ONEPIECE~エピソード・オブ・クリューギュロス~ 作:与麻奴良 カクヤ
先ずはタコの魚人を速攻で終わらせる!
剃からの回し蹴り。
くゥッ!!
流石、魚人。重たい!
何とかタコの魚人を蹴とばして、海に落とし………た。
ヤバッ!!
魚人を海に落としてどうするんだよ!
俺が焦っていると、ウソップの声が響いた。
「ゾロォ!!!!」
慌ててゾロとアーロンに意識を向けると、ゾロの首元を鷲掴みにして血塗れの包帯をアーロンが引き千切っているところだった。
俺が縫ってあった傷は開いて、血が絶えず流れ出ている。
やっぱり、強引にでも辞めさせるべきだったかな!?
とりあえず、これ以上攻撃を受けないように、ゾロの首より下に鏡を張る。
これでゾロが殺される心配はないだろう。
それよりもあのタコの魚人を海に入れた事が心配だ。
「ジーク、心配しなくても良い。大人しくしてりゃぁ、開かねぇ傷もあっただろうに」
ゾロが俺の事を見透かしたかのように言った。
タコの魚人の事を言ったのか?
「それならいいが、俺はお前の状態が心配だ」
「ハッハッハッ、そう言うことか。そいつは心配しながら見てるがいい!!」
俺が鏡を張っていることにも気づかずにゾロに止めの腕を振り上げて……
「タコ助の事さ…」
「何ぃ!?」
今更気づいたのか、アローンが寸前で腕を止めた。命拾いしたゾロ。
勿論、あのまま振り下ろしても、ゾロに触れることなく俺が張った鏡に遮られて自分の手にダメージが跳ね返ったのだが。
「・・・言っただろ?このゲームは俺達の勝ちだ」
ゾロの勝利宣言。
その時、アーロンパーク付近の海から何かが空に飛び上がった。
俺が言えた事じゃないが今まで役立たずだった、ルフィだ。
ルフィはゾロに手を伸ばして「交代だ!」と言ってゾロを空に吹き飛ばし、アーロンに突っ込んだ。
そのまま攻撃に出るルフィ。
俺は張ってあった鏡を消すとお空に飛んだゾロを回収、もとい救出すべく月歩を使い、その場を離れた。
ルフィの奴、思いっ切り飛ばしやがって。
落ちてくるゾロをキャッチし正面入口の横にある岸に降ろす。
「あいつ……コロス……!!」
「相当怒ってんなゾロ。応急処置したいから仰向けになってくれない?」
降ろすなり、ベッターと地面に仰向けになるゾロは俺に礼も言わず、ルフィに怒りを抱く。
ゾロはあのままだと、海に真っ逆さまに落ちるはずだったところを俺が助けてやった。
無理矢理、仰向けにしてもいいよな。
改めてゾロの傷を見ると、俺が縫った処置が全くの無駄になっていた。
ナミの家から包帯を追加しておいて正解だったな。
ジークを無双、までとはいかないけど、ゾロがルフィに吹き飛ばさせるが為にハチを海に落とすと言う凡ミスを・・・。
ジークはこんなうっかり者じゃないはずなんだけどな………。