ONEPIECE~エピソード・オブ・クリューギュロス~   作:与麻奴良 カクヤ

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143 第六十六話 聞く者、聞かぬ者

ナミに殺されたと思われたウソップは生きていた。

だが今は瀕死、とまではいかないが傷を負っていた。

ゾロとサンジのケンカに巻き込まれて負った傷だ。

俺は今その傷を治療していた。

 

「ふーぅ。サンキュー、ジーク!助かったぜ、ってお前がおれを安全なとこまで守ってくれてたらこんな事までならなかったんだよ!!!」

「でも、お前は自分から進んで逃げたじゃないか?」

「そうだけどもよ!!アーロンに直接殺されそうになったんだぞ!!分かるか、怖かったんだぞテメェ!!!」

 

解せない。

それは俺が煽てて一人で逃がしたのは悪かったと思うけど

 

「でも、捕まって何か収穫があったんじゃないのか?」

「そう、問題はナミだ。おれはあいつに命を救われた」

 

俺が話題を変える様に問うと、どーん!とウソップが言った。

 

どんな方法でかは知らないがナミはアーロンにウソップを殺されない様に自分で殺したように見せたのであろう。

 

そのままウソップが続けた。

 

「どうやらあいつが魚人海賊団にいるにはワケがあるとおれは視る」

 

そこまで考えて着いたか。

 

「無駄だよ!あんたらが何をしようとアーロンの統制は動かない」

 

ウソップの声をするか否定するかのような声が聞こえた。

振り返ると褐色肌の水色髪の女の子がいた。

 

「ノジコ」

 

ウソップが彼女の名前を呟くとルフィが

 

「誰だ?」

「ナミの姉ちゃんだ」

 

ウソップが答えた。

ナミの姉との言葉にサンジが

 

「ンナ、ナナナ、ナミさんのお姉様!!!?さすがお綺麗だァ♡!!」

 

目をハートにしてノジコを褒める。

そんな中、ゾロだけが真面目にノジコの言った事を聞き返す。

 

「無駄だってどういう事だ?」

 

今来たばかりのルフィとルフィに簡潔に説明したウソップは兎も角、サンジは出会う女性全てにこのテンションなのか?

 

サンジを無視し、ノジコは無駄の意味を語る。

 

「お願いだからこれ以上関わらないで!村のいきさつは全て話すから、それを聞いたら直ぐに出て行って」

 

それは出来ない相談だな。

村のいきさつをこいつらが聞いてどう判断するかは俺も分かるつもりだ。

それよりもまたあの話を聞かなくてはならない事が少し面倒なのだけど。

 

それぞれが楽な姿勢になっていざノジコが語る過去を聞くとなった時にルフィが

 

「おれはいい。あいつの過去になんか興味はねぇ」

 

と言って歩き始めた。

散歩するそうだ。

 

俺もルフィに便乗して楽をしよう。

 

「俺も行くよ。ルフィを一人にさせて置けない。」

「ジークは話は聞かなくていいのか?」

「俺は一足先にゲンゾウって人からある程度聞いてるからな」

 

またなって言ってルフィを追いかけた。




クオリティの出来乙

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