ONEPIECE~エピソード・オブ・クリューギュロス~ 作:与麻奴良 カクヤ
発売日は記念短編を上げます。
154 第七十六話 新聞
朝になると海にはカモメが飛び交う。
ただのカモメではない、『世界経済新聞』通称『世径』。
この新聞を世界中の海に配達しているのが、このカモメ『ニュース・クー』だ。
名の通り、新聞の内容は発行所である世界政府に都合の良い内容しか載っていない。
俺も一度この新聞に載ったことがあるけど、いいように記事の内容が膨張されていた。
真実が伝わらないこともあるこの新聞。地域によっては民間の新聞社もあるが、世界中どこでも手に入る世径を俺は子供の時から読んいた。
「また値上がりしたの?」
今日も帽子と首掛けバッグを付けているニュース・クーが新聞を配達にやって来たのだが買い手であるナミが文句を言っている。
ナミが買うならそれでいいんだが、俺も新聞は出来るだけ毎日読みたい。
助け舟を出してやった。
「嫌なら俺が払うよ」
横からお金をバッグの中に入れて新聞をナミの手から取る。
「あッ!ちょっと!?」
「なんだよ?金を払ったのは俺だ、先に読むくらい良いだろう?」
「ていうかあんた、新聞なんて読んでたの?」
「失礼だな!新聞くらい読まないと情報が入ってこないだろ!」
「へぇ~?」
ナミは俺が毎日新聞を買っていると知ると、何かを考えている目で見てきた。
何か言われる前に逃げよう、そう思った時だった。
「なら、今後もよろしくね」
「何を言って……ッ!?」
ナミは俺にこれから先、新聞を買えって言いたいのだ。
俺が惚けているうちに俺の手から新聞を奪い取って行った。
してやられた!
そう思った時には時すでに遅し、ナミはウソップとの話を終えビーチチェアに座り新聞を読んでいた。
カフェオレでも作ってこようかな?
読み終わったら直ぐに返してもらおうと、ナミの近くに座って待っていると作業をしていたウソップにルフィが降ってきた。
やったのはサンジ、彼はナミがココヤシ村から持って来た三本のミカンの木を守る曰く、恋の警備をしていた。
ルフィはナミのミカンを取ろうとしてサンジに見つかったのだろう。
いいように使われて、これでいいのだろうか?
まぁ、本人が幸せそうだから問題ないか、コックの役割さえ出来ていれば。
ウソップ、いつまで叫んでるんだ?というか目、洗った方がいいんじゃ?
「しかし世の中荒れてるわ。ヴィラでまたクーデターか……」
ナミが新聞のページをめくった拍子に、挟んであった紙が二枚落ちた。
「「「「「あああぁぁぁぁぁッ!!!!!」」」」」
全員が……寝ていたゾロを除く五人が、その紙を見て声を上げた。
なんかタイミングが原作とずれているとこもあるが、二次創作だから気にしないで下さい。