幻想殺しと電脳少女のボンゴレ生活   作:軍曹(K-6)

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第二十九話 守護者対決 晴と雷

そして、リング争奪戦が始まった

 

第1戦目は、ボクシングVSムエタイと格闘家対決となった晴の守護者戦。

ヴァリアーの先鋒として現れたルッスーリアに有利かと見られた戦いだったが、京子達の乱入により力を得た了平の伝導率100%の“極限太陽(マキシマムキャノン)”により、左足に埋め込まれた“メタルニー”を砕かれてしまった。

 

「私はまだ闘えるわ!! ・・・さぁ!早くやるわよ!!」

 

余裕なく叫ぶルッスーリアをゴーラ・モスカの指から放たれた弾が容赦なく打ち抜き、ルッスーリアはその場に倒れた。

 

「・・・なっ!」

 

驚愕する獄寺達だが、それがヴァリアーの最強たる所以であるとリボーンに言われ、沈黙した。

そして、晴の守護者戦はルッスーリアの戦闘不能により了平の勝利となり、一時はコロネロによって校外に連れていかれた京子達が戻ってくる。

と、言っても気付いたのはツナだけだったが。

 

「どうしたの京子ちゃん?」

「つ、ツナ君。ホントのこと教えて? お兄ちゃん何をしてるの? ・・・本当に、危ないことじゃないの?」

「えーっと。見ての通り異種格闘技戦で・・・」

「異種格闘技戦?」

「そうそう。了平さんはボクシングがとても強いよね。それを生かした試合をしてたんだよ。ただちょっと向こうの人が厳しいって言うか容赦がない人だったみたいだけど・・・アハハ」

 

何とかそれでごまかせたツナだった。

 

 

 

―――翌日の夜。

ランボは善戦していた。ツナが内緒で鍛え上げたその実力はまだまだ未熟なものの、翻弄し鋭い一撃を入れることは可能となっていた。

 

「おい、アレってツナの技じゃねーか」

「うん、そうだね。教えたのは俺だけど」

「ランボの家庭教師はツナだったんだな」

 

ランボの技にレヴィはやられていく。

 

「くっ・・・。こんなガキに!」

「ランボさんサイキョー!」

「あっはっはー。やれーランボー」

 

ツナは間の抜けた声で応援する。鍛えたのは自分だが、まさかここまで行くとは思いもよらず、できれば自分が介入して失格するような状況になってほしいというのがツナの本音だったりする。

 

そして、結果はランボの圧勝。と思われた所で、雷がランボの体にスタジアムを通して浴びせられた。

 

「あ!」

「電撃皮膚のおかげでダメージは少ないとは言え、ヤバいな・・・」

 

リボーンのその言葉通り、ランボは十年バズーカを使って未来のランボと入れ替わる。だが、愛気の技を使えると言っても、準備の時間を与えてしまっていた。レヴィの電撃で再度十年バズーカを使ったランボは二十年ごと入れ替わるが、時間切れで元の子牛に戻ってしまった。

 

「・・・あ、アイツ」

「・・・・・・ツナ?」

 

リボーンはツナのただならぬ気配をただ一人感じ取った。

 

「ランボを蹴りやがった。あんな幼い子を・・・足蹴にしやがった・・・・・・」

「おい、ツナ」

「ぶち殺す」

「待てっ!」

 

ツナは一瞬で死ぬ気モードになるとサーキットの一番外側の鉄線を“焼きゴテ”と称されたXグローブで掴んで熱伝導でステージを壊して見せた。

 

「目の前で大事な仲間を失ったら、死んでも死にきれねぇ」

 

周りでツナの変化に驚くものが大多数だったが、ツナはそんな事は気にせずに言葉を紡ぐ。

 

「いくら大事だって言われても、ボンゴレリングとか、次期ボスの座とか、そんな道ばたに吐き捨てられたガムと同じくらいくだらないもののために俺は戦わない」

「「「!」」」

「だが、俺の友人が・・・仲間が傷つくのだけは許さねぇ!」

「ほざくな」

 

ツナのほぼ背後から攻撃が飛んでくるが、ツナは死ぬ気でもないまま軽く左手を降るって攻撃をかき消した。

 

「・・・やぁXANXUS。重役出勤かな? 遅刻はよくないと思うなぁ?」

 

軽口を叩きながらもツナの目は鋭くXANXUSを射貫いている。

 

「なんだ、その目は・・・。まさかお前、本気でオレを倒して後継者になれると思ってんのか?」

「後継者になんかなるもんかっ! オレは、テストで赤点取って、犬に追っかけ回されて、母さんに怒られて、ダメダメなダメライフを送りたいだけだっ!」

「・・・・・・あの馬鹿ツナ・・・」

「だから・・・。この戦いで、仲間を誰一人失うわけにはいかないんだ!」

「そうか・・・てめぇ!!」

「・・・やるよ。XANXUS」

 

XANXUSの攻撃の斜線上にツナはハーフボンゴレリングを放る。それだけでXANXUSは攻撃をやめてしまった。

 

「はっ。良い判断だ」

 

XANXUSは自分の指に完成したボンゴレリングを着ける。だが、一方でツナも指にリングをはめていた。

 

「これがここにあるのは当然のことだ。オレ以外にボンゴレのボスが考えられるか」

「それはそれはご自由に、いつかお前と戦うのを楽しみにしてるよXANXUS」

 

ツナはそう言って笑った。

XANXUSはそのツナの表情に何かクるものがあったのか、顔をしかめた。

 

「他のリングなんてどーでも良い。これで、オレの命でボンゴレの名のもとお前等をいつでも殺せる」

「「!!」」

「その時は、身体中から体液という体液が流れ出るくらいに痛めつけてあげる」

「・・・ツナならやりかねないぞ・・・」

「今気付いたけど肩にコートかけるって・・・あれ? 厨二病? 痛いコなの?」

「カッ消す!」

「できるものならやってみろ! XANXUS!!」

 

意気込んだツナだったが、リボーンと家光に必死になって止められ、屋上の隅でいじけていた。

 

(・・・ワリーなツナ。まだあいつ等に、ウラヌスリングの事を知られるわけにはいかねーんだ)

「・・・どうせオレなんかお飾りボスだよ・・・・・・」

(ボンゴレリングと似たような機能を持つ、死ぬ気の炎専用増幅装置(のブースター)。ツナが言う通りならボンゴレリングよりも高い出力をたたき出せる。それが本当なら、無知なアイツが持つ低出力ボンゴレリングと、知識のあるツナの持つ高出力のウラヌスリング。これが今の戦い一番の勝負のつきどころだ!)

 

二戦目はツナとランボの敗北で終わった。


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