ONEPIECE~エピソード・オブ・クリューギュロス~ 作:与麻奴良 カクヤ
俺は勝手に船内を探し回り、救急箱を見つけて甲板に出た。
鷹の目に見つかるなんて知ったこっちゃねぇ、ゾロが大怪我してるんだ。
仲間が大変な時に鷹の目に見つかるのが怖いからって黙って船内に隠れる程、俺も薄情者じゃない。
第一にあいつらがゾロの手当てを出来ると思うか、俺しか手当てができる奴は居ない。
鷹の目にばれる覚悟で甲板に出ると丁度、ヨサクとジョニーが海に落ちたゾロを引き上げた所だった。
「どけ!応急処置をする」
「ジークのアニキ!」
「お願いします。ゾロのアニキを助けてください」
「何か、手伝えることはないか!?」
ゾロは肩からザックリと切り裂かれて血がおびただしい程出ていた。
まずは傷口を綺麗な水で洗い流す所からだ。
「だったら、綺麗な水と清潔な布を用意してくれ!」
俺がこの二つを頼むとウソップは船内に走って行った。
ルフィが鷹の目と何か話してる、正直言って気になるがそれどころじゃない。
ウソップが戻って来ると水を掛けて傷口を洗い流す。
流石最強の剣士、傷口が綺麗だ。
「ウソップ!ゾロは無事か!!?」
ルフィからゾロの安否を確認する声が上がった。
ウソップが答える中、俺は止血剤を塗っていた。
ホントは縫う方がいいんだが、一旦この状況を切り抜けてからだ。
その時、ゾロが手を挙げた。
「ル……ルフィ。………聞…こえる………か?」
一本の刀を手に取り声を上げるゾロ。
「不安にさせたかよ、………お前は…おれが世界一の剣豪くらいにならないと困るんだとよな……」
喋り過ぎた為か血反吐を吐くゾロ。
俺は手を止めてゾロの行動を見守る。
「俺はもう、二度と負けねぇから!!あいつに勝って剣豪に日まで、俺はもう二度と負けねぇから………文句あるか!海賊王!!!」
ゾロは誓った、この敗北から二度と負けないと。
ルフィやゾロを見て俺は哀れにも自分が恥かしいと思ってしまう。
俺は昔っから逃げてばかりで挑戦と言うものをしてこなかった為か、絶対に勝てる自信がある勝負しかやって来なかった。
子供の頃から、あいつと張り合って来たばかりかそこらの海賊よりは強かった俺は自分の力を過信すらせずに謙虚に生きてきた。
あの人が渡り歩く世界が高すぎたせいか臆病でもあった。
夢の為に命を掛ける覚悟はある、が覚悟があっても死というのは怖い。
故に圧倒的な強者には挑まない、これが俺の中の鉄則だった。
だが挑まなければ強くなれない、ゾロは俺にそう教えてくれた。
本人には意志はないだろうがゾロの行いは俺のなかで深く響いて考え方を変えてくれた。
最後の方、よくわからんと言う方はジークの中で、今まで絶対的な強者に挑戦する勇気がなかったのをゾロの行いを見て変化したとかでも思ってくれればと思います。
自分でも書いててよくわからんかったZE!