ONEPIECE~エピソード・オブ・クリューギュロス~   作:与麻奴良 カクヤ

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夏休み終了まであと八日!


*第一編 ジーク  *第一部 ただ何もしない 東の海 *第五章 ココヤシ村
124 第五十話 迫りくる音


こいつらは俺と違って勇気があって、強者に挑める本物の強き者だ。

それに比べて俺は強者に挑めないヘタレ野郎、そのことに恥かしい。

俺がルフィの船に乗った理由は誘われたから、名前にDがあったから、海賊王になりたいと言ったから、こいつと一緒にいると俺の目標に追いつくかも知れないと思ったから、俺はただ、この一味を利用していただけだった。

だけど、考えが変った。

俺は、ルフィを海賊王にしてやりたい。

俺の目標とか関係なくルフィの夢を叶えてやりたい。

そう思わせる位、今回の件で考え方がひっくり返った。

これから先、ルフィが戦うべきでない相手は俺が排除してルフィの夢の道を作ってやる!

 

俺の中で考え方が変わり、新たな決意をしたところで、まずはナミを追いかけて船を進める。

 

「ヨサクとジョニー、お前らナミが去っていった方角覚えてるか?」

 

俺の質問にヨサクとジョニーは答える。

 

「もちろんですぜ!」

「なら、船の航海を任せる。俺はゾロの治療に専念する!」

「わ、わかりやしたぜ、ジークの兄貴!」

 

船を進める事をヨサクとジョニーに任せて俺はウソップと共にゾロの治療を開始した。

 

「専門職じゃないんだ、ちょっと雑かもしれんが医者のいるとこまで我慢してくれ」

「ジーク、お前は何でも出来るな!傷口を縫うとか医者みたいだなぁ」

「傷口が綺麗に斬れてて助かった。ゾロ、寝てろ」

 

ウソップをこき使い、ゾロの傷口を塗っていく。

 

「ん?何か、ゴオォォォーーーーーって音がしないか?」

「そうか?気になるんだったらおれが見てくる」

 

集中してた為か、遠くの方から海を勢い良く進む音が聞こえてきた。

ウソップに聞いてみると見てくると言って立ち上がった。

 

方向は後ろ、段々と音が大きくなって——

 

「ギャアアァァァァーーーーーーー!!!!??ジ、ジークゥ~~~こっちに早く来てくれぇぇぇぇ!!!」

 

何事だ!大声で叫びやがって。

 

針で縫う工程は先ほど終わったのでゾロが安静なのを確認してウソップの所に向かおうと振り向いた瞬間、俺は絶望した。

 

「ヨサク!ジョニー!船を三時か九時の方向に急いで旋回しろ!!」

 

船室にいたヨサクとジョニーに指示を出し、足を無理やり動かして船の後方、ウソップのいる場所まで走った。

 

「早く、鏡を張ってくれええぇぇぇ!!!」

「無茶言うな!鏡が持つかよ!!」

 

突如として聞こえて来た迫りくる音の正体、それは船の後方、九時の方向からこちらに追ってくる馬鹿でかい斬撃だった。

 

鷹の目!何で今になってこんなの撃ってきやがる!!




ジークは迫りくる『世界一の斬撃』を回避することができるのか!?

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