転生したら転性した挙句に篠ノ之箒に成っていたISプラス2期   作:銭湯妖精 島風

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2期『マドカの恋模様』
君の名は


 

 

俺の人生は碌な物じゃ無かった

 

物心付いた時には父親は居らず、母親は居たが病弱で働ける身体では無かったが母親は俺には優しかった

 

それも俺が小学生を卒業するまでの話だが

 

中学に上がって少しして母親は風邪を拗らせてアッサリと、この世を去り俺は天涯孤独の身になった

 

それからは母親が残した僅かばかりの遺産と生活保護でなんとか生きたが、高3の夏の夜道、俺は通り魔に背中から刺された

 

分けの分からない事を叫びながら俺を滅多刺しにした通り魔の女は崩れ落ち倒れた俺の顔を見ると、驚いた表情をして

 

何で違うのよ とか吐き捨て逃げて行った

 

要は人違いで刺された挙句に俺は死んだ

 

 

死んだ筈だった

 

 

死んだ筈の俺は神様に出会い、ISの世界へ転生する事になった

 

数少ない許される趣味が読書だったのが幸いして俺はISをある程度知っていたし、携帯小説も読んでいたから知識は有った

 

神様は幾つかの願いを叶えてくれるらしく、俺は願った

 

まず、織斑一夏を女にしてくれ。次に俺を裕福な家庭に転生させてくれ、今度こそ幸せになりたい、織斑一夏の様に仲間に囲まれて楽しく生きたい、俺は そう願い転生した

 

そして、俺は転生し折村マドカになった

 

 

俺は何に不自由の無い生活を送った、寡黙で不器用だが俺を愛してくれる父親

 

時に優しく、時に厳しく、理想の母親そのものな母親

 

俺は幸せを満喫していた

 

だからか、俺は調子に乗り始め厨二病を患い、取り返しの付かない事をしてかした

 

俺は無調整のガオガイガーを使ったのが原因で全身の骨は砕け長い病床は決定した

 

加えてフェストゥムからの同化現象の後遺症も上乗せされ、俺の再起は絶望的だった

 

でも俺は受け入れる事にした、自分が仕出かしたのだから納得するのが道理だろうと

 

そんなある日の事、激痛に眠れずにいると深夜だと言うのに誰かが病室に現れた

 

「こんばんは、折村マドカ」

 

ラフな格好に白衣を身に纏い、俺が知る格好からは逸脱した世紀の大天災、篠ノ之束がベッド脇に立ち俺を見下ろしていた

 

「こんな夜更けに、なんの用だ。篠ノ之束」

 

彼女の全てを見透かしているかの様な目に恐怖しながら精一杯の虚勢を張る

 

「うんうん、虚勢が張れるなら直ぐには死ななそうだね?実は君に提案が有って来たんだよ」

 

ニコニコと笑み彼女は言う、何もされていないが彼女に心臓を握りしめられている様な感覚を受ける

 

「提案?俺に提案?」

 

そういえば彼女の妹の箒にも悪い事をしてしまった、ならば此処に篠ノ之 束が現れた理由も推測出来る

 

つまりは後始末、俺を殺しに来たんだろう

 

ならば俺は、それを受け入れるしかない

 

動くのは減らず口と指先が少しだけだからだ

 

「実はね?君に興味が有ってさ、あとやってみたい実験も有ってね?実験に成功すれば君は再びISに乗れるし、幸せを掴めるかもよ?」

 

そう彼女は微笑み俺を覗き込む

 

思わず見惚れてしまうが意識を集中し思考する

 

成功すれば、と言ったが失敗した場合は良くて現状維持、悪くても死ぬだけ

 

元より死を覚悟しざる得ない状況だ、俺の全てを彼女に、篠ノ之束に託そう

 

「・・・分かった、実験に成功したら俺は一生アナタの元で働くと約束する、煮るなり焼く御自由に」

 

「ふふ、ありがとう。じゃぁ・・・今はお眠りよ、次に目を覚ました時は君は君じゃ無くなってしまってるけど、失敗したら死んじゃうし、問題ないよね?」

 

点滴に謎の液体を注射器で注入され、徐々に俺の意識は闇へ落ちて行き、再び目を開けると、SF作品で良く見るポッド?みたいな奴の中に漂っていた

 

 

「おや?目を覚ましたね?おはようマドっち」

 

にぱーっと笑みを浮かべた篠ノ之束に頷き、なんか妙に手が小さい気がするし、下半身が妙に寂しい気がするので ゆっくり身体を動かし確認する

 

そして驚愕の事実を目の当たりにする

 

「ふふふ、驚いた?マドっち、君は男の子から男の娘を飛び越え女の子になったのだ!まぁ成功したし、いいよね?」

 

無駄に洗練された無駄の無い無駄なポーズを取りドヤ顔で言う篠ノ之束の言葉を聞き、俺は改めて考える

 

過去()の自分を捨てて()の自分を受け入れよう

 

彼女の事だ、俺は公には死んでいる事になっているかもしれないし、約束もしたしな

 

そう考えて俺は・・・私は彼女の問いに強く大きく頷いた

 

 

それから数週間、リハビリと言う名の束さんの実験を行い7月に突入した

 

「束さん、なんで片付け出来ないんですか?いやマジで」

 

「いやー束さんも完璧超人ではないのさーはっはっはっはー」

 

女の子の身体にも慣れ、外見は原作のままな感じで束さんの寝室の片付けを手伝いながら尋ねるが、当人には馬の耳に念仏の様だ

 

今の私の立ち位置は、アクアビットのテストパイロット兼 束さんの助手2号、そんな感じだ

 

そして7月7日、臨海学校で試す為の試作武装を輸送する仕事があるので準備していると、先に出ていた輸送機が金色のなにか(フェストゥム)の襲撃を受け、試作機が同化され暴走を始めたらしい

 

仕方ないので一部作業を中止し、詰め込めた分だけで緊急発進する

 

「では作戦の概要を説明します、準備をしながら聞いて下さい」

 

「了解、続けてくれ」

 

私は輸送機の貨物室でISスーツに着替えながらクロエの言葉に頷き続きを促す

 

「目標は現在、IS学園が臨海学校を行なっている海域に侵入しつつ有ります。目標はグレイズ・アイン、フェストゥムによりコアまで同化されている為、確実に撃墜する様にしてくだい」

 

「了解」

 

 

ISスーツを着終わり、私の専用機を展開し、システムをチェックする

 

「当輸送機は低高度にて戦域に侵入、レギンレイズ・ジュリアを投下後離脱し指定の場所へ荷物を配達します。質問はありますか?」

 

「大丈夫だ問題ない」

 

 

幾重にも流れる文字の羅列を受け入れ、レギンレイズ・ジュリアは完全に起動する

 

数分後、輸送機から吐き出され、自由落下後にグレイズ・アインとの戦闘を開始する

 

 

荒々しく暴れるグレイズ・アインに手数で攻めて確実にダメージを与え留めを指すと、爆発四散し海の藻屑となった

 

 

「さようなら、安らかに眠れ」

 

私は軽く胸の前で十字を切ってから輸送機が飛んで行った方へ撤退を開始する

 

 

一先ずは危機は去った筈だが、出来るだけ彼女達に会わない様に気を付けないとな

 

 

そんな事を考えていると、レギンレイズ・ジュリアのスラスターが黒煙を吹き始め、私は海へ墜落した

 

無念

 






と言う訳で、番外編の1話目でした


あと2話、やりたいネタがあるので、もう暫くお付き合いください

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