ONEPIECE~エピソード・オブ・クリューギュロス~   作:与麻奴良 カクヤ

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大変長らくお待たせいたしました。


162 第八十三話 アブナイ瞳

俺の鏡でルフィの首に鏡を張り、バギーが振り下ろす剣を跳ね返す。

それすら出来れば、ゾロとサンジが死刑台をぶっ壊すだろう。

 

しかし、距離が遠い。俺の能力の有効範囲外だ。

更に厄介な事が

 

「やっちまいな!お前たち!!」

「「「やっちまいます!アルビダ姉さん!!!」」」

 

ひゃっほう~~~と金棒を持った女性の命令を受け、俺達の足止めに出てくるバギー一味。

ゾロとサンジが足止めを喰らう。

 

あの女性がアルビダと呼ばれていることが気になったが、同名の人違いだと思うことにした。

俺の知っているアルビダは金棒は持っていても、あんなにも美人ではなかった。

 

 

 

俺は能力の有効範囲内に入ればと、地面を蹴った。

向かう方向は空。

空気を蹴り、脚力だけで宙に浮く技、月歩を使った。

 

空から能力の有効範囲に入らせて・・・・・・

 

 

 

寒気がした。

 

俺が今まで体験したことのない程の寒気だ。

まるで圧倒的強者を目の前にした寒気。

問題は、俺が今まで会ってことがある世界レベルの強者等。

その中でもダントツにヤバい気配だと分かったことだ。

 

その寒気と気配に気を取られ、空にいた俺は落下した。

受け身で衝撃を和らげると同時に今、俺が張れる鏡の中で最も強度の高い物を俺の周りに展開する。

 

どこだ!!?

ローグタウンにこんなバケモノが・・・

 

「ゾロ!!サンジ!!ウソップ!!ナミ!!ジーク!!」

 

ルフィの声が聞こえ、死刑台を見た。

バギーがルフィの首に剣を振り下ろす瞬間、俺は見た。

 

ルフィを見上げる俺の視界の端に映る寒気の気配の正体。

 

そいつは死刑台の真後ろの建物、その屋根の上にいた。

 

恐ろしく整った顔立ち、肩付近まで無左座に伸ばした赤髪はまるで血で染めた様に赤黒い。

そいつは何者にも染められない真っ黒のマントを着て、俺達を見下ろしていた。

何よりも異色なのは、嵐の風によって揺れる前髪から覗く瞳。

左眼は見慣れた銀色、反対側の右眼はこれまた見慣れた金色。

 

そいつのオッドアイは明らかに異常。

そいつはその両目で俺を見ていた。

 

俺がそいつを見上げたことにより目が合った。

 

俺はその瞬間、ルフィのことも敵に囲まれていることも何もかも忘れ、ただひたすら銀と金の瞳を見ていた。

 

なんだ?頭がボーっとする。

とにかくあの瞳を見なくては。

 

そんな感情が頭を占めていた。

 

「わりい、おれ死んだ」

 

誰かの声が聞こえた時、カミナリが落ちて俺からそいつを隠した。

 

雷が落ちた一瞬でそいつは消えていた。

その瞳から視線を外したことにより俺は自由を取り戻した。

 

 




イーストブルーで書きたかったシーンです。

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