ONEPIECE~エピソード・オブ・クリューギュロス~   作:与麻奴良 カクヤ

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夏休み終了まであと十一日


121 第四十七話 ナミの価値

水平線の彼方に薄っすら見えるゴーイング・メリー号を見つけたルフィはヨサクとジョニーに聞く。

 

ナミに甲板から海に落とされ、俺達に引き上げて貰ったヨサクとジョニーはナミに逃げられたと俺達に伝えた時、膝を着いていたため、そのまま正座で座っていたヨサクとジョニー。

 

「ヨサク、ジョニー!お前らの船は?」

 

ルフィに問われるとヨサクが答えた。

 

「それは残ってやすが」

 

ヨサクとジョニーの船は残ってると聞いたルフィは俺達を呼ぶ。

 

「ジーク!ゾロ!ウソップ!!」

 

ルフィに呼ばれた俺達はそれぞれの反応をみせる。

 

「ほっとけよ、なんな泥棒女追いかけてなんになる」

「でも船は大事だろ!」

「航海士はもう一度、集め直しか…」

 

ゾロはナミに怒りを抱き、ウソップはナミはともかく船が大事だと、最後に俺は、船は取り返すけど航海士は集め直しかと落胆する。

 

ナミの航海術は偉大なる航路(グランドライン)でも通用しそうだったのにな、惜しい事をした。

あいつ以外に偉大なる航路(グランドライン)に通用する航海術をもった奴がこの東の海(イーストブルー)にいるのか?

俺はいないと思う、一緒に旅をしたのは僅かだがあいつは目的地に直行では無くてちょくちょくと進路を変えていた。

それってもしかして、天候が悪くなりそうなルートを事前に察知して避けていたのか?

進路をちょくちょく変えても海図もまともに読めないあいつらが気づく可能性はゼロに等しいが俺だけは進路がおかしいと航海中に思ったのは正しかったのだろうか?

だとしたらルフィ、ナミは逃したらいかない航海士だぞ。

 

「おれはあいつが航海士じゃなきゃいやだ!」

 

俺の思考を読んだかのようなタイミングの良さ、絶対にルフィが気に入っただけのワガママだろ。

 

ルフィが言ったのはワガママであって船長命令でもある、故にゾロはため息をつき

 

「……分かったよ、まったく世話の焼ける船長(キャプテン)だぜ」

 

素直に受け入れてウソップと俺を呼んだ。

 

「ゾロのアニキ、船の準備できやした」

 

ヨサクの声が聞こえた。

どうやら、ルフィに問われたすぐ後に準備を開始してたみたいだ。

これで直ぐに出港できる。

 

「ルフィ、お前はどうする?」

 

ウソップがルフィに問いかけた。

緊急事態といえルフィはまだこのレストランの雑用期間、ケリを付けるまでいるそうだ。

 

そして俺達がナミを追って行こうとする直前、絶望した海賊の声が響いた。

 

「あいつだ!!俺達の艦隊を潰した奴がここまで追って来たああぁぁぁぁ!!!!」

 


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