幻想殺しと電脳少女のボンゴレ生活 作:軍曹(K-6)
「ミルフィオーレのブラックスペル」
「ブラック・・・スペル・・・?」
「京子ちゃん達もあそこにいるんだよね?」
「いくぜ! ボンゴレリングからマモンチェーンをはずせ!」
「「!!」」
ツナと獄寺はとりあえず言われた通り行動する。
「じゃあオイラがもらう! 手ェ出すなよ、太猿兄貴」
「しっかりやれよ野猿」
「くっ」
「うわああん!!」
「うろたえないでランボ!! 京子さんとハルさんをお願い!!」
「その体じゃ無茶だよイーピン!!」
「へっへー」
野猿は匣兵器から死神の持つ鎌を取り出した。
「じゃあ行くぜ! オイラの得物達!! ショアッ」
野猿が鎌を振るい、死ぬ気の炎を飛ばす。が、その攻撃が拡散されたエネルギーに吹き飛ばされる。
「十代目。どーっスか? この
「うん。純粋にすごいと思うよ」
「兄貴。誰だこいつら」
「抹殺者リストに載ってたかも知んねーが、消えていく人間をいちいち覚えちゃいねーな」
「だよなっ!」
山本が獄寺に変わり戦う。経験の差か、ツナ達の知る山本とは似ても似つかないその洗練された腕に、ツナは安心して任せられると思い、みんなの方へ駆けていく。
「みんな大丈夫?」
「しっかりしろよ」
「ボンゴレ! 獄寺氏も!」
「だから言ったじゃないですか。絶対ツナさん達が助けに来てくれるって」
「おぉ・・・十年後ハル・・・」
「はひ? 何だかハル・・・。急に背が伸びたみたいです!」
(中身は成長してないようで・・・)
「・・・・・・! あれ? た、大変! 京子さんがいない!」
「え!!」
「もしかしたら・・・、さっきの爆風で・・・!」
「探してくるよ」
ツナは京子を探しにその場から消える。最も消えたように速く動いただけなのだが。
「前言撤回だ野猿。くだらん雑用任務に転がり込んだ久々の大物。見逃す手はねぇ。手を貸すぜ」
再度攻撃が始まった。
「京子ちゃーん? 笹川京子さーん?」
ツナは倉庫の中をキョロキョロと探す。
「京子さーん・・・?」
「あ」
「お」
「ありがとう。来てくれたんだね、ツっ君」
(ツっ君? どれだけ仲良くなってるのこの時間軸・・・)
「ごめん・・・。私足くじいちゃった」
「え? そりゃ大変だ」
「・・・あれ? なんだろう。何か幼くて懐かしい感じがする」
「とりこぼしは無しだぜ」
「なぁに、すぐに済むさ。
「・・・・・・!!」
「下がってて」
「ツっ君・・・」
「やらせはせん。やらせはせんぞっ!」
ツナが格好付けた時、後ろで音がする。
「へ?」
「ツナ君・・・?」
「あ、え!?」
「ツナ君だ! よかったー。みんなで探してたんだよ。リボーン君と獄寺君も。あれ? ここ、どこだろ・・・?」
と、そこに炎の刃が飛んでくる。
「少し後ろに!」
「う、うん!」
その一瞬で立ち位置が変わり、ツナが身を挺してその炎の刃から京子を守った。
「ツナ・・・君」
「はっ! 痛くも痒くもねーな・・・」
「ほう。その炎の色は大空の属性・・・、なかなかのレアだぞ小僧。だがタラタラと相手してやるつもりはない。向こうに雨の守護者ってでけー得物を、待たせてるんでなぁ」
「あぁ、こっちも長く戦うわけにはいかないさ」
「まさか勝つつもりか?」
「当たり前だ」
「格好つけたいお年頃か、小僧!」
そう言って、太猿は炎の刃を放つ。それをツナは死ぬ気の零地点突破 改で受け止める。
「好きな女の子を守るって言う状況でぐらい、格好つけたっていいだろう?」
ツナはそう言って大空のリングに死ぬ気の炎を灯した。
(炎が変わりやがった・・・。ただデカくなったんじゃねぇ・・・、純度の高い大空の炎になっている・・・。経験で分かる。あーゆーのはやべぇ・・・)
「怖じ気づいたか?」
「ぬっ!! ふざけるな!! 女と炎は使いようだ!! テメーのようなうるせーハエには、殺虫剤をまくだけだ!」
匣兵器から高速回転する飛来物が飛んでくる。それをツナは飛んでかわすが、ホーミングのようでツナを執拗に追い回す。
「逃げ切れるものか!!
逃げるようにして、その場に残した炎に反応するそれを見て、ツナは答えに辿り着く。
「炎に反応する・・・。まさに追尾ミサイルだな」
「その通り!! お前の発するようなデカい炎のみを追尾し、炎を吸収する度に加速する!! そしてしまいには目標物の1.5倍の速度に達する!! 回避は不可能だ!!!」
「―――ねぇ。誰に説明してるの?」
「なっ!?」
太猿が慌てて振り向くと、
「バカなっ!」
「思った通り、炎を消したら追ってこなくなったよ。流石に光速までは着いてこられないみたいだし」
そして、ツナはその手を太猿に向けてのばす。その手からは冷気が漂っていた。
「―――ッ! バカな!! ほ・・・、炎を・・・。凍らせるなど!! こ・・・・・・、これではまるで噂に聞いたボンゴレ十代目・・・!! 貴様何者だ!!!」
死ぬ気状態じゃないにしろ、零地点突破は元から使えていたツナは、振り下ろされた鎌を凍らせる。
「のわっ!!」
「並盛中学校二年A組、沢田綱吉。ボンゴレ十代目(仮)だ」
「ぬおぉ!!」
「連続 普通のパンチ」
そして、ツナ達は。気絶した彼らを捕虜として捕まえた。
「・・・なんで捕虜として捕まえるんすか? 十代目」
「敵から有益な情報を得るっていうのは、いつの日も常套手段なんだよ? 獄寺君」
「ですが」
「拷問なら任せて! 口答えする度に下半身からゆっくり、ゆっくりと凍らせていって・・・くふふ」
「十代目、楽しそうですね!」
「でしょ!? 何かこっちが悪者みたいだけどな!」
「よっしゃ。そうと決まりゃ抵抗出来ないように、リングや匣兵器も根こそぎ取り上げときましょう!」
二人がワイワイやっている後ろで、山本達は何が何だか分からないといった様子だった。