やはり俺が人助けをするのは間違っている   作:雪だるまぱないの

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2日間更新ができず申し訳ない...

夜勤しんどいんや...




幻想

「よし、それじゃあブラックトリガーを起動してみてくれ」

 

 

「わかりました、トリガー起動」

 

 

遠足から1ヵ月がたち今俺はボーダー本部の仮想訓練室に来ている。

 

 

目的はブラックトリガーの能力を正確に把握するためであり、実践の相手として真史さんに付き合ってもらっている。

 

 

ちなみに見学人は慶さん、柚宇さん、和人、アスナ、小町、直葉、それと開発室から鬼怒田さんとユウキだ。

 

 

 

このメンバーしか見ていない理由は当然内部の裏切り者へブラックトリガーの能力がバレることを避けるためである。まぁ実際ランク戦でブラックトリガーは使えないし普段はノーマルトリガーなわけで連携なんかのために他のヤツらに見せる必要もないしな。

 

 

 

 

 

 

「それじゃあ戦闘を始めるぞ、何か違和感や疑問があればその都度言ってくれ。」

 

「あ、じゃあ今俺の位置って開始位置からどのぐらい動いてますか?」

 

「だいたい右前に5mってとこかな?」

 

俺が聞くとユウキが答える。これで能力はほぼ確定だな、あとはどれ位融通が聞くのか。

 

「真史さん、とりあえず攻撃してみて貰えますか?」

 

「よし、わかった。旋空」

 

 

 

 

真史さんがそう呟くと俺の右約2mほどの場所に一瞬で5本ほどの斬撃の後ができた。いや、真史さんチートすぎるだろ、こんなもん見えたとしてもよけられんわ。

 

「八幡、どうだ?」

 

「あ、はい。真史さん、切った感じの感触はどうでしたか?」

 

「当たった感じはあった。ただ、全く効いてない。って感じだな」

 

 

当たった感触があるのは大きいな、それだけで充分意味がある。

 

 

 

「他のみんなはどうだ?」

 

「俺から見ても当たってはいたぞ、別にすり抜けたとかそういう感じじゃ無さそうだ。」

 

慶さんがそう答える、それなら複数相手でも使えるってことか。やっぱりブラックトリガーってチートなんだな。

 

 

 

 

 

「それじゃあ今から動いてみます、ユウキ、ステージを遮蔽物が多いステージに変えてもらえるか?」

 

「OK、じゃあ変えるよ?」

 

ユウキにそう頼むとステージがビル群のある場所に変わる。さて、次の実験だ。

 

「真史さん、それにみんなも俺の動きに違和感があったら教えてくれ。」

 

「あぁ、わかったぞ。」

 

その確認をとり俺はビルの間を壁を蹴りながら上へと移動していく。

 

「どうでしたか?」

 

「いや、なんというか壁に向かって走っていったと思ったら壁にぶつかると同時に消えた。で、気付いたら反対の壁を蹴っていて上まで上がっていった、って感じかな?」

 

なるほど、無理な動きをしたら無理がなくなるように勝手に修正されるのか、まるでゲームみたいだな。ま、実際そうなんだけどね。

 

 

 

 

 

「なるほど、じゃあ次に行きます。ユウキ、ステージを戻したら鬼怒田さんに目を瞑らせてくれ。」

 

「OKー、鬼怒田さん目を閉じてってー。」

 

「ん?目を閉じればいいのか?」

 

ユウキがステージを戻し鬼怒田さんが目を閉じる。さて、次の実験に行こうか。

 

「真史さん、今から俺はブラックトリガーを一度解除します。もう一度発動するので発動した後で目を閉じてください。」

 

「わかった、発動したら指示をしてくれ。」

 

「了解です、それではトリガー起動。真史さん目を閉じてください、それと鬼怒田さんは目を開けてください。」

 

真史さんと鬼怒田さんに指示をだす。それを聞いた後真史さんは目を閉じユウキの指示で鬼怒田さんは目を開ける。

 

 

 

 

「では真史さん、気配を頼りに俺を縦切りにしてください。もちろん動いてもらって構いません、鬼怒田さんはその様子をしっかり見ていてください。」

 

「わかった。よし、行くぞ。」

 

「なんだ、ワシは見ておくだけでいいのか?」

 

ユウキから通信が鬼怒田さんに代わりそう告げる

 

「えぇ、むしろ今回は鬼怒田さんの目が頼りですから。」

 

そう言うとまぁ、それならいいが。と若干納得していない様子のたぬき。っと鬼怒田さん。

 

そんなやりとりをしていると真史さんが斬りかかってくる。

 

「当たったな、どうだ?」

 

「おい忍田よ、どこを切っているんだ?」

 

「え?開発室長、それはどういう意味で?」

 

「あ、じゃあトリガー解除しますよ。」

 

 

 

 

大体の成果は得られたし、と思いトリガーを解除すると真史さんと見学人(鬼怒田さん以外)は驚きの表情をみせる。

 

 

そりゃそうか、他の人からみれば俺がノームーブで瞬間移動したように見えるんだからな。

 

 

「あれ?今確かに八幡を斬った手応えはあったんだが...?」

 

「まぁ要するにそれがブラックトリガーの能力なんですよ。俺の、このブラックトリガーの能力は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

実態のある幻覚をみせる能力です。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それなら昌彦さんの才能と願いに説明がつく。非現実の世界に本物という名の夢を求めた昌彦さんが作ったブラックトリガーだからこその、そして本物を見つけようとした俺にだからこそ使えるトリガーなんだろう。

 

 

「ちなみに幻覚にはある程度命令をすることもできました。まぁ俺のできる範囲の動きしか不可能でしたけどね。それにブラックトリガーの発動を見ていない鬼怒田さんには幻覚は見えませんでした。なので恐らくはブラックトリガーの発動を見たもののみに作用する能力であると思います。それとブラックトリガー使用中でもノーマルトリガーの使用が可能です。」

 

これは俺が1人で実験したことだ。あの時はネイバーに隠れていたせいで見えなかったがこの幻覚はどうやら俺にも見える。それに今回のユウキの反応を見た感じカメラも騙せそうだ。

 

 

 

「なんというか、さすがブラックトリガー。といった感じだな。」

「すげえなあれ!なんか俺も欲しいんだけど!」

「凄いねハチくん〜」

「あれ、実際ほとんど無敵なんじゃ...?」

「あぁ、トリガーの発動から目を背けるなんて普通は自殺行為だしな。」

「んー、小町には何が何だかさっぱりです!それと和人さん!もし目を背けたらお兄ちゃんは絶対ノーマルトリガーを使って闇討ちすると思いますよ?」

「あぁ、八幡さんならやりそうかも...」

 

みんな思い思いの感想だ、それと小町。それに関しては正解だ。ブラックトリガー発動時に目を瞑ることを確認したら即座にノーマルトリガーを発動して殺せばいいからな。

 

あとこれも実験で分かったことだがノーマルトリガー使用後にブラックトリガーは発動出来ないみたいだ。なんでなのかはよく分からんがな。

 

逆にブラックトリガー発動後ならノーマルトリガーを発動できる。これも意味がわからん。

 

 

「言っとくけど和人、弱点はあるぞ。一番の欠点はブラックトリガー使用状態でも俺に攻撃は当たるってことだ。つまり範囲攻撃とかには弱い、まぁある程度俺がよけられるから問題ないけどな。それと増援にも弱いな、追加できたヤツらには俺の本体が見えるわけだから。」

 

「でもそれなら一度ブラックトリガーを解除してもう一度使い直せば終わる話なんじゃないのか?」

 

「それだと最初にかかったヤツにバレる可能性もある、それに増援が大量にいたら何人かは見えない可能性もあるしな。」

 

俺がそう言うとなるほど...と和人も納得していた。

 

 

 

 

「まぁノーマルトリガーも使えるならノーマルトリガーの修行あるのみだな、それよりお前ら全員Bに上がったんだろ?シノンが言ってたわ。今日はお祝いだ!」

 

「お、4人とももうB級に上がったのか?よし、なら今日は俺が奢ろう。慶、適当に店を予約しておいてくれ。」

 

どうやら俺達のB級昇格の祝いをしてくれるようだ、なんというかほんとにいい先輩と上司を持ったな...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そういえば裏切り者とやらはまだ動きを見せないな、まぁまだ約1ヵ月だし動き用がない、と見た方がいいのか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんて考えていると慶さんが「カゲの店予約取れたから行くぞー!」と叫んでいる。ま、考えるのは後でもいいか。

 

そう思い先に訓練室をでたみんなの後をおいかけた。

 

 

 




今回でようやく八幡の黒鳥の能力が明らかになりましたね!

いやー、普通に考えたらチートですよねこれ。

でもユウマの黒鳥の方がよっぽどチートだしなぁ...

次回はカゲさんたちが登場!

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