ONEPIECE~エピソード・オブ・クリューギュロス~ 作:与麻奴良 カクヤ
お願いですから見捨てないで!!
コツコツと頑張ります。
カップに注いだコーヒーの量から最適なミルクの量を目分量で割り出し、付近まで一気に注ぐ。最高の飲み物まであと少し、最後のミルクをカップに注がれた液体の色に注意しながら慎重にミルクを注ぐ。
こうして作った自作のカフェオレを口に含み、喉を通して胃に送り込む。口に含むとまず感じるのはコーヒーの僅かな苦味、その後ミルクが苦味を消し、訪れるのは甘味。砂糖は特に入れてないがジークには自作のカフェオレがそう感じさせられる。
僅か苦味がパンク寸前だった思考をスッキリさせ、スッキリした思考を甘味で回転するのを感じる。
だから俺は自作のカフェオレが好きだ。
一秒が長く感じられ、頭が冴え、ドンドンと思考が回る。
これからどうするか、何をするのかが最善なのか?ナミについて考える。
少し、どころかかなりの時間が過ぎた気がする。
そう思うのは俺だけだろうか?
自作のカフェオレを飲んだ時、思考の海に入り込むとジークには短時間がとても長く感じる。
実際にジークが船に戻ってから包帯を探し、カフェオレを飲み干すまで十分と掛かってない。
つまりたった五分弱でジークにはかなりの時間が過ぎた、と感じさせれる程の集中力で思考の海に入る。
それが良いことなのか悪いことなのかは判断しかねないがここでは置いておこう。
さて、替えの包帯も持ったとこだし、ゾロやウソップ、ジョニーと合流しないとな。
俺がジョニーの船から降り、ゴーイング・メリー号に戻った後、あいつらは魚人から逃げれたのか、はたまた捕まったのか、それとも誰かに助けて貰ったのか、俺には分からない。
ちっ、こんな事なら見聞色の覇気を覚えておけばよかったな。
見聞色の覇気、それは気配を読む力。この力を覚えれば、熟練度にも寄るが範囲内の人の数、動き、感情、そういった事が読めるようになる。
例えば今ジークが見聞色の覇気を使えればゾロ、ウソップ、ジョニーが何処にいるのかが一瞬で分かる。が生憎、ジークは今まで、六式の一部を覚えることに時間を使い、覇気の習得に時間を割いていない。覇気の習得は人によっては年単位で掛かる可能性があり、それよりも使い手が身近にいた六式の方をジークは優先して覚えた。
あの人の機械にも覇気の習得方法が載っているはず。
これからグランドラインにも入るし、習得して置いて損はないかな。
ともあれ、まずはナミを連れ戻してからでも遅くはない。
ゴーイング・メリー号を降りてジークは事前に用意しておいた地図を頼りにココヤシ村へと足を向けて歩き出した。
今回、全然進んでない。