ONEPIECE~エピソード・オブ・クリューギュロス~   作:与麻奴良 カクヤ

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145 第六十八話 最後の覚悟

「まだここにいたの!?」

 

能天気なルフィの声に気づいたナミはルフィの胸ぐらを掴むなり怒鳴った。

 

「あんたらには関係ない!!さっさと島から出ていって!!!」

 

そのままルフィを突き飛ばしてナミは走って行った。

ルフィは立ち上がってヤシの木を使って作ってあるテーブルに乗って不貞腐れた。

 

「なーんだよ、あいつ」

「ナミにも色々と思う事があるんだよ。」

 

ルフィの機嫌を直しながら考える。

 

さっき隊列を組んで来た海軍が何かやったのだろうか?

ナミが走って行った方向はアーロンパークがある方向だ。

だとしたら……ナミのあの怒りの表情と言い、海軍の動きと言い。

……全く、だから俺は海軍が嫌いなんだ。

 

「ジーク?顔が恐ぇぞ?」

「っ!………悪い、心配掛けたな」

「いいさ。そんな事よりもナミの奴、おれに当たらなくても良いじゃねぇか!?」

 

いけないな、ルフィに心配掛けてしまった。

俺の海軍に対する態度は俺だけの問題なんだ。

露骨に表面に表情を出すのは気をつけないと。

 

まだナミに対してブツブツ言ってるルフィを残してナミの家に向かった。

 

海軍にやられたのであろうミカン畑の残骸の中を進む。

所々枝が折れていたり、根っこから掘り返されたりしている。

 

ルフィのお陰で冷めていた海軍への怒りが再び湧いてきた。

 

恐らくだが、あの海兵等はアーロンによってナミの村を解放する為のお金を奪う為にまわされた買収済みの海兵だろう。

近隣の海軍支部の買収、そんな事をしてなければとっくに本部への通報がいってるはず。

アーロンは元々、グランドラインに居た海賊だったはずだ。

本部が目を離さない訳がない。

既に海軍が引き上げた後で良かった。

ここで海軍に喧嘩売って本部の連中が出てきても俺だけじゃなくて仲間達の迷惑になってしまう。

 

元居た方面、つまり村の方向から大きな声で打倒アーロンの声が聞こえてくる。

村人たちの声だ。

 

頼みの綱、ナミの貯金が奪われて我慢の限界が超えたのであろう。

ここに着いた時から薄々考えていたが、やっぱりこうなるか。

 

覚悟を決めて村に戻る。

そこで

 

「話は聞けたか?」

「あぁ、ばっちりだ」

「とりあえず魚人共を倒せばいいんだろ?」

「うおぉぉぉーーー。お姉様には止められたがおれはもう我慢できねぇ!!!」

 

自分の肩に彫ってあるアーロンの刺青をナイフで何度も、何度も突き刺すナミの姿があった。

 

後で治療してやらないとな。

包帯の予備がもう足りないが何とかなるだろう。

 

見ていて痛々しい行為を繰り返すナミにルフィが後ろから手を取って遂に止めた。

 


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