ーー翌日ーー
朝。昨日はずっと同じ姿勢で調べものをしていたので、体の節々が痛む……というか違和感がある。因みに、委員長の部屋は凄くいい香りでした。
……いけない。明日は多分、アメロッパまでスカイウェーブを使って行くことになるだろうから、疲れを残さないためにも体は入念に解しておかないと。それにしても……
「ふぁ~あ、眠い……」
眠いし、微妙に元気が出ない。
「昨日は結構粘ってたみたいだからな……大丈夫なのか?」
「ああ……うん、大丈夫。平気だから」
「そうか……」
ひょっとして、出かける前からホームシックというヤツなのかもしれないな。だって母親があかねさんだし。もう認めるけど、ボクってマザコンだからね、仕方ない。
ーー数時間後ーー
さて、既に日もそこそこに登っている時間だし、そろそろ委員長の家に伺っても失礼にはあたらないだろう。委員長だって女の子(笑)だからね、寝起きは機嫌が悪そうだ。とばっちりはもうごめんだよ……
「……よし、行こうか」
「ああ、あのオンナの家か。確か……『ミステリーワールド』だったか?」
あ、覚えてたんだ。そういうの、あんまり興味ないと思っていたのに。
軽く部屋を掃除し、リビングへと降りる。あかねさんはいつも通り、パートへ行く用意をしているのが確認出来た。やはりこの人には頭が上がらないな。
「それじゃ母さん、行ってきます」
「ええ、行ってらっしゃい……って、アラ?スバル、どうしたの?そんなに浮かない顔をして……」
ヤベッ、顔に出ていたか。ボクもまだまだだな。どうにも険しい表情をしていたらしい。まさか一瞬の邂逅で見破られるとは思っていなかった。
「ううん、なんでもないよ」
つくり笑い。五陽田さんとのやり取りで培った、全く褒められたものではない特技だ。ごく自然に苦笑しているように見える……ハズ。
「そう……?人に話したら楽になるかもしれないわよ?」
疑問系でありながらも、何か確信があって言及しているような声色だ。やはり母親、いや、やはりあかねさんか。この人に即席の演技で隠し事なんて、ちょっと無謀過ぎたと考える方が無難かもしれない。
……ここは、多少ぼかして正直に話した方が吉だろう。
「えっとね…………その、ちょっと失敗しちゃったんだ。それはボクがやったコトの結末なんだけど、ボクだけじゃない、周りの人にも迷惑をかけてしまった。あんなに、ボクを思ってくれたのに…………」
仲良くなった友人に予めわかっている負担を強いるのは辛い……とは言えないよね。これはボクが心の中に留めておくべきことだ。
「…………」
「…………」
これ以上は言えないという意味を込めて、口を閉ざす。それでも、言いたいことの半分くらいは伝わっているハズだ。
「そう……ウフフ」
「?」
「スバルもそういうコトで悩むようになったのね。母さんの知らないトコロで、どんどん大人になっていっちゃう。あーあ、ちょっと寂しいな……」
寂しい、なんて言っているけれど、あまりあかねさんの表情に寂しさは見当たらない。もちろん、幾ばくかの寂しさは感じているのだろうけど、一抹の……というヤツだと思う。
「それは……」
「なんだか……昔ダイゴさんに聞いた話を思いだしちゃうわね」
「父さんの話……?」
「そう……宇宙飛行士ってね、大勢の人の期待を背負って宇宙に飛び立つの。沢山のスタッフ、それを見送る人々、そうした人達の願いを……一身に背負わなきゃいけないのよ。
でね、母さん聞いたコトあるの。『失敗は怖くないの?』って。……だってそうでしょう?沢山の期待を裏切ることになるんだから……」
在りし日のコトを懐かしむように両の瞳を閉じ、胸に手をあてながら子供の寝物語でも語るようにゆっくりと言葉を紡いでいく。自然と聞き入ってしまうような、そんな優しい声だ。
「…………」
「そうしたらダイゴさんは、こう答えたわ。『失敗したっていいんだ。大事なのは、勇気を示すコトだ』って……」
「勇気を、示す……」
確かに、あの人なら言いそうなコトだ。
「そう……どんな困難でも踏み出す勇気……『もし、俺が失敗しても……俺が示した勇気はきっと、他の誰かを勇気づける。そいつがまた失敗しても、また別の誰かを勇気づけてるはずだ。人と人が、勇気によって繋がれる。そうして出来た絆は、とんでもないパワーを生み出すんだ』。ダイゴさんは、そう言っていたわ」
あの妻不孝も、中々いいことを言うじゃないか。絆が生み出すチカラは、決して侮れるものじゃないってことなんだろうな。……まったく、ソロにでも話し聞かせてやりたいくらいの名言ってヤツだよな。こんなん惚れるに決まってるやろ!
「どう?悩みが解決するキッカケになればいいけど……」
「母さん……その、ありがとう」
「ウフフ、それにね?そんなに思い詰めていたら、幸せが逃げちゃうわよ?ミソラちゃんやルナちゃんだって、そんな顔のスバルは……っと、言い過ぎたわね」
言い過ぎた?そりゃあ、万年辛気くさい顔のヤツとは付き合いたがらないだろうけどさ。
…………ゴン太やキザマロは?
「……うん?」
「……まぁ、頑張りなさいってこと!アナタは前よりずっと強くなったわ。少なくとも、母さんはスバルを信じてる。だから、思いっきりやっちゃいなさい!」
「…………!」
もうホントにガチのマザコンでいいかもしれない。あかねさんが優しすぎて前が見えないよ。
……ちょっと目頭が熱くなってきた、かも。
「ほら、男の子が泣かないの。男が下がっちゃうわよ?」
母さんの言葉にハッとして、目元をゴシゴシと拭う。やはり抑えきれなかったらしく、手の甲は部屋に入り込んだ日光を反射して、キラキラと光り輝いていた。
「……うん!それじゃ、行ってきます!」
よし、もう大丈夫。さて、早く委員長の家に行かないと。また大目玉食らっちゃうよ。
「ええ、いってらっしゃい、スバル」
ーーガチャッ!
ーー白金家ーー
「…………来たわね」
昨日ぶりに訪れたボクを迎えてくれたのは、大分顔色の悪い委員長だった。微妙にメイクで隠しているけれど、目の隈は中々隠し通せるものじゃない。
「委員長、大丈夫……?」
「え、ええ……もちろんよ。さぁ、番組はもうすぐ始まってしまうわよ?早く入りなさいな」
多分、ボクを帰してからも一人で情報収集していたのではないだろうか。委員長の様子を見るに、めぼしい情報は得られなかったようだけど。……はぁ。(罪悪感が)辛いよ。
「……っと、そこのソファーにでも掛けてちょうだい」
白金家のリビングへと案内されたボクは、委員長の指示に従って柔らかそうなソファーに掛けることとなった。因みにマテリアルウェーブではない。高級品に間違いはないのだろうけど。
そう言えば、委員長の部屋にはテレビを置いていなかったことに気がついた。恐らく、白金家の教育方針なのだろう。設置されているテレビの型からして、節約ってことはないだろうし。
「さて……それじゃ、つけるわね」
委員長もボクの隣に掛け、いよいよキザマロが出演すると思われる秘境探索系番組、『ミステリーワールド』を視聴する運びとなった。
ーーピッ!
『……~~~、~~~~~~。~~!』
「……うん?」
何やら理解出来ない言語で語りだしたキャスター。アメロッパだから、アメリカだと思って公用語は英語だと高を括ってたのに……こんなの翻訳機無しじゃ無理だろ……と言うか、以前学習プログラムでアイ ハブ ア ペンって練習してたじゃないか!
「アラ、これ外国の番組ってコトを忘れていたわ」
「やっぱり言語が違うよね……」
「……パパが世界中の番組を見たいって言い出して、凄く性能のいいパラボラアンテナを屋上に取り付けたみたいなのよね」
「やっぱり、ちょっと羨ましいなぁ」
「そ、そうかしら?ワタシはあまり興味ないんだけど……って、そ、そんなに見たいんだったら……べ、別に見に来てもいいのよ?」
「あはは……ありがとう。あの、そろそろ翻訳機能の方をお願いします……」
「………………(海外の番組って、ニホンのものより過激なヤツが多いのよね。そ、その……キスしたり……とか……ハッ!ワ、ワタシは何を考えているのかしら!?)」
「おーい、委員長~?」
「そ、そんな…………スバルくんったら……キャ~ッ!」
何か委員長が徹夜明けのヤバいテンションみたいになってるんだけど、一体何時になったら翻訳機能を使ってくれるのだろうか。もうキザマロが出ちゃうんだけど……
「あの、勝手に弄ってるからね?ええっと、自動翻訳機能は……これか」
ーーピピッ!
何とかリモコンで切り替えることに成功し、翻訳されたニホン語が流れ始める。よく見ると、喋ってるキャスターはプロデューサーでもあるキュー出間崎だ。
『……あなたを神秘の世界へと誘う!ドドーン!「ミステリーワールド」!!』
「おっ、始まったよ」
「エヘヘ…………もう、しょうがないわね……」
委員長は疲れているみたいだし、暫く放置しておこう。どうせキザマロが出演すれば、目の色を変えるだろうしね。
『世界中で起こった怪奇現象を、いち早く究明!今週は……ドギャーーーン!!!遂に姿を見せた!「ドンブラー湖」の古代竜、その名も「ドッシー」!!』
ドドーン!とか、ドギャーーーン!!!とかは効果音であり、キャスターが直接言っているワケではない。そらにしても……このキュー出間崎がまったく信用出来ないコト以外は、中々面白そうな番組だ。キャスターが無精髭のおっさんなので、若干汚い絵面なのが珠にキズなのだけどね。
『「ドンブラー湖」で謎の巨大生物が目撃された!直ぐ様現地へと飛んだ我々番組スタッフは、一人の少年と出会った!そしてその少年は……驚くべき真実を、我々に明かしたのだ!!』
そこで画面が切り替わり、ドンブラー湖を背後に映したと思われる場所で問題の少年……キザマロがインタビューを受けていた。
「あ!!」
「もう……どうしたの、スバルくn……って、嘘!?本当に!?」
『ボクは見たんです!湖を悠然と泳ぐ、巨大な影を……!あれは伝説の古代竜「ドッシー」に違いありません!「ドッシー」は本当にいるんです!!』
STAP細胞は……本当にあるんです!!並に眉唾な話なんだけどね、ドッシーって。もう観光資源扱いでいいんじゃないかってレベルで知れ渡っているみたいだけど。
「や、やっぱり……これ……キザマロよね!?」
委員長はやっぱり信じられないとばかりに、あんぐりと口を開けている。嘘だろ承太郎!みたいな雰囲気になってきたな。
「うん!間違いない……キザマロだよ!良かった……」
「で、でも……あのコ、こんな番組に出て何しているの!?ワタシ達には連絡の一つも寄越さないで……!」
うわ、凄く怒ってるぞ。徹夜明けっぽいから、かなり気がたっているようにも見える。障らぬ神に……
「さ、さぁ……?」
「~~ッ!ゆ、許せないわ!!このワタシがこんなに心配しているのに!アイツったら、一体何様のつもりなの!?」
そりゃあ、ドッシー発見者様だけど……って言ったら理不尽な暴力に襲われそう。
……マジギレした美人の怒りは恐ろしいのだ。
「…………」
「スバルくん!!」
「ハ、ハイィ!!」
「迎えに行くわよ!」
「で、ですよね……」
「あのコに帰ってくる気が無いのなら……こっちから迎えに行って、無理にでも連れ帰るわよ!!」
スゲーよ。ぶっちゃけ小学生が思い着く発想じゃない。流石は未来の生徒会長だ……!
「そうと決まればグズグズしていられないわ!早速、『ドンブラー湖』へ向かうわよ!」
「(ああなったら、何言っても聞かねぇぞあのオンナ)」
ロックも、お手上げだぁ……とばかりに老けた老人のようなトーンで降参を勧めてくる。元から反抗する気なんてないんだけどね。
「(わかってるよ。やっぱり、迎えに行くのが一番だ)」
「さぁ、スバルくん!『ドンブラー湖』は何処にあるの!?」
「ええっと……ワールドマップに載っている、かも?」
最新型の端末であるスターキャリアーには、当然のようにワールドマップが搭載されている。検索機能もついているので、割と簡単に探し当てられると思うんだけど……
「それよ!」
ーー十分後ーー
エア・ディスプレイに表示されたワールドマップを、穴が空くほど見つめること早数分、遂にドンブラー湖を発見することが出来た。今はドンブラー湖周辺の情報を集めているけれど、思ったより上手くいきそうだ。
やっぱりリアルブラザーなんていなかったんや!同時にダブルトライブの芽も潰えたってことなんだけどね。
「なるほど……ドンブラー湖はアメロッパにあるのね。細かい地理情報も頭に叩き込んだし、早速出発の準備をするわよ!」
「……えっと、その、ボク海外旅行なんて初めてなんだけど……」
「…………は、初めて……?じゃ、じゃあ当然パスポートは……?」
委員長が目を見開き、動揺しながらも問い掛けてくる。一応といった感じで、既に最悪の想像が浮かんでいるのか、口調がたどたどしい。
「持ってないです……」
「~~ッ!!パスポートが無ければ、飛行機に乗れないじゃないの!こ、困ったわ!」
「確か、今すぐ申請しても一月は取得出来ないって、テレビでやってた……」
「……そうよ!そんなに待ってられないわ!!」
「(そうでも無いだろ?要は外国へ行ければいいんだよな?だったらよ……さっき見たテレビ番組、どうやって外国からニホンまで届いてきたと思う?)」
なんと、自力で気づくとは。流石はロック。頭の回転は意外に速いんだよな。知ってたけど。……それにさっきの委員長もそうだけど、地理情報を頭に入れたってハイスペック過ぎない?部屋にもトロフィーが数多く飾ってあったし……
「(そうか、電波体なら行けるかも……!?)」
「(そう言うこった)」
「……委員長!その、『ドンブラー湖』へは先に行っててほしいんだ」
「何よ、藪から棒に……アナタはどうするの?まさか来ないつもり!?外国に女の子を一人で送るなんて……アナタ、そういう趣味でもあったの?」
「どういう趣味だよ、それ!?……兎も角、ボクも必ず行くから。方法がありそうなんだ、ボクを信じて……ダメ?」
両手を合わせ、上目遣いで委員長に頼み込む。実際、未成年が一人で国外に出るなんて、
「うっ…………(可愛い……じゃなくて!)大袈裟ね……!わ、わかったわよ!ワタシ、先に行って待ってるから、アナタも後からちゃんと来なさいよ!?」
一瞬、苦しそうに胸を押さえたけれど、大丈夫だったのだろうか。喉に何か詰まらせたとか?ゴン太じゃあるまいし、それは無いか。
「うん!『ドンブラー湖』で合流ってコトで!」
「わかったわ。それじゃワタシは準備をするから……」
「うん、ならボクは一旦帰るね。それじゃ!」
「ええ、遅れたら承知しないわよ!」
え!?それはわからないよ……だってスカイウェーブの規模とかまったくわからないし、どれだけ時間がかかるかわかったものじゃない。
兎に角、委員長宅のあるマンションから退出する。ボクの方も、しっかり準備していかないといけない。海外を舐めると酷い目に遭うってのはボクの持論だ。この体じゃ行ったことないけれど、おぼろげながらにそう思う何かがあったことだけを理解出来る。
ーーコダマタウンーー
「よし、それじゃあ今日はもう帰って寝ようぜ!明日に備えてな!」
「了解!……ボクも荷造りしなくちゃいけないしね」
ーー数十分後ーー
軽く荷造りを終えた白金ルナは、空港へ向かうバスに乗るために、マンションの外に出ていた。昨日今日と常に室内にいたために、日の光を浴びて軽く伸びをする。バキバキと嫌な音が聞こえるが、彼がいるワケでもなし、名誉の旋律だと解釈することにした。
「……よし。それじゃあ、ワタシも空港に向かわないといけないわね。スバルくんのコトだし、本当になんとか出来る考えがあるんでしょうね……」
『ンフフフ……久しぶりだね、ヒロインのお嬢さん』
どこからともなく、胡散臭さが形になったような声が辺りに響く。ルナはハッとして辺りを見渡すが、辺りには誰もいない。愛しの彼も、既に自宅の方へと歩き去ってしまったようだ。
「……え!?」
『もう一度、私の作品に御出演願おうと……』
人間には知覚出来ないスピードで、絶妙に手加減された一撃がルナを襲った。電波変換もしていないただの人間では、攻撃されたことにすら気づくことは出来なかった。
「きゃ……!?」
『こうして、迎えに参ったのだ。ンフフフ……!』
倒れた白金ルナを確認し、声の主……ハイドが現れる。その顔は、不適な笑みで満ちていた……
「これであの青いヤツを何時でも誘き出せる、と……おや?このお嬢さん、もしや…………間違いない!ンフフフ!こいつは想像以上に面白い筋書きが期待出来そうだ……!」
ーーそれから更に暫くしてーー
ーープルルルル!!
「あ、電話だ。……委員長から?どうしたんだろう。……まさかパスポートの有効期限が切れてたとか?」
確か子供のパスポートだと、五年しか使えないんだったよね。いや、小学生がトラックを運転出来る時代だからな……なんとも言えないや。
いや、それとも……もしかしてファントム・ブラックからか!?そういえば、ボクが委員長から逃げ出していないから、委員長を浚うタイミングがなかったんだろうな。だから今になって……!クソッ、ゆ"る"さ"ん"!!
「ブラウズ!」
ーーブゥーン
委員長からかかってきたと思われる通信には、やはり委員長が映し出されることはなく、ザーザーとしたノイズ混じりの映像が映し出されるのみとなった。
『やぁ、このお嬢さんのお友達かな?突然だが……暫く彼女は姿を消すそうだよ』
「……この声…………ハイドか!」
『何……?私を知っているだと!?バカな!何者だ、貴様……いや、その声……聞き覚えがあるぞ!?…………貴様、あの青い少年か!?ロックマンだな!?そうなんだな!?』
どうせ声質でバレていたので、ここで隠す必要はない。
「この通信は委員長のスターキャリアーからだ……ハイド、委員長をどうしたんだ!答えろ!」
『ンフフフ……まさか貴様の方から現れてくれようとは……これまた予想外だ!実に面白い!』
脚本家が予想を外しまくってるのって、あんまり考えゴトが向いていないってことじゃないの?
「狙いはボクか!?委員長は関係ないハズだ!直ぐに解放するんだ!」
『ンフフフ……!そう急ぐことはない。私の脚本では
直ぐに再会出来るという筋書きになっている!おっと……貴様にはまだ言っていなかったかな?今回の作品の主人公は……貴様なのだ!』
「クソッ、相変わらず趣味の悪いコトをしやがるヤロウだぜ!」
『舞台は前作と同じ……映画館だ。なるべく急いで来てくれたまえよ?他の役者は既にスタンバイして、貴様を今か今かと待っているぞ……ンフフフ……これは大傑作になる!では後程……待っているぞ、ロックマン!』
ーーブツッ!
「委員長……」
ああ、わかっていても腹が立つ!ハイドめ……今度はツーパンじゃ済まさないからな!オマエヲムッコロス!!
「100%ワナだぜ、こりゃ……」
「大事なのは、勇気を示すこと……だよロック。ワナならワナで、踏み潰して進めばいい。今のボク達なら、それが出来るハズ。そうでしょ、ロック!」
「ヘヘッ、それでこそいつものスバルだ!さぁ、あのふざけたマントヤロウに殴り込みと行こうぜ!」
「うん!」
映画館は……ロッポンドーヒルズのショッピングプラザ内にあったんだよね。……急がないと!
GET DATA……無し