ONEPIECE~エピソード・オブ・クリューギュロス~ 作:与麻奴良 カクヤ
これからも低技術なりに頑張って行きます。
夏休み終了まであと十日
もう、見える範囲まで近づいて来たのかよ!
世界最強の剣士、鷹の目『ジュラキュール・ミホーク』
俺は急いで船内に入った。
見つかっちゃいないだろうよな、何で暇つぶし如きでこんな辺境の
七武海は政府に海賊を何割か治めないといけないのは知ってるけどさ、鷹の目は適当にぶっ潰して気が済んだら帰る、というのを鷹の目を良く知る人から聞いたことある。
クールに見えて実は好奇心旺盛だとか、俺を見つけたら絶対にあの人との関係性に気付いて勝負を仕掛けて来るに決まってる。
サッサとクリーク潰して新世界に帰れ!
船室に入るなり心の中で鷹の目に思いっきりキレた後、窓から鷹の目を見た。
クリークの手下が撃ったピストルの銃弾を背中に背負っていた巨大な剣先で逸らす、と言う曲芸を見せてくれた。
銃弾を斬るんじゃなくて逸らす、わざわざ一端の剣士だと出来ないような剣技、そんな事したら……あぁーーーあぁ。
鷹の目の前にゾロが出て来た。
それだけで俺は絶望した。
ゾロは既に腕に巻き付けていた手ぬぐいを頭に巻き、本気の戦闘態勢だ。
何で今勝負を仕掛けるのかなぁ?
あれ見て勝てないって分からないのか、ゾロ。
船室だと外の声が聞こえないがこれでいい、外に出て鷹の目に見つかってみろ。
俺が厄介だと思う出来事しか起こらないのは確かだ。
刀三本抜き構えるゾロに対して余裕の表情で腕を組む鷹の目、クリークですら腰を下ろして見守る。
この、世界最強の剣士対最弱の海、
鷹の目は得物を抜いた。
首にぶら下げていた小さい刃物を抜いてゾロを怒らせた。
そして勝負が始まった。
はっきり言って勝負にならなかった。
ゾロの全力攻撃は小さい刃物一本で止められ、猛攻も容易く捌かれ鷹の目の小さい刃物がゾロの胸に刺さった。
それでもゾロは引かない。
何を喋ってるか聞こえないが、きっと鷹の目の興味をそそるような話だったに違いない。
鷹の目は気に入った奴は絶対に殺さないとあの人から聞いたことある。
何でも、また勝負をしたいからだそうだ。
証拠に鷹の目は背中に背負てた黒刀を構えた。
そして交差する二人、ゾロは持っていた刀二本が折れ咥えていた刀を鞘に戻すと真っ正面から最強の剣を体で受けた。
ザックリといかれたな、出血多量で死ぬかもしれないがそんなへまはしないだろう。
だって鷹の目、笑ってるもん。
絶対気に入れられたよ。
包帯と消毒液、用意しておかなきゃ。
足りるかなこれ?
ジークは音声なしの観戦でした。