ONEPIECE~エピソード・オブ・クリューギュロス~ 作:与麻奴良 カクヤ
「これは教訓ね」
「長旅にはこんな落とし穴があるってことだな」
「実際にあいつらはおれ達と合わなければ死んじまってた訳だ。」
「俺達っていうかこの船に俺かナミが乗っていなかったらお前らも同じ運命になっていたかも知れないんだぜ」
ヨサクとジョニーに会った俺達は海の上でも栄養配分をキチンと考えないといけないことを改めて考えさせられた。
「海の上で限られた食材の中で長旅に必要な栄養配分を考えられる海のコック、よくよく考えたら必要な能力だ」
「そうだな、俺も一人旅で料理を作れると思っていたけどそのことを考えると専門家は絶対いるな」
俺がウソップを援護射撃するとルフィが決断した。
「よし決まりだ、コックを探そう。何より船でうめぇメシが食える」
「ハイハイ、アニキ」
ジョニーが話に割って入ってくる。
「俺、いい所知ってます」
コックを探すのに最適な場所なんてあったけな?
「海上レストラン!!?」
「そう、こっから二、三日船を進めたらある」
二、三日か・・・。
妥当な距離だな。
「でも海賊の俺達がそんなとこに行っても大丈夫なのか?」
「騒動さえ起こさなければ大丈夫ですよ。グランドラインの近くでやべぇ奴らの出入も聞きます」
海賊も大丈夫なのか、それなら騒動の為にコックも相当な者達なんだろうな。
ルフィの目に掛かるコックが見つかればいいな。
案内してくれるというジョニーに甘えて俺達の進路は海上レストランにと少々北上していった。
案内は相棒の命を助けて上げたお礼かな?
だとしたら、助けた甲斐があった。
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ジーク達が海上レストラン『バラティエ』に向かって航路を進めている頃、その目的地のレストランに一人の女性が辿り着いた。
ピンと背筋を伸ばしてここの世界に場違いな格好をしているその女性は何だか不思議な空気を発していた。
「ここが海上レストラン『バラティエ』ですか」
ピンっとした声が建物に向かって呟く。
ここは海上レストラン、つまり海の上にあるレストランだ。
当然、船に乗って来るはずだがこの女性の乗ってきた船は見当たらないというか今このレストランに船は一隻も止まっていない。
ならどうやってこの女性はここまでやって来たのだろうか?
船が無くても海を移動できる程の実力者なのか。
「さて、お手並み拝見させて頂きますよ、サンジさん」
謎の言葉を発しながらその女性はレストランに入っていく。