星河スバル(偽)の戦闘録   作:星屑

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第七話『ザ・クリエイター/ロスト・ピープル』
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 ───アジトにて。

 

 オーパーツ奪還より、既に丸一日以上の時が経っていた。

 未だ歓喜の渦に飲まれたままのハイドは、待ちに待った機会に意気揚々とオリヒメの御前で傅いている。

 ようやく奪い取ったというのに、正式な報告が遅れていたのは一重にエンプティーの為。

 オーパーツの周波数を纏った金雷は、エンプティーの活動能力に甚大な障害をもたらしていた。それをある理由からエンプティーの構造について理解の深いオリヒメが、調整にチカラを注いでいたのである。

 

「さて、まずは良くやったと褒めてつかわそう、ハイドよ」

 

 普段は凍てつくブリザードのようなオリヒメの美声も、この時ばかりは春の柔らかな日差しのように凪いでいた。

 

「ははっ!しかし、これもオリヒメ様へも忠誠あってのもの。その御力の一助となれましたこと、このハイド最大の喜びにございます!」

 

「ほう、中々頼もしいことを言ってくれるではないか。しかし、どうにも解せぬことがある」

 

 敬愛する上司からの賛辞に、ますます調子づく似非紳士。

 だが、オリヒメには小さな疑問が生まれていた。

 

「はっ!何なりと!」

 

 

「お主がオーパーツを奪い取った際、何故あやつ等を始末しなかったのだ?……いくらでもチャンスはあったのであろう?」

 

「私もそう思ったのではございますが……」

 

 ハイドが言い淀む。その顔は、まるで世にも恐ろしいものを見たかのように強張っていた。

 

「どうした?はっきり申してみよ。今の妾は気分が良い。咎め立てする気は無いぞ?」

 

 それは、オリヒメにとっても科学者時代の性分が顔を出したという程度のことで、そこまで気にしているわけではなかった。なんにせよ、オーパーツが既に手元にある以上は、些末なことでしか無いのだから。

 所詮は子供の一人や二人。ムー文明そのもののチカラを前にしては、煩わしいハエ程度のモノであることは明白であった。少なくとも、この場にいる二人の心中では。

 

「し、信じがたいことではあるのですが……私が引導を渡そうとした瞬間、彼らの体内から大量の電波オーラが溢れだしたのでございます。そしてそのオーラは……その、まるで人を象ったような姿をしていまして……」

 

 あの時、バミューダラビリンスの奥地でハイドは確かに二人に引導を渡そうとした。

 しかし、それを遮るように彼らの内部より多量の電波が吹き荒れたのである。

 ハイドとしては、既に目的は達成されているようなもので、不穏分子の排除は単なる点数稼ぎに過ぎなかった。故に大事をとって帰還を優先した……と言えば聞こえが良いが、実際にはいかにも亡霊然としたベルセルクの姿に恐れをなしただけである。

 

「それは恐らく、オーパーツに眠るベルセルク達の残留思念というヤツだろうな。……しかし、不思議だ。それは、オーパーツをあやつから抜き取った後の話なのであろう?」

 

「……その通りにございます」

 

 御簾に包まれた人影が、顎に手を当て思考の海に浸かる。

 そして幾ばくかの時が過ぎた後、喜色気味に口を開いた。

 

「ふむ……いや、寧ろこれは妾の計画にとっては良い状況だな。お主が奪取してきたそのオーパーツ、強大なチカラは感じるが、それだけだ。膨大な電波を垂れ流すだけで、作為的な意思の類いはまるで感じない。これはつまり、ベルセルク達の意思がヤツらの体に乗り移ったというコトであろう。……でかしたな、ハイド。これでオーパーツを制御する手間が相当に省けそうだ」

 

「は、ははっ!」

 

 思いがけない手柄に、棚ぼた精神でハイドは内心、ガッツポーズを決める。

 

「エンプティーがまだ全快とはいかぬのは残念だが……まぁ良い。これでついに実現するのだ。妾の抱いた、積年の夢がな」

 

「ムーの復活……で、ございますね」

 

「そうだ……幾多もの幸運に見舞われはしたが……決して、容易い道のりではなかった」

 

「ええ……」

 

 これまでをしみじみと振り返るようなオリヒメの声が響き渡る。

 ハイドも瞳を閉じ、乗り越えてきた苦難を思い起こしていた。無論、乗り越えられなかった苦難(ロックマン関連の出来事)は記憶の彼方に吹き飛ばしていたが。

 

「全てはあの遺跡……ムーの生き残りが、かつて地上に遺した遺跡を見つけたことが始まりであったな……」

 

 かつて科学者だったオリヒメは、その興味を古代文明へと向けていた。

 一個人が世界を相手取るにはチカラが必要だったからだ。そう、圧倒的なチカラが。

 

「そなたらに授けた『古代のスターキャリアー』もそこで発見したモノ……遺跡自体は目も当てられぬ程風化してはいたが、その端々に見受けられる文明の一端に、妾は確信した……」

 

 遺跡にはムーの手による隠蔽が施されていた。しかし、マテリアルウェーブの分野に明るいオリヒメにとって、風化しかけていた物質電波程度の隠蔽を見破ることは、そう難しいことではなかったのだ。

 

「ムーのチカラは現代の文明を遙かに上回っていた、とな」

 

 オリヒメは遺跡で回収した発掘品を解析・修復した。

 程なくして、オリヒメは『古代のスターキャリアー』内で眠っていた電波体の存在に気付く。

 彼らは粗野で厄介者ではあったが、歴史を知っていた。彼らは現代に生きる者が知り得ることの無い、ムーの歴史における生き証人だったのだ。

 

「そう、ムーとはただの古代文明などではない。圧倒的な電波のチカラで世界を支配していた存在だったのだ。それを妾の手で蘇らせる……『新・ムー帝国』としてな」

 

「そして、ムーのチカラを手中に収めたオリヒメ様は、世界の支配者に……と、そういう筋書きですな!」

 

 実にシンプルでいい!……と、喝采を上げるも、反応が返ってきたのは自身のスターキャリアー内のファントムだけであった。肩を竦めてみせるハイドをよそに、厳かな口振りでオリヒメは言葉を続ける。

 

「この地球は、大勢の愚かな人間と、ほんの僅かな天才によって構成されている。……歴史を紐解けば、誰にでもわかる単純な構図だがな。故に、一握りの天才が大多数の愚民共を支配してやる(導いてやる)必要があるのだ。それこそが、愚かな者どもにとっての幸せでもある……」

 

 溜息をつくような、ある種艶めいた悩ましげな美声はハイドの単純な脳みそをこれ以上ない程に刺激し、忠誠心を一層に募らせていく。

 

「ンフフ……実に、実に素晴らしい!このハイド、脚本家としての自信が崩れ去ってしまいそうな程ですぞ!」

 

「……ハイドよ。そなたにはまだ、妾の姿を見せていなかったな。……これは、大義を果たした褒美である」

 

 御簾が巻き上げられ、遂にベールに隠されたその姿が露になる。

 息を飲む、音が響いた。

 

「お、おお……私如きにお姿を晒していただけるとは、ありがたき幸せ!」

 

「これよりが計画の肝心要である。よいかハイド。妾が求めるは、優れた人間のみ……決して、失望させるでないぞ」

 

「ははっ!」

 

「さぁ、参るぞ!新時代の幕開けに相応しい……史上最も偉大なる文明の始まりを、高らかに謳おうではないか!」

 

 ♢♢♢

 

『……!……君!起き……君!』

 

 心地よいまどろみの中、誰かが僕に呼びかけている。

 誰だろう、人が気持ちよく惰眠を貪っているというのに。

 

 安寧の時を乱す何者かはどうやら諦めの悪い性格らしく、体を揺らすという強行手段に出たようだ。

 真っ暗な視界が揺れに揺れた。意識が急速に浮上していくことを、否応無しに理解させられる。

 

 だが、そう安々とこの安息を手放す気はない。身をよじって抵抗を試みる。

 とにかく今は眠くてしょうが無いんだ……。

 

『このッ、起きろって言ってんでしょうが!』

 

 手刀染みた物体が、風を切って僕の額に吸い込まれるような音がした。

 

「あばっ!?」

 

 ♢♢♢

 

 痛む額をさすりながら、慣れ親しんだベッドの上で体を起こす。

 太陽が眩しい。浄化されてしまいそうだ。

 ……って、あれ?

 

 見慣れた間取り。見慣れた天井。見慣れたドリル。

 間違うワケがない。ここは僕の部屋だ。

 そして察する。そうか、僕は負けたのか。そしてコダマタウンまで帰ってきた記憶も無い……ので、恐らく僕の体をここまで運んできたのは……

 

「……ミソラちゃん?」

 

「一体何の夢を見ていたのか、問い詰めたくなるような第一声ね……」

 

「あ、委員長」

 

「あら、おはようスバル君。調子はいかが?」

 

 ……外傷は無い。恐らく、倒れた僕にハープ・ノートが治療を施してくれたのだろう。

 つまり、僕は、負けたのか……ッ!

 ちくしょう。あれだけの大口を叩いておいて、何てザマだ。

 ……いや、今はあまり本心を表面化させるべきではないな。

 

「ええっと、まぁ……大丈夫、かな。ところで、さっきのはモーニングサービスか何か?」

 

 凝りきった体を解しながら、イヤににこやかな委員長に問いかける。

 

「気に入って貰えたかしら?」

 

 まぁ、覚醒する原因となったことに間違いはない。

 ……威力はモーニングスターの間違いじゃないかってレベルだったが。

 

「モラルの是非はどうあれ、メモリアルだったのは確かだね」

 

「そう。なら良かったわ。何せアナタ、丸一日以上グッスリだったんだから。皆心配してたのよ?」

 

 僕は何と丸一日以上も床に伏せていたらしい。

 割と最悪に近い状況に陥っているはずなのに、どうしてこう、普通なのだろうか……?

 

「委員長の機嫌はさておき、そんなに寝込んでいたのか……って、大事なのはそこじゃない。あの後、どうなった?ミソラちゃんは?尾上さんは?……委員長達は無事だったの?」

 

「そうね、取りあえずワタシ達は無事だったわね……って、談笑してる場合じゃないわ!早く、いえ、今すぐリビングにきなさい!テレビの放送がジャックされて、凄いことになってるのよ!」

 

「え?……あ、はい!」

 

 テレビをジャック……宣戦布告的なアレか。

 スターキャリアーのデジタルウォッチは、ピッタリ正午の時間を示している。あかねさんは……パートの時間か。

 どうやら、正史よりぐっすり睡魔に囚われていたらしい。筋肉痛の類いもない。快調だ。

 

 

 

 ♢♢♢

 

 

 

 僕達が居間に降りると、そこにはいつもの面々の姿があった。……これと言った傷の無いミソラちゃんの姿も。

 ……ホッとする。どうやら、病院送りは免れたようだ。本当に良かった。

 しかし、なにやら異様な雰囲気に包まれていることに気付く。

 それが放送されている内容のせいだと思い出したのは、一通り驚愕に包まれた皆の表情を覗いた後だった。

 

『繰り返す……愚かなる人間共よ。妾の名はオリヒメ。今この時より、全人類の支配者となる者である』

 

 画面の七割は埋めているであろうオリヒメの顔は、非常に濃い化粧で塗りたくられていた。しかし、決して醜悪というワケでは無い。寧ろ、生来の美しさを引き立てているように感じるのは、彼女の迫力に多少なりとも圧倒されているからかもしれない。

 

『だが、突然「支配」する、等と言われて素直に従うハズも無いことは、この妾も重々承知している。そこで、だ……実感の湧かぬお主らにも理解できるよう、妾のチカラを示そうではないか。これより、封じられた伝説の遺産を復活させる。そのチカラを瞳の奥まで焼き付ければ、さしものお主らでも自分達の立場を弁えるであろう。……妾こそ、支配者に相応しいとな!』

 

 最後に勝ち誇った高笑いを見せると、満足したのか彼女は放送のジャックを解除した。

 テレビの画面には、困惑した表情を浮かべたレポーターがカメラマンに話しかけている映像が数秒映った後、暫くお待ちくださいというテロップを表示されてしまう。

 

「コイツ、やっぱりムーを復活させるつもりだな……見たかスバル?もう怖い物無しってツラしてやがったぜ」

 

 どうにも気配を感じないと思ったら、傷心の相棒を放っておいて先にこの宣戦布告?映像を視聴していたようだ。

 裏切り者(warlock)め。後でラフレシアが発する匂いの電波でもスターキャリアーにつっこんでやろう。

 

「い、いまいちオレにはよくわからなかったけど……な、何だかスゲーヤバいことになってるんじゃねぇのか、これ?」

 

 ゴン太が震える声で言の葉を紡ぐ。

 隣で声を発することも出来ない程ブルブル震えたキザマロ共々、その顔は蒼白に染まりきっていた。

 

「このままオリヒメがムーを復活させちゃったら、この星はおしまいになっちゃうよ……いいえ、でもまだワタシ達には……って、スバルくん!?体は大丈夫なの!?」

 

 放送に釘付け状態だったミソラちゃんが我に返り、頭を抱えていた。

 そして僕の姿を視界に収めると、瞳を一杯に開いて驚愕を表現したのち、詰め寄ってくる。

 

「あ、うん。おかげさまで平気だよ。……ミソラちゃんでしょ?気を失った僕を治療してくれたのは」

 

「うん、持ってたリカバリーやDエネルギーを片っ端からねじ込んだからね!でも回復系のプログラムは体の傷を癒やすことが出来ても、疲れまでは取ってくれないから……だけど、嬉しいな。やっぱり、当たり前に話せるって凄く素敵なコトなんだねって……」

 

 ふへへ……と、国民的アイドル歌手が非常に締まりの無い顔をしている。

 ……酷い。これは百年の恋も冷めますわ。

 

「あはは……あ、そうだ委員長。尾上さんはどうなったの?」

 

「ああ、尾上さんなら外せない仕事があるって言って、スバル君達が戻ってきて直ぐに行っちゃったわ。確か、シーサーアイランドだとか何とか……」

 

 シーサーアイランドか……今はコスモウェーブの通行許可が無いから、戻ってくるのにも時間がかかってしまう。そして現在は夏休みの旅行シーズン真っ只中。席の予約も難しいだろうな。

 ……これで、尾上さんを戦力として頼ることは出来なくなったか。まぁ、元々頼る気は無かったのだけど。

 

「そっか。……良し、じゃあ行ってくるね」

 

 放送があったと言うことは、ムー大陸を起こす準備が出来たってことだ。

 なら、ラビリンスへ先回りすればまだ止められるかもしれない。ついでにムー大陸が眠る場所にアクセスする方法を聞き出しておけば、ディーラーが活動を本格化する前に何とか潰せる可能性はある。

 ……夏休みの自由研究のタイトルが、『浮遊大陸の壊し方』になってしまうだろうけど。

 

「待ちなさい。行ってくるって、一体どこに行くつもり?それにアナタ、さっきまで寝込んでたじゃない!無理に動き回ったら、また……」

 

 善は急げと、早速出発しようとした僕の袖を掴んだ委員長が制止の言葉をかける。

 潤んだ瞳からは、ブラザーである僕を心底心配している気持ちが伝わってくるけれど、今は一分一秒でも時間が惜しい。

 掴まれた袖からそっと委員長の指を引き剥がし、両の掌で握りしめる。そして正面から委員長の目を見つめ、僕は口を開いた。

 

「もちろんラビリンスだよ、委員長。オリヒメ達はきっと、オーパーツを持ってバミューダラビリンスの奥に来る。そこを叩けば、まだムー大陸の復活を止めることが出来るはずなんだ」

 

「……でも、危ないわ。スバル君、アナタ今の今までどうして寝込むことになったのか、忘れたワケじゃないでしょう?」

 

「大丈夫。きっとなんとかなる。何とかしてみせるよ」

 

「イヤよ、そうやって立ち向かっていって!また倒れでもしたら!ワタシ、どんな顔でスバルくんを迎えればいいの……!?」

 

 きっと委員長はまだ信じ切れてないんだろう。何せ、信じて送り出したブラザーが満身創痍で担がれて戻ってきたのだから。

 つまり、今委員長に必要なのは絶対に僕が無事に帰ってくるという安心だ。

 そして、それは僕にとっても逆境における支えとなってくれるはず。

 

「じゃあ、約束する。僕はもう、誰にも負けない。必ず無事に帰ってくる。だから委員長、キミはいつも通りドシッと構えていて欲しいんだ。それだけで、皆が心を強く保っていられるはずだから」

 

「ワタシが……?」

 

 繋いだ手を、痛くない程度にギュッと握る。思いの熱が、しっかり伝わってくれますように、と。

 

「そうさ、僕達はいつだって一人じゃない。ブラザーバンドなんて無くったって、いつでも心は繋がっている!」

 

 一人が皆を想い、皆が一人を想う。そんな奇跡みたいな関係を、僕は壊したくない。

 だから僕は、大陸や星相手にだって立ち向かい続けることが出来る。これからもだ。

 

 

 

 ♢♢♢

 

 

 

 なんとか委員長を説得した僕は今、電波変換を完了させウェーブホールの上に立っている。

 傍らには、結果的にエンプティーをラビリンスの奥地まで案内するカタチになってしまったハープ・ノート。

 どうしてもチカラになりたいと言ってついてきてくれたが、正直言って疲労の色は濃いようだ。何故かテンションは高いものの、あまり無理はさせられない。

 

「いや~、さっきはスゴかったね!ワタシ見てただけなのに、まだちょっとドキドキしてるもん」

 

 バキューン☆とピストルを撃つようなアクションでからかってくるが、誓ってもいい、あの時の僕はいたって真面目だった。

 

「……僕さ、悔しかったんだ」

 

 自分が情けなくて、合わせられない目を伏せてしまう。

 

「どうして?」

 

「友達の為に戦ったはずなのに、気付いたらベッドの上で。キズナを否定するブライに、キズナに対する意識の強さで負けたような気がしたんだ。……それがたまらなく悔しかった」

 

「そんなことない!スバルくんはワタシの為に精一杯やってくれた!だからこそ、ワタシはスバルくんが倒れてもブライに立ち向かえたんだよ!?」

 

 だからこそ、僕も逆境に立ち向かい続けるための誓いを立てたんだ。

 もう誰にも負けない。誰にも心配させはしない。

 

「うん、わかってる。だからさっき委員長に言った言葉は、本当は僕に言ったようなものなんだ。たとえどんなに辛い時でも、立ち続けられる理由であるように、ってね」

 

「ふぅん、なんか妬いちゃうなぁ……」

 

 ジトッとした目を向けてくる……が、こればかりはどうしようもない。全ては過ぎたコトだ。

 

「ミソラちゃんはどちらかと言うと、隣に並び立ってくれるパートナーって感じだからね……」

 

 一瞬、面食らったような表情になったが、直ぐに微笑んでくれる。

 どうやら機嫌は直ったようだ。

 

「……ま、今はそれで許してあげる。さ、それじゃ絶賛宣戦布告中な悪の組織の野望を阻止しに行きましょうか!」

 

 両手で頬をはたいて気合いを入れ直したハープ・ノートが、利き腕を天に向かって突きだした。

 

「OK!いざ、ラビリンスへ!」

 

 

 




GET DATA……無し

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