幻想殺しと電脳少女のボンゴレ生活 作:軍曹(K-6)
第二十三話 嵐の予感
ツナが晩ご飯の遅さにしびれを切らし、ダイニングに降りてくる。と、そこにはおびただしい数の料理があった。
「え? 何これ、すげーごちそう・・・。しかもまだ作ってるし・・・」
「ツナ。これはどういう事?」
「ツナ兄が100点取ってきたとか?」
「そんな事じゃ母さんはここまでしないよ・・・。恐らく、これは・・・・・・」
「ランランラー♪」
「母さん!」
「あら、ツっ君~♪」
「包丁危ないから! どうしたんだよ。何か、態度変だよ?」
「あら、そうかしら・・・? そーいえばツナにまだ言ってなかったわね。二年ぶりにお父さん帰ってくるって」
「え? 父さんが帰ってくる?」(ヴァリアーがもう少しでくるのか・・・。こりゃ、凪の修行を早めなくちゃ・・・。あとランボの修行も。もう十分強いけど)
―――翌日。
「へー。良かったじゃねーか。親父さん帰ってくるなんて」
「うん・・・まあね・・・・・・」
「十代目のお父様がご健在だとは・・・。帰ってこられた暁にはご挨拶に伺います!」
「いやいや、いーよ! オレが一番関わりたくない面倒事の原因だし・・・」
「ハハハ。何だよ面倒事って」
「おぼろげな記憶なんだけど、父さん。多分ボンゴレ関係の仕事をしてると思う」
「「!」」
「ボンゴレって・・・」
「マフィアごっこじゃねーの?」
「・・・山本はそうだったね。もうそれでいいよ」
「マジですか?」
「恐らく、俺の記憶が正しければ。だよ、獄寺君」
その後、何故か中学生メンバーとちびっ子メンバーで街中に繰り出し遊ぶことになった。
「・・・まだかな」
「・・・? 何が? ツナ君」
「あ、いや。何でも」
「・・・でも良かった。私、ツナ君が黒曜から帰ってきた時ホッとしたんだ」
「はえ?」(フラグって回収しないと先進めないの?)
「もっと恐い感じになっちゃうかと思ったけど、ツナ君はいつものツナ君でなんかホッとしちゃった」
「あ、そ、そう?」(恐い感じって何だろなー?)
「・・・・・・ねぇ、ツナ君」
「ん?」
「何の音だろ?」
「爆発音?」(来た)
近くのビルが爆発し、ツナの元に一人の少年が飛来してきた。それを、ツナは冷静に対処し勢いを殺して地面に着地させた。
「ふぅ」
「す・・・すみませ・・・。!! ・・・・・・おぬし・・・・・・!!」
「・・・二十一世紀におぬしって・・・」
「十代目ー!!」
「大丈夫か、ツナ!!」
「大丈夫、そんなに頼りなく見える? 俺」
「いえ、そんな事は・・・」
「ゔお゙ぉい!! なんだぁ? 外野がゾロゾロとぉ、邪魔するカスはたたっ斬るぞぉ!!」
「あぁ!?」
「・・・・・・」
「・・・なんなのさ。一体」
「嵐の予感だな」
そう言った後、リボーンは京子やランボ達を冷静に避難させる。
「すみません沢田殿」
「ん? その謝罪は何? これからしこたま迷惑掛けること? それとも、あのオモチャを俺から取り上げようとしてる?」
「・・・へ?」
「ゔお゙ぉい。もう鬼ごっこは終わりにしようや」
「そうだな。おい、ロン毛。俺と遊べ」
金属製の小手を両手に着けたツナは笑う。
「貴様ぁ・・・、このガキとはどーゆー関係だぁ? ゲロッちまわねーとお前を斬るぜ」
「出来るものならやってみな」
と、その時。上からダイナマイトが降ってきた。
「!! ―――なんだぁ?」
「その方に手を上げてみろ。たたじゃおかねぇぞ」
「ま、そんなとこだ。相手になるぜ」
(あっれー? 邪魔しないでってば・・・)
「てめーらもカンケーあんのか。ゔお゙ぉい、よくわかんねーが一つだけ確かなことを教えてやんぜ。オレにたてつくと、死ぬぞぉ」
「その言葉、そのまま返すぜ」
「ありゃ剣だろ? オレから行くぜ」
「やめてください! おぬし等の敵う相手ではありません!!」
「ん?」
「!」
「マジで?」
(なんでツナ嬉しそうなんだ・・・)
「後悔してもおせぇぞぉ」
「行くぜっ」
二人の剣が交わる。何度も何度も打ち合ううち、ロン毛が何かに気付いた。
「貴様の太刀筋。剣技を習得していないな」
「だったら何だよ」
「軽いぞぉ!!!」
その瞬間。剣から何かが飛び出し爆発を起こした。
「! 火薬!!?」
「山本!!」
直撃ではないにしろ、全身の所々に焦げ後を作って地面に倒れた。
「ヤロッ!!」
「おせぇぞ」
「!?」
煙幕の中から現われたロン毛が獄寺のダイナマイトを纏めて切断する。そして、蹴り一発で沈んだ。
「ぐあっ」
「獄寺君!」
「ゔお゙ぉい。話にならねーぞぉ。こいつら。死んどけ」
ロン毛が振るう剣を、ツナは余裕の表情で防いでみせる。さらに続けて連撃が放たれるが、その全てを捌いてみせる。
「え? 何これ。つまんね。力業だし・・・よっわ」
「ゔお゙ぉい・・・。なんだとてめェ・・・」
「じゃあ今度はこっちの番♪」
ツナはそう言うと、即。攻撃に移る。瞬間的にロン毛に近づくと、数百にも近い「払い」を繰り出した。
「なっ」
「ここからお台場当たりまで飛ばしてあげようか?」
ツナはさらに
払いを強め体勢を崩していく。
「な・・・にぃ・・・」
「リボンヌ。山本のバット、二本ない?」
余裕そうな笑みを崩さないツナは、どこにいるかも分からない相手にそう聞いた。すると、どこからともなくバットが飛んできた。
ツナはそれを拾い上げ、山本が持っている刀も拾う。
「山本、借りるよ・・・。ありがとリボーン」
ツナは勢いづけてバットを振り、刀の形にして構える。
「ゔお゙ぉい!! 俺相手に剣術かぁ? 悪いが二刀流の剣士なんて山ほど見てきたぜぇ!」
「あ、そう?」
そしてツナは高速で回転しながらロン毛に突っ込んでいく。
「ゔお゙ぉい。それじゃあ子どもに考えさせた必殺技のレベルだぁ!」
「ふーん」
ロン毛が横薙ぎに払った剣をかわすように空中で回転を続けたまま、飛び越してかわす。
(?!)
(今のは・・・!? まるでUFO・・・!)
が、
「あ」
勢い余って近くのガラスに突っ込んだ。
「って、窓に飛び込みやがった!?」
「あ、あれも何かの技のうち・・・!!」
「いや、違ぇだろ」
「!?」
(
ガラスの奥からツナが出てくる。
「おー、いってー。なかなかやるなチミィ」
「ただの自爆だろ」
(相変わらずこの技は難しいなぁ。新しい体で出来るようになるまで一体どれほどかかるのやら・・・・・・)