ONEPIECE~エピソード・オブ・クリューギュロス~ 作:与麻奴良 カクヤ
それでも見てくれたら嬉しいです。
話し合いが続く。
「ルフィの雑用期間を短くしてもらいたいと思いまして、修理代はこちら側が出すのでせめて元に直るまでの期間に減らしてください」
「何だ、あの小僧はお金がないから働いて返してるんだぞ。あいつは噓を付いたのか?」
「いいや、お金がないのは事実だ。だけどそれは、海賊団のお金がないんであって、修理代は俺の自腹で出すつもりで」
「………金が出せるなら俺が文句を言う筋合いはねえ、大人しく受け取ろう。それならば、小僧の雑用期間は無しでも良いだろう。あれをこっちに置いておくと被害がもっと出そうだ」
「それはそうですが、あいつにも働く、と言う事知ってもらえたらなと思いまして、せめてこの部屋が直るまででお願いします」
「良いだろう」
緊張の話し合いも終わりほっとしていたらオーナーさんが話し質問をして来た。
「俺はここで料理人をする前はグランドラインで海賊団の船長兼料理人をしていた」
へーえ、グランドラインで航海ができる程の海賊団の船長か。
「その時にお前によく似た海賊を見たことがある」
ぷううううぅぅぅぅぅぅぅぅぅーーーーー。
あの人のことじゃねえか!!
「そ、そうですか。俺には関係ない話ですね」
「俺の記憶が間違ってなければお前にそっくりだ。無関係なかろうが」
ですよねぇ、昔の海を知ってる人から見れば俺とあの人の関係性を知ってる人や勘ずく人もいるだろうし、俺の手配書も実力よりもそのことで額が設定されてるっぽいから一生縁が切れる訳ないか。
お願いだから俺の人生にあまり関与しないでもらいたい。
「まぁ、俺も一度見たことがあるだけだからな。そんなに話すこともない」
良かった、ここでばらされると俺の人生おちおち外に出られなくなるところだった。
実際に俺もあの人が以前に何をやっていたのか分からないし、知りたくもない。
「お、お金の請求は後ほどお願いします!ではこれで、お忙しい中お時間頂きありがとうございました」
とだけ言って逃げることにした。
昔の世代の人、怖いよ。
船に逃げるように帰って来た後、皆にルフィの雑用期間を短く出来た事を話した。
「これで何とかなったな」
「船の旗、書き換えずに済んだわね」
「俺はお前がやる男だと分かっていた!お手柄だ!」
それぞれよくやったと褒めてくるが実際はお金の力で解決したとはあいつらには話してない。
あくまで話し合いの結果だと思わせておく。
俺がお金持ちだと知れば寄ってたかって来るに決まってる。主にナミが。