転生したら転性した挙句に篠ノ之箒に成っていたISプラス2期 作:銭湯妖精 島風
セシリアとの試合の翌日の放課後、私は防具を纏い一夏と対峙している
試合が始まって数分も経っていないが一足一刀の間合いから動かずに静かに隙を伺う
何故なら私は後の先の方が得意だからだ
剣道には様々な反則が有るが、竹刀を落としてしまうと持主が反則となり、二回反則を取ると相手に一本取られた事になってしまう
実は、剣道には何種類かの竹刀落としの技が存在する
私が知っているのは2つ、巻き上げるタイプと引っ掛けて落とすタイプだ
勿論、竹刀落としによる反則を狙って行う技では無く、竹刀が手から離れて地面に着くまでの間に一本を取る為の技だ
だが、竹刀落としで反則を取れば相手にプレッシャーを与える事も出来る、まぁそれなりにコツのいる技ではある
因みに1週間程前に千冬さんと試合をした時は、隙が全く無く辛うじて防げる剣速で直ぐに負けてしまった
そして一夏も、全く隙を見せない
いつの間にか集まった剣道部員以外の見学者がガヤガヤし始めているのが聞こえ、誰かが何かを落とした音がした瞬間、一夏が動く
面を狙っている様なので竹刀で受け、引きながら竹刀を反時計回りに回転させ一夏の竹刀を巻き上げて竹刀を彼方へ跳ね上げ、面の硬い部分を選んで面を決める
すると、見学者から驚きの声が聞こえたので、ふと見ると一夏の竹刀が防具入れと防具の隙間に刺さっていた
「珍しい事も有るな」
「だね、やっぱり箒は強いね?流石は全国大会優勝者」
少しなぁなぁになったが、竹刀を回収してからキッチリ礼をしてから面を外し一夏と話す
「剣道だけは姉さんにも勝てる様に練習したからな、姉さんには勝てたが千冬さんには負けてしまった」
苦笑して言うと一夏が少し驚いた表情をしているので、訪ねてみる
「どうした?」
「い、いや・・・姉さん並みのオーバースペックな束さんに勝てたって凄いなって思って」
一夏の言っている事は尤もな意見だと私も思う
「今思えば、何かしらの枷か何かを使っていたのかも知れないな、その時は久々だから動きがぎこちないと思ったが、少し違う気もする」
とはいえ、姉さんは今は会社にいるし、携帯等は更衣室のロッカーの中だ
「さて・・・アキヒロ、少しは為になったか?」
剣道場に来てから、ずっと無言で壁際に胡座で座って見学していたアキヒロへ尋ねる
「・・・あぁ、向こうじゃ見た事が無いモノだからな、かなり新鮮だ」
無愛想な顔で言うアキヒロの言葉を聞き
「日本では名前ぐらいは普通に聞く競技だが、アメリカではマイナーだろうしな?とはいえ、今日から暫くは剣道をしてもらう。健全な精神は健全な肉体に宿る、と言うやつだ」
そう言いアキヒロを立たせて竹刀の選び方、握り方、素振りの仕方を教える
一夏は、その間に剣道部員と試合をしたり話をしたりしていた
明日は2人が剣道の練習をしてる間に2人のISの整備と調整を済ませよう
アリーナが借りられないから仕方ないとは言え、少々アキヒロの練度が心配だ
お待たせ致しました
今回は剣道回でした