ONEPIECE~エピソード・オブ・クリューギュロス~ 作:与麻奴良 カクヤ
まだ受かってはないぞ。
世界を一周する偉大な航路、グランドライン。
そのほぼ中央に位置する世界政府の管理下にある島、マリンフォード。
島の中央にある巨大な建物を中心に幾つかの錬で出来ている敷地こそ、全世界の平和を守る海軍の本部だ。
島一つが軍の物だが、海兵の家族がなど暮らす一般人や将校クラスの個人宅も存在している。
その海軍本部ではお偉いさん方が首をかしげていた。
つい先ほど東の海で最高額の賞金首モンキー・D・ルフィの会議を上げていたが、会議が終わって直ぐに別の会議が行われていた。
先ほどの会議と違い、元帥と二人の中将だけを集めた極秘の最高会議だ。
「遂に奴が船を選びおった」
「ぶはっはっはっはっは!!」
「笑い事じゃないぞ!!ガープ!!奴が選んだ船長はお前の孫だぞ!!!」
緊迫して始まったこの会議だが、それも元帥の一言言った瞬間、終わってしまった。
空気を読まず場を乱したのは海軍本部中将『英雄ガープ』
元帥である『仏のセンゴク』とは大海賊時代以前からの仲な為、こうもふざけても怒られるだけで済む。
「『ジーク・クリューギュロス』奴は彼女の子だよ。必ずあの一味は成長するはずさ」
「……おつるちゃん」
も一人の主席者、『大参謀おつる』名の通り、元帥を支える海軍の参謀だ。
この三人は海兵学校の頃からの付き合い、今回の会議と名の会合がこの三人なわけにも理由がある。
「今まで何もしてこなかった奴が船に入った。これは野放しにはできないね」
「七武海に空きでもあったなら奴を直ぐに入れる様に政府からも通達が来ている」
「当然だね、あいつにはもう知らせたよ。今頃、躍起になって追いかけているはずさ」
「帰らせろ、書類が溜まっている」
ハァ・・・とため息を吐く二人を置いてガープは一人、バリバリと煎餅を食べていた。
俺達の船では大騒ぎになっていた。
新聞から落ちた二枚の紙、それは俺とルフィの手配書だった。
『モンキー・D・ルフィ』三千万ベリー
『ジーク・クリューギュロス』六千万ベリー
お尋ね者になった訳で、ルフィは大はしゃぎ、ウソップも後頭部が隅っこに写っていると嬉しがり、ナミはこれで本格的に海軍に狙われるとガックリしている。
「ジークも賞金首になったんだな。副船長だからか?」
「そういや、賞金も妙に高いな。なんもしてない癖に!」
ウソップとサンジが当たってくる。
俺が説明する前にナミがしてくれた。
「あのね!ジークは元から賞金首なの!」
「元々グランドラインにいたから、イーストブルーじゃ知る人も少なかっただろ。一人で旅をした俺が誰かの下に着いたんだ、そりゃあ賞金も上がる」
それに海軍に目を点けられてたんだからな。