ONEPIECE~エピソード・オブ・クリューギュロス~ 作:与麻奴良 カクヤ
思考の海に入り込んだジークに変わり、ほどけ!と叫ぶゾロにウソップは近づいてバンバンと叩きながらゾロの傷の心配をする。
「無理すんな、叫ぶだけで気絶しそうな癖に。お前、死にかけたんだぞ?」
「…………!!!」
「ウソップ、ゾロが苦しそうだからやめろって」
思考の海から戻って来たジークがゾロの顔色が悪くなってきたのを見つけ、ウソップを止めた。
「ゾロ、気分はどうだ?」
「どうもこうもあるか!!縄をほどけ!!」
「大人しくしてるってならほどいてもいいんだがな………」
大怪我人が戦闘に切り込むとか言わなかったらこうして縄で縛く必要もなかったんだが……こいつ、自分がどれほどの大怪我か分かってなんじゃないのか?
ゾロとジークが話している間にもウソップは勝手に仕切る。
ナミの居場所がアーロンパークで無い事に元気一杯のウソップ。
「アーロンパークじゃないと分かったら元気なんすね」
とジョニーに言われる始末だ。
それでもは声を上げ指示を出すウソップにジョニーは適当に返事を返し指示に従う。
メリー号まであと少しと言う所で残橋に人影があった。
一般人とは明らかに違う肌の色、背中から頭にかけて背ビレが付いている、魚人だ。
早速、魚人の登場にウソップとジョニーは意見合致でメリー号を素通りる。
「何通り過ぎてるんだよ!!」
「「しぃーーーーい!!」」
メリー号を素通りにゾロが大声を上げるがウソップとジョニーが二人揃って手を口に当てる。
ゾロに逆ギレするウソップ、その時ゾロがあることに気づいた。
「あれ?ジークの奴がいねぇぞ!どこ行った?」
「それどころじゃねぇよ!!魚人が追って来た。脱出!」
「御意!」
ウソップはゾロの発言を無視してジョニーと共にゾロを船に縛ったまま置いて海に飛び込んだ。
「久しぶりのメリー号、ただいま」
ゾロが魚人に捕まっているその時、ジークはメリー号の甲板にいた。
実はジーク、メリー号とすれ違った瞬間に月歩で空に飛び上がり一人、今回の目的の一つであるメリー号に戻って来た。
「さてと、包帯の予備は何処にしまったけなぁ?」
もちろん、ただ戻って来た訳ではなくゾロの包帯の変えを取りに来たのである。
ゾロの奴、ホントにザックリといかれたからヨサクとジョニーの船にあった包帯は全部使い切ってしまったからあいつらに渡さないともいけないしな。
包帯を取り出し準備した後、冷蔵庫に向かいコーヒーとミルクを取り出してカフェオレを作る。
ここ数日、ドタバタしていたし少し休憩しても文句はないだろう。