まぁ、幕間のお話しなんで本編の間でリアルや主人公たちとは別に何が起きているか程度をネタバレしない程度に書いてるだけなんで時間は元から掛からない仕様なんですがね(笑)
オラクルの世界にプレイヤー達が囚われてから、3日・・・いや、間もなく4日が経とうとしていた。連日報道される今回のプレイヤー達の未帰還事件は、PSO2製作スタッフ、その中でもプロデュサーである酒井は犯罪者のごとく取り上げられニュースやワイドショーのキャスターやコメンテイターから罵詈雑言に近い意見を浴びせられていた。
無論、番組などには出ず写真やニュース用の動画が流される中での話だが、銃犯罪者同然の扱いだった。
そんな中でも今回のモニター試験に対しての説明に、流石に生命を脅かすほどの危機が有るとは同意書に書かれてはいないが、『ログアウト出来ずに最悪の場合日にちを超過してしまう場合が有る』とは記載されてる。などと多少んぼ擁護というか、何でもかんでも「ゲームが一概に悪い」や「今回のAI暴走でなくとも期間日数がずれる可能性だって・・・」などと言えば、「考え足らずが意見するんじゃない」みたいな声が飛び交うのだった。
そんなニュースを横目に通常のPSO2をプレイしている『フィリス』は飽きもせず良くそんなに不毛な議論を続けていられるな。と思っていた。
ニュース自体を見る価値などないと思いながらも、自分の所属しているチーム「Blast!!」のメンバーが囚われている状況の中、少しでも情報を集められればと思いBGM同然としても流していた。PSO2を開いたまま放置しつつ、ネットの海に潜る。
どこも同じような情報と言うよりは尾ひれが付きすぎて、度を越した偽情報と言うよりは都市伝説染みた情報が飛び交っている。やれ「AIが人類を乗っ取りに来て次は工場のロボットが暴走する」や、やれ「無関係な一般人を巻き込んで某国がサイバーテロで身代金を要求してるんだ」などと言った情報が枚挙する事すらバカバカしい内容が並んでいる。
とりあえず、と言うべきか現在普通のPSO2はただのネットゲームという事もあり、サービス停止の話は上がれども、それこそ何でもかんでも悪にしたがる考え無し以外の者は声を上げておらず。SEGAの方でも問題がこっちに飛び火しない限りサービスは停止しないと公表していた。
だからこそであろう、チームメンバーは各々ゲームはそっちのけで情報を集めその正否をこの場で議論していた。
そんな事をしながら、やけにニュースが耳に張り付いてきた。そこには泣き崩れる壮年程の男性や女性がモザイクやボイスチェンジャー越しに泣き泣き話していた。
それはPSO2に閉じ込められた家族を返して欲しいという悲痛な願いだった。何もできない自分を悔やむ声なども聞こえてくる。
そんな事、ここで言っても無駄なのに。と多少冷ややかな意見が自分の中でも生まれるが、今自分に出来る事、している事自体も、囚われている仲間達の助けになりそうではない事は重々承知している。そういう点ではテレビに映っている人達と変わりがないとは頭では分かってはいながらも、気を紛らわせる為に止められなかった。
◇ ◇ ◇
PSO2内
フィリスはいつも通りゲームにログインしたら、この事件で知人となった人達からショートメールが入っていないかの確認。ログインしている人が居ればその人に挨拶とWISでの会話をして、お互いの進捗状況を確認し合う。
機械的な報告だった。何一つ進展しない、分かっている自分たちじゃ何もできない事くらい。分かってしまうから悔しかった。
「何か情報は出たか?」
フィリスが情報を集めている間、いつの間にか同じチームの仲間である、頭から爪先まで深紅に染められた男性キャスト、『ブレイズ』が目の前に立っていた。
「してると思う?」
いじ気混じりに答えてみた。その言葉から察したのかため息を吐いているシンボルアートを流した。
「しんどいもんだね・・・」
ポツリと一言、画面の前とフィリスは漏らした。
「そら、この世界だけでの付き合いかもしれんが、仲間だからな」
やりきれないという思いと、ほっとしているという思いが混ざり合いながら、ぐちゃぐちゃに心の中を駆け回っている。「どうすればいい?」と誰かに聞いて「こうすればいい」と明確に答えが返ってくれば。と思ってしまう。
―――ポン
とポップアップ音が流れた。
それはメニュー画面のアイコンにマークが付き、メールが届いてることを示していた。
メールを開こうと確認する。
差出人の名前は
届くはずのない相手からだった。
お楽しみ頂けたでしょうか?
今回のお話で自分のストーリープロットでは序盤が終了となります。
ストーリー展開を練り直すために読み返すと結構長いですねぇ(乾笑)
ですが、まだ物語は始まったばかり(と言えると良いなぁ)プレイヤー達がどうなっていくのか、AI達は敵味方どちらもどのような考えの下動くのか、全てはこれからです。
そして、この小説を書く上で相談に乗ってくださるチームメンバーフィリアこと、ここで自分と同じく執筆している『アインスト』さんとこの小説にキャラクターとして登場を快く承諾していただいた『マツタケ』さんに心より感謝を
それでは次のお話しでお会いしましょう。
スターウォーズEp1ファントムメナスを見ながら