ONEPIECE~エピソード・オブ・クリューギュロス~ 作:与麻奴良 カクヤ
「なんか、いいだろう。あのコック」
「そうだな、確かにどんな奴にも腹を空かせてたら食わせる。いい奴だよ」
今のコックたちのやり取りを聞きサンジの良さを何とか伝えようとするルフィに俺も肯定した。
「どうでもいいいいよ、そんな事。それよりも逃げようぜ!」
「落ち着け、相手はボロボロの怪我人だぜ」
コック確保よりもクリークが攻めてくる事に怯えるウソップをゾロが落ち着いて宥める。
ルフィは戦う気満々のようで、ここにクリークが来る発端となった人物、ギンにグランドラインの事を尋ねた。
ギンというのは俺達がレストランに到着した二日前に船でルフィを待っている間に起った出来事で知り合ったらしい。
ルフィがレストランで雑用になる原因を作った張本人、何とか大尉の船に捕まっていたギンは何とか脱走し、ご飯を要求した。
お金のない海賊に食わせるメシはないとレストランを追い出されるがサンジだけは違った、腹が減った奴にはどんな事があろうと食わせると内緒でギンにメシを食わせて上げた。
この場面を見てルフィはサンジを気に入ったらしい。
何でこんなにも知ってるかって?
夜、船に戻って来たルフィが喜々して何度も話すんだもん、そりゃあ覚えるよ。
話を戻そう。
ルフィに聞かれたギンはクリーク艦隊がグランドラインに入ってからの出来事を語った。
グランドラインに入って七日目、五十隻の艦隊がたった一人の男に壊滅させらせたと言う。
ギンの言葉に聞いてた奴ら全員、俺とオーナーさんを除いて驚く。
五十隻の艦隊をたった一人で壊滅させるレベルなんて最低、億越えの賞金首でしかない。
しかし普通の海賊だったらそんなバケモノ序盤にいるか?
俺がクリーク艦隊を壊滅させた奴を考えているとギンが最後に言った一言で俺とゾロが驚く。
人を睨み殺すかの様に鷹のような鋭い眼つきをした男、クリーク艦隊を壊滅させた男を俺は知っている。
知っているだけであって実際に見たことはないんだけどその特徴を聞いたら知ってる人は知ってる。
俺の場合はあの人がよく話してたから、あの男がクリーク艦隊を壊滅させる位強くて、何とか逃げ押せたクリークを追ってここまで来る可能性を俺は知っている。
「それは、鷹の目に違いない」
あ、オーナーさんは当然知ってましたか、そうですよね。
「誰だそりゃ?」
「知らねぇ?」
ルフィ、ウソップ、海賊やっててこの異名を知ってないのはどうかと思うぞ。
「俺の探してる男さ」
ゾロが言った。
そりゃあ、ゾロは知ってるはずだよな!
なんせ世界最強の剣士、鷹の目のミホークだもんな、その男!!