幻想殺しと電脳少女のボンゴレ生活 作:軍曹(K-6)
「綱吉クン。これぐらいで参って貰っちゃ困るよ?」
「・・・・・・くっそ。ドドン波みたいな技使いやがって・・・」
ツナは凄絶に笑いながらゆっくりと立ち上がり、体につけたリミッターを外していく。魂に刻まれた上条当麻の死ぬ気の炎を体に灯す。
その色は
「あれ? その炎の色は何だい?」
「行くぜ。これが俺の全力全開。スターライト――――――ブレイカー!!」
X BURNERの構えから放たれたのはベージュ色の剛の炎。その威力に白蘭も思わず眉をひそめた。
「ハハッ。その炎の色は何だい? 君の炎は大空だろう?」
「複数の属性を持つことは不思議じゃないだろ? 俺は今から全力を持ってお前を倒す! 扇ちゃん。明日って今さ!」
「ハハッ。良い炎だね!」
そして結界が形成された。
「ユニ!?」
「綱吉さん!」
「白蘭・・・。お前、これ分かってたな!?」
「もちろん! 大空の炎の共鳴による結界。簡単には崩れないからね♪」
「誰も居ない中での戦闘ねぇ・・・・・・」
ツナはつまらなさそうに呟いた。だが、すぐに唇の端を釣り上げると、心底楽しそうに笑い出した。
「ごめん、ユニ。ちょっとだけ、遊ばせて」
「え? あ、はい」
言うが早いかツナなジャケットの中から巨大な銀色に輝く自動拳銃を取り出した。
「銃?」
「おう」
撃ち出された銃弾。炎の壁を張り、銃弾を防いだはずの白蘭の頬をかすめてそれは飛んでいった。
「・・・・・・ハハッ。何だいその銃は」
「454カスールカスタムオートマティック。特殊弾と同じ素材の銃弾が入っている。十三mm爆裂徹鋼弾が」
「へぇ。死ぬ気の炎をものともしない銃弾か・・・。やっかいだね!」
「だろ? 俺もよく知ってる」
ツナは言いながら銃をしまい、一度手を叩く。
「よーく。眼を見開いておけよ? 大地の力を見せてやる」
そして地面に叩き付けられた手は、地面を大きく変動させると針山のように形を変えながら白蘭に向かって飛んでいった。
「おっと♪ 何の真似だいさっきから」
「いや、
「じゃあ行くよ。白指」
ツナは再度手を叩くと、また地面に着ける。今度は土の壁が炎を防いだ。
「以外と役に立つな・・・この方法。炎だよりのバカが痛い目を見るな・・・これは」
ツナはニヤリといたずらっ子のように笑った。
「ははっ。本当に面白いよ綱吉クン。君は僕の知る限り一番面白い個体だ!」
「人を実験動物みたいに・・・。言うなっ!」
大宇宙の炎のX BURNERが放たれるが、白蘭はかわす。
(・・・まともに受けたらマズいと悟って避ける事に専念する・・・か。学習能力はあるんだな。あんなバカっぽいのに、まぁそこは年上の余裕って奴か)
その後も善戦を続けていたツナだったが、何かに気付いたように距離を取る。
すると、森の中から飛び出した影が大空の結界の中にあっさりと入ってしまった。
「何だい? 君は」
「何度か会っているでしょう? エネと申します」
「ああ! 君かぁ!」
「エネ。お喋りは良い。例の物は?」
「もちろん。出来たらしいです」
「・・・・・・そぉか」
ツナは笑う。ようやく、エネの手によって自らの元に届いた、それを見て笑う。アタッシュケースに入っていたそれは、一度装填してしまえば百万発撃てるコスモガンとなるカスールカスタムオートマティックと同型の拳銃。
「待たせたな、白蘭。ここからが俺の戦い方パートツーだ」
「何をする気か知らないけど。もう君の銃弾は届かないよ♪」
ツナが引き金を引くと、轟音を鳴らし銃弾が撃ち出された。それは白蘭が生み出した莫大な炎圧と単純な圧さを併せ持った炎の壁を、吹き飛ばして彼の腹部を抉り取った。
「カハッ・・・。いくら特殊弾でも、これはおかしい、おかしいだろう!? 綱吉クン!」
「純耐炎性マケドニウム加工水銀弾頭弾殻。マーベルス化学薬筒NNA9。十三mm炸裂徹鋼弾。ジャッカル専用弾・・・。
「へぇ・・・面白そうだね♪」
「なんなら撃ってみるか?」
「良いのかい?」
「ああ、いいぜ?」(結界の外で俺に対するバカとかアホとか十代目とか聞こえてくるけど無視無視)
ツナはジャッカルを羽で空を飛ぶ白蘭に向けて放り投げた。それを見事にキャッチした白蘭はオモチャを買って貰った子どものように構えて遊んだ後、ツナに向かって撃ってきた。
が。
「予想は簡単。そう来ると思ったから銃からは目を離さなかったぜ」
もちろん銃弾はツナにあたらなかった。それどころか地面にあたったのは銃弾だけでなく、ジャッカルも白蘭の手を離れ落ちてきていた。
「がっ・・・あぁっ!」
「骨でも折れたか? まぁ妥当だろうな。ジャッカルの反動は普通の人間にゃ耐えられない。一発撃っただけで反動によって腕がイカレちまう」
「君のその化物みたいな身体能力が会って初めて使えるってワケ?」
「そーゆー事」
ツナは楽しそうに楽しそうに笑う。白蘭の回復を待つかのように動かこうとせずにただそこで何かを待っていた。