幻想殺しと電脳少女のボンゴレ生活   作:軍曹(K-6)

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第十二話 入ファミリー試験

「・・・ふぁ~。眠い」

「よぉツナ」

「山本。おはよ」

「なんだ、寝不足か? クマできてんぞ」

「ちょっと勉強をね・・・」

 

中学生らしい言い訳をしたつもりでいたツナだったが、山本は何故かとても驚いていた。

 

「ツナが・・・勉強!? そ、そう言えばこの前テストで百点取ってたよな!」

「あ、うん。そうだけど」

「俺にも教えてくんね?」

「あはは。山本は本当に野球()()なんだなぁ」

「おまえ~」

「「あははははは」」

 

二人で笑い合っていたツナと山本だったが、それを遠くから見ていた人物がいたらしく。

 

「っつーわけで、獄寺を納得させる為にも、山本の『入ファミリー試験』をすることにしたんだ」

「俺が納得出来ーん!! そもそも俺マフィアになる気なんてないし! 勝手に決めんなし!!」

「もう獄寺に山本を呼びに行かせたぞ」

「はい?」

 

(・・・回れー右。位置について・・・。行く先に八九寺がいると考えろ・・・。よーい。ドンッ!!)

 

ツナは地面を蹴って高速で走り出した。

 

(はぁあぁあちくじぃいぃいぃいぃいぃいぃいいい!!!!!!)

 

心の中で愛しの少女を呼びながら。

 

 

ちなみに、そんな速度で走って、急ブレーキをかけた物だから原作通りスケボーで付いてきていたリボーンが吹っ飛ばされたのはまた別のお話。

 

「はいはい二人とも何も起きてないね!?」

「十代目!」

「よぉ」

「何そいつ。ツナの弟?」

「は?」

「ちゃおっス」

「あ、リボーン」

 

トコトコと戻ってきたリボーンを指して山本が問う。ツナがどう答えるかと悩んでいたら。

 

「弟じゃねーぞ。俺はマフィアボンゴレファミリーの殺し屋リボーンだ」

「・・・それで、俺の家庭教師で腕利きの殺し屋(ヒットマン)。俺をそのボンゴレファミリーの十代目にする為にわざわざイタリアから来たんだって・・・。俺なる気ないのに・・・・・・」

「ハハハ。そっか。そりゃ失礼した。こんなちっせーうちから殺し屋たぁ大変だな」

「そーでもねーぞ」

「よーしわかった。んじゃ俺も入れてくれよ。そのボンゴレファミリーってのに」

「あ、え? 入るの? 止めようよ。まだ中学生じゃん。バイト禁止だよ?」

「で、なにすりゃいいんだ?」

「まず入ファミリー試験だぞ」

「俺の言葉はガン無視ですかそうですか・・・」

「っへー。試験があんのか。本格的じゃねーか」

「試験に合格しなくちゃファミリーには入れないからな」

(あ、これ多分。ボスと威厳を見せろとかなんとか理由をつけて俺も参加させられる奴だ。今の内に小手着けとこう)

 

ツナは隠れてコソコソと金属製の小手を着ける。

 

「ちなみに不合格は死を意味するからな」

「ハハハ。マジでお前面白いな。気に入ったぜ」

「試験は簡単だ。とにかく攻撃をかわせ」

 

言いつつリボーンは二丁のサブマシンガンを取り出した。

 

(おいおい。いきなりハードル高いな)

「んじゃはじめっぞ。まずはナイフ」

「うおっ」

(投げナイフも可能・・・マジでリボーンすげーな)

「ボスとしてツナも見本を見せてやれ」

「んん?」

「そいつぁーいい。どっちが試験に受かるか競争だな」

「んんん?」

 

ツナはため息をつくと、投げられたナイフを地面にははたき落とす。

 

「・・・別に、避けなくても良いだろ?」

「ま、そうやり続ける事が出来たらな」

(簡単だっつの)

「おっと。いい肩してらー」

「流石野球で鍛えてるだけあるな。反射神経バツグンだ」

「そーっすかね~」

「しかし最近のオモチャってリアルだな―――。本物のナイフにしか見えなかったぜ」

「本物なんだよ! アイツはマジで殺す気で投げて来てんの! アイツ絶対赤ん坊じゃない!!」

「次の武器はボウガンだ」

「ゲッ。先回り」

「やるね-」

「ガハハハハ、リボーンみーっけ!!」

「今度は何だ?」

「ランボか」

「おれっちはボヴィーノファミリーのランボだよ!! 五歳なのに中学校に来ちゃったランボだよ!!」

「ボヴィーノ? 聞かねー名だな。リボーンさんどうします?」

「続行」

「はぁ」

 

リボーンが撃ってきたボウガンの矢の軌道を、ため息交じりに小手を使ってさばいていくツナ。

だんだんとリボーンが腹を立てているのが分かる。

 

(あー。大人しく逃げ回っとけ。って感じなんだろうな)

 

ランボのミサイルも、リボーンのサブマシンガンも全てさばききるツナ。

 

締めと称し、リボーンはロケット弾を持ち出してきた。

獄寺のダイナマイト。リボーンのロケット弾。ランボのミサイルがツナに襲いかかる。

が、

 

「あーあー。爆発するぞ? これ」

 

ツナはそう言うと、全部リボーンに向かって弾いた。

 

(あ、やべ。肩外れかけてやがる)

 

そう思って止めた瞬間。弾き零れがあったらしく、ツナの方に数発向かってきていた。

 

(あーやべ)

「あぶねっ!」

「わっ?!」

 

 

「・・・すげーのな! ツナって」

「あ、まーね」

「馬鹿ツナが!」

 

何とかかわしたのだろう。勢い良くツナに跳び蹴りをしてきたリボーンだったが、直前で勢いをゼロに殺された。

 

「そう、何度も蹴られるかってんだ」

「・・・まあいい。試験合格だ。お前も正式にファミリーだぞ」

「サンキュー」

 

何とか獄寺も山本の事を認め、一件落着といった所だろう。




ツナ「認めないって言ってるだろ!?」
リボーン「山本自身がやりてぇって言ったんだぞ?」
ツナ「・・・・・・」

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