幻想殺しと電脳少女のボンゴレ生活   作:軍曹(K-6)

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隔日投稿ができない自分が恨めしい。

え? 毎日投稿してるだろうって? アイディアに技術と力量が足りてない証拠です。


第三話 古美術商の男。古里真

パーティからの帰り道、運悪くも迷子になってしまったツナは、道路沿いにあった一つの店へと入っていった。

 

「・・・すみませーん」

 

遠慮がちにそう言いながら店内に足を踏み入れるツナ。外のショーウィンドウを見る限り開店時間なのだが、中には誰もいなかった。

それでも外は雨が降りだして、少しでも濡れたくなかったツナは、とっさに近くにあったこの店に入ったのだった。

 

(・・・・・・誰もいないのか? いや、でも開店時間だったし・・・)

 

ツナはそんな事を考えながら店内を見渡す。骨董品、アンティークが立ち並ぶその棚から視線を横にずらした時、椅子に置かれた一体のビスクドールにツナは小さく悲鳴を上げる。

 

(・・・あーっ! びっくりしたーっ!! 西洋人形かよ。いや、日本人形も怖いけど。あ、日本人形(フィギュア)なら大丈夫だぜ)

 

一体誰に言っているのか。心の中でそう言うツナの後ろ姿に近づく影があった。

 

「・・・あれ、もしかしてお客さんだったかい?」

「うわっ!?」

 

飛び退くように振り向いたツナは後ろにあるビスクドールに肩が当たって、台から落としそうになる。

 

「わっ、わたたっ。わっわっ!」

「あはは。大丈夫かい?」

 

両手の上でぴょんぴょんと跳ねるビスクドールを何とかしようとするが、笑いながら店主さんに奪われた。

 

「あ、う・・・・・・」

「さて気にしなくていいよ。滅多に客が入らないからつい作業に没頭していた私が悪いんだしね、こういう場合」

「あ、ありがと・・・」

「キミは迷子かな? 名前は?」

「ツナ。おじさんは?」

「私はこの骨董店を営んでいる、古里真と言います」

「こっとーてん?」

「こういう・・・アンティークを扱うお店の事だよ」

「あんてぃーく・・・」

 

ツナは興味が少し引かれたように時計を見るが、その思考は全く別の場所へ飛んでいた。

 

(古里真。まぁ間違いなく、(ツナ)の親友・古里炎真の父親だ。古里炎真。

 

シモンファミリー

 

それはボンゴレ初代・・・ジョットがその先駆けとなる自警団を作るきっかけを起こした人物のファミリーだ。そのファミリーを起こし、ジョットの友人で在ったシモン・コザァート。彼はD・スペードの策略のせいもあり、自らマフィア界の影となることを選んだ。その道はとても辛く、子孫である炎真たちも沢山苦しんでいた。それでも、デーチモの時代であるツナ達の時代で、漸くその存在を公にすることが出来るようになった・・・だったか)

 

そんな未来での親友とも呼べる存在になる人間の父親と、何の因果か知り合ったツナは、骨董品についていろいろ聞いていた。

 

「いやー。私にも君と同じくらいの息子がいてね。仲良くなれると良いけど」

「うん。会ってみたいな」

 

ボンゴレのせいで、シモンファミリーは家族を喪った。ボンゴレのせいで、炎真は目の前で家族を殺された。それを行ったのは主にD・スペードだったが、ツナがボンゴレを継いだ以上、その罪の意識は絶対に持ち続けなければいけない。

 

“こんな間違いを引き継がせるくらいなら、俺がボンゴレをぶっ壊してやる!!!”

 

未来で、ボンゴレの業を見せられた時にツナが宣言した気持ち。

おそらくだが何よりも、炎真たちの存在を知って、苦しみを知って、より強く思うようになったであろう。マフィア界の浄化とボンゴレの解体を。強者によって、弱者が虐げられることにならないように。一部の者だけが笑って、その陰で誰かが泣かないように。そんな信念を。

 

(つまる所、炎真達(シモンファミリー)の全員を助けてやろう。原作改変をしよう。という事である)

 

「ツナヨシ君!」

「あ・・・かのんちゃんのお父さん」

「ツナ君!」

「かのんちゃん!」

「お迎えかい?」

「うん」

 

ツナは立ち上がるとかのんと話を始める。かのんの父親は少し険しい顔をすると真さんに近づいていく。

 

「・・・もしかして。古里さん」

「ああ。コーデリアさんか」

「ツナヨシ君の事ありがとう御座います」

「彼は?」

「ボンゴレの・・・門外顧問の子供です」

「へぇ。それは凄いね」

「えぇ、なかなかな境遇に生まれた子供で・・・」

「おとーさん! ツナ君空港に送るんでしょー?」

「あ、ああすまんすまん!」

「謝ってるの!?」

「謝ってます」

「ありがとうございました」

「またおいで」

 

優しく手を振る真に手を振り返し、ツナはイタリアを去った。




少し間隔を開けさせてください。流石に毎日は無理でした。

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