あの子達は新しい君達の先生であり、生徒だよ」
「え?」
「聞いてませんよ」
「いや~彼女達から打診があったんだよ。雄英高校で教師をしたいって。で、校長であるボクは言ったんだ。生徒もするんだったらいいよって。だって、彼女達、どうせまともな学生生活なんて送ってないしね」
「本音はなんですか?」
「我が校のレベルをあげられるし、なにより彼のサポートをしたいって言われたらね。ボクには親を思う娘の気持ちを無下には出来ないさ」
「彼女達は優秀だ。自らこちらに来てくれたのだから喜ぶべきだ」
「問題は、あの子達って基本的にヒーロー兼軍人だからか、いざとなったら殺すことも躊躇しないんだよね。実際、日本以外では認められているところもあるし」
「法律的に文句言えないように国際条約をだして、投降まで呼びかけやがったからな」
「それを生徒に真似されたら困るんだよ」
どうやら、二人の魔法少女は劇薬でもあるみたいだ。でも、こんな間近でみられるのは運がいい。掲示板とかで自慢できるレベルだ。惜しむべきは録画できないことか。でも、能力の考査はできる。しっかりと覚えないと。
「やべーなんだよ、あれ。完全に俺の上位互換じゃん!」
「くそがっ!」
「……」
上鳴君と、かっちゃんと、轟君がなんともいえない表情をしていた。
青いツインテールの女の子はいったい誰なんだろう(ぁ
フェイトmarⅡ量産型
"個性" 青い雷
戦闘能力 先生達よりちょっと下。ただし、数が多く、連携をしてくる。攻撃を喰らうとスタンする。
「本当のボクは強いぞー! オリジナルなんかに負けないんだから!」