幻想殺しと電脳少女のボンゴレ生活   作:軍曹(K-6)

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第六十五話 激突

「原点にして頂点」

「リスポーン地点」

「実家のような安心感」

「親の顔より見た光景」

「何言ってんだお前等」

 

ツナと凪の悪ふざけにリボーンが突っ込む。

 

「だってさ、最初に未来に来た森に戻ってきたんだよ? これは原点回帰」

「これが神だ」

「見える奴には見える」

「何か書いとけ」

「死ぬがよい」

「やったぜ」

「いい加減にしろ」

「あ、沢田さん。お話ししておきたいことがあります」

「・・・? 何?」

「私はもう、逃げません」

 

ユニのその言葉に、遠くで話を聞いていたブラックスペルも驚愕する。

 

「決着をつけて良いってこと?」

「はい。明日、夜明けと共に始まる戦いで全てが終わります」

「へぇー・・・」

「白蘭も力の衰えと枯渇で焦っています。この戦いに全てをかけてくるでしょう」

「じゃあ真っ向勝負ってことだね」

「あの、戦いに勝ったら。私達はもとの世界に戻れるんでしょうか」

「白蘭は他のパラレルワールドの自分と考えや知識を共有できますが、裏を返せば全てが繋がっていて、実体は一つしかないと言うことなんです」

 

ツナはそれを聞いて、アイツもそうなのかなーと首を傾げながら別の言葉を口にする。

 

「つまり・・・一つを倒せば全部が消滅する?」

「はい。この世界で白蘭を倒せば、全パラレルワールドの白蘭は消え、もう恐ろしい未来の待つことのない、平和な過去へ帰れるはずです」

「そもそも俺は過去の時点で白蘭と仲良しなんだけど・・・」

「もとから滅びる結末が見えない世界・・・? それはとても良い世界ですね! もしかしたら私の魂が避難していた世界もそこかも知れません」

「え、そう?」(虹の代理戦争どうなるだろ・・・。骸とか、白蘭とか、何気に俺に依存してる気がするんだよなー)

「ツナ、くだらねーこと考えてんじゃねーだろーな」

「お、最近俺の考えてることが何となく分かるようになってきたみたいだね、リボーン」

「・・・ツナ。勝てるのか?」

「勝てる勝てないじゃ、ないんだよ。勝つのさ。この戦いに勝てばみんなで過去に帰れるんだからね」

 

ツナは両手の中指にそれぞれ一つずつ填まるリングを眺めながらそう言った。

 

「ツナ一人なら余裕で勝てるかもしれねーが、全員で力を合わせて勝つってのがお前の目標なら厳しーぞ」

「だ、だよねー。時間も無いし・・・。作戦なんか一つも考えてないんだし、あーっ! もうっ不幸だなぁ!」

「今更何言ってんだバカ」

「ふむ・・・。こういう時の守りの作戦立てるのは、入江正一。元メローネ基地隊長が向いてるんじゃねーか?」

「え!? ぼ・・・僕!?」

「ふざけんな!! 作戦を立てるのは十代目だ!!」

「獄寺君の言う通りだ。僕はチョイスで失敗した。綱吉君や、イカロスさんがいたから何とかなったようなもの。僕にその資格はない。この戦いはボンゴレボスである綱吉君が決めるべきだ」

「い゙っ!?」

 

マジかぁ・・・。と溜め息を吐きながらも、ツナは腕を組んで首を傾げる。

 

「んじゃあとりあえず、イカロス。全員の治療よろしく」

「了解。モード変更。医療用エンジェロイド“Oregano(オレガノ)”起動」

「みんなに対する指示は・・・とりあえず匣兵器で連係攻撃・・・できる?」

「可能だ」

「じゃあそれも実行! 敵は白蘭と真六弔花、全力でこれを排除しユニを守れ!」

「「「「おう」」」」

「戦法は自由! 各自の判断に任せるよ? いい? 総員、適当にやっちゃって!!」

「「「「適当!?」」」」

「またか・・・」

「適当好きだね・・・」

 

そして、夜が明けるまで最後の調整が始まった。

 

 

―――翌朝。

 

各地で戦闘が行われる中、ツナは非戦闘員が要る拠点であくびをしていた。

 

「心配じゃねーのか?」

「んなバカな。全員生きて帰れるよ。それがこの戦いの戦法だから」

「スゴイですね、沢田さん」

「いやいや。あいつ等が強いんだよ。俺なんか必要ないくらい」

「いいえ。ボンゴレ守護者全員がボスであるアナタの元に集まってきている。それが一番スゴいんです」

 

暫くツナはダラダラしていた。が、通信が来て跳ね起きた。

 

「え・・・? ゴースト? 炎を吸い取る真六弔花?」

『そーだ! 奴にはリングの炎も匣兵器も通用しない!! 危険すぎる敵だ! 一刻も早くユニを連れて逃げろ!!』

「・・・・・・」

「行ってこい、ツナ。ここは俺が守っててやる」

「・・・いいの?」

「そんな顔してる奴を留めておける分けねーだろ」

「それじゃ、行ってくる」

 

そう言うと、地面を蹴って亜音速でツナは前線に移動した。

 

「・・・笑ってましたね」

「強い敵ってのはツナにとって嬉しい相手だからな」

「・・・でも、綱吉さんは」

「そう。アイツは強すぎるんだ」

 

 

前線に飛び出したツナは、一瞬でゴーストの懐に入ると死ぬ気の零地点突破 改を発動させる。

 

「あ゙っ。あ゙あ゙あ゙!!!」

「ひゃっはぁ!」

 

ツナの零地点突破は、彼の炎だけでなく肉体すらも吸収した。

 

「吸った・・・」

GHOST(ゴースト)って炎の塊かよ」

「流石十代目!」

「沢田・・・」

「すげっ」

「極限によくやったぞ!! 沢田!!」

「来るな」

「なぬ?」

「え!?」

「おかしい・・・」

「ええ」

 

零地点突破改は敵の炎を吸収して自分の炎に変換する技、なのにゴーストの炎を吸収したツナの炎はほとんど変化していない。真六弔花や守護者やヴァリアーの炎を奪ったゴーストを吸ったにもかかわらずだ。

 

「いやあ。すごいすごい!!」

「!」

GHOST(ゴースト)を倒しちゃうなんてさ♪」

「あ」

「白蘭!!」

「白蘭様!!」

「来たか!!」

 

空を飛ぶ白蘭は相当楽しそうな笑顔をしていた。

 

「また元気な君に会えるとは嬉しいなぁ。綱吉クン」

「やぁ、白蘭」

「ボンゴレファミリーの主力メンバーも勢揃いでますます嬉しいよ! それにしても綱吉クン。君は物好きだなぁ」

「?」

「骸君にXANXUS君。かつて君の命を消そうとしたものを従えてるなんて正気の沙汰じゃない」

「だって俺、こんな奴らに殺されるわけ無いし」

「「「「!!」」」」

 

ツナはそう言うが、やはりこちらの世界の彼等は不満があるらしく攻撃を加えるが、白蘭には全く効いていなかった。

死ぬ気になったツナが高速で攻撃を加えるが、右の拳を白蘭に人差し指一本で止められた

 

「あれ。どーしたの? 君の精一杯(フルパワー)はこんなもんかい?」

「え」

「じゃあ僕の番だ♪ 白指」

 

指から放たれた死ぬ気の炎がツナの体を地面に叩き付ける。

白蘭がいうには、ゴーストが吸収した炎は全て彼の体の中にあるらしい。


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