幻想殺しと電脳少女のボンゴレ生活   作:軍曹(K-6)

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第二十八話 邂逅

十日後まで来ないと言っていたヴァリアーが来ていた。ちなみに、ツナは死ぬ気の零地点突破はリボーンの満足する程度には習得出来ている。

 

「さーて。ランボはどこかなぁ~」

 

亜音速で並盛を駆けるツナ。これで死ぬ気の炎を使ってもいなければ、死ぬ気ですらないという。

 

「お、いたいた」

 

ツナがランボ達を見つけて近づくと、丁度了平、山本、獄寺の順に敵を倒して登場した。

 

「あっはっはー」(チッ。愛気の技を久しぶりに使いたかったのに。多人数技とか使ってないんだよなぁ久しく)

「十代目!」

「しかし思ったより骨のない連中だな」

「部下の部下みたいなもんだからね」

「! 来るぞ」

 

闇から男が現われる。

 

「・・・・・・・・・。お前達がやったのか」

「「「「!!」」」」

「雷のリングを持つ俺の相手は、パーマのガキだな」

「!」

「邪魔立てすれば皆消す」

「「「!」」」

「待てェ、レヴィ」

 

止めに入ったのはヴァリアー仲間。彼らはレヴィにこう言った。

 

「一人で狩っちゃダメよ」

「他のリングの守護者もそこにいるみたいなんだ」

「ゔお゙ぉい!!! よくもだましてくれたなぁ、カスども」

「あ、よく無事だったね」

「!」

「あんにゃろう」

「雨のリングを持つのはどいつだぁ?」

「オレだ」

「なんだぁテメーか。三秒だ三秒でおろしてやる」

 

ピリピリした空気の中、ツナは眠そうに目をこすっていた。

 

「のけ」

「でたな・・・。まさかまたヤツを見る日が来るとはなXANXUS(ザンザス)

「「「「!!」」」」

 

XANXUSは殺気を霧散させ、全員の行動を封じる。

 

「沢田綱吉・・・」

「なぁに?」

「まさかボス・・・アレを!?」

「オレ達まで巻き込む気か!?」

「ヤベーぞ! (ツナ以外)逃げろ!」

「死ね」

「お前が死ね♪」

 

変声期が来てない声で放たれたその声は、XANXUSの殺気を一回りも二回りも上回り、その場を支配する。敵味方含めて誰一人動けなくなった。

ツナの子どもらしい笑顔では想像出来ない圧力の殺気に、その場の全員は重力すら感じていた。

そのまま。笑顔のままツナは拳を握る。死ぬ気の炎も何も纏っていないただの拳。

 

()()

 

この場にいたリボーンそして駆けつけた二人はその威力を、恐ろしさを知っている。

飛び出して拳を振るおうとしたツナの目の前にツルハシが刺さった。それでも拳の勢いを()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()が響き、空気の塊が可視化して天に昇っていった。

 

「なんだありゃ・・・」

「アイツ、大空だろ・・・。なんだよこの威力・・・」

「・・・ツナ。そこまでにしておけ」

「あ、アイツは・・・」

「ここからはオレが取り仕切らせてもらう」

「なーに格好つけてんの? 邪魔しないでよ父さん」

「なっ、十代目のお父様!!」

「家光・・・!」

「て・・・てめー、何しに」

「XANXUS、お前の部下は門外顧問であるこの俺に剣を向けるのか。・・・それと、命の恩人に礼くらいは言ってほしいな」

「ハァ? 命の恩人だぁ?」

「お前はツナの拳を受けて生きていられたのか? 言っておくが、ツナは拳圧だけで山一つ吹き飛ばしたからな」

「何それ・・・。晴の守護者より強いんじゃないの・・・?」

「流石です十代目!」

「獄寺君。いつもの調子に戻るのが早いよ」

「今更、門外顧問の出番でもねーだろうがよぉ!! 家光ッ!!」

「いいや、ここからは俺達門外顧問が仕切らせて貰うぜ」

「ねぇねぇ。面倒だから全員ぶっ飛ばしていい? それか暇つぶしにヴァリアーの下っ端数十人貸して」

「ツナ。落ち着け、黙ってろ」

 

リボーンの忠告を無視してツナは突っ走る。

 

「あ、じゃあこうしよう! 同じリングを持つ守護者同士一対一のガチバトル!」

「はっ、良いだろう。一対一で敵うのか?」

「全部取られても取り返せる自信はあるよ?」

「なら、同じリングを持つ者同士で、正々堂々ガチンコバトルだ!」

「「お待ちください」」

 

 現れたのは、顔の上部分を覆面で隠した同じような容姿をした女性二人。

 

「ここからは、我々チェルベッロ機関が仕切らせて頂きます」

「ここに、九代目の死炎印もあります。・・・異存はありませんね?」

「・・・待て、俺はお前達の組織のことは知らないぞ」

「我々は九代目直属の機関です。沢田家光氏、貴方の力の及ぶところではありません」

 

チェルベッロ達はXANXUSに視線を向け、XANXUSが何も言わないことを確認すると、無表情ながら満足そうに頷いた。

 

「ご納得頂きありがとうございます。・・・それでは、明日の夜並盛中にてリング争奪戦の第1戦目を行います。対戦カードはその際に発表致します」

 

チェルベッロ達がそう宣言するのと同時に、ヴァリアーの幹部達は光に包まれ、その場を去った。

 

「・・・・・・・・・おやすみ」

「寝るな! 獄寺、山本、了平、お前らは修行を続けろ。まだ、完璧じゃねー奴もいるだろ。ギリギリまでやれ。じゃねーと・・・死ぬぞ」

 

それは脅しではない。あちらは『ヴァリアー・クオリティー』なんて呼び方がつく程一流の暗殺者だ。

 

「争奪戦となりゃ奴らも本気でくる。・・・覚悟してかかれよ」

「寝て良い?」

「お前はもちっと緊張感を持ちやがれ!」


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