ONEPIECE~エピソード・オブ・クリューギュロス~   作:与麻奴良 カクヤ

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遅くなりました。


106 第三十二話 シロップ村出港

「うあぁぁぁぁぁぁーーーー止めてくれぇぇぇぇ」

 

出港準備を続けているとウソップの声が響いた。

 

ジーク達は坂道を見るとウソップが大きなリュックサックに足を囚われて坂道を転がり落ちていた。

 

「ウソップさん!」

 

カヤもこの登場に驚く。

 

「ぎぃやあぁぁぁぁぁーーーーーー!!!」

 

このままでは折角貰った船に直撃コース

 

「とりあえず止めるか」

 

とゾロが言うとジークが

 

「鏡でも張ろうか?」

 

「いや、いいよ」

 

ルフィがジークの申し出を拒んでルフィとゾロが転がって来る玉を止めた。

 

足で、それもウソップの顔にあてて。

 

「……わ、わりぃな」

 

ジークは執事のメリーと話していた。

 

「やっぱり、追加の食糧はいいよ」

 

「あれ?ホントによろしいのでしょうか?」

 

先ほどの食糧増加を撤回したジークにメリーが首をかしげる。

 

「あぁ、十分な食糧も大事だけど用意して貰ったのは五人で十分に持つ量だ。元はルフィの大量摂取を考えて頼んだんだけどルフィには我慢してもらおう」

 

「はぁ、分かりました」

 

ルフィの食事量を知らないメリーはジークの説明を聞いても分からなかったそうだがそこは執事をしてあまり干渉せず直ぐに引いてくれた。

 

「さて、そろそろ俺達の船に乗るか」

 

ジークが船に乗って船室を見ていると陸地ではウソップとカヤが別れの挨拶をしていた。

 

「やはりウソップさんも海に出るのですね」

 

「ああ、決心が揺るがない内に行くんだ。止めるなよ」

 

ウソップも海に出るそうだ。

 

メリー号の横にちょこっと小舟が並んでいた。

 

それで海に出るらしい。

 

「戻ってきた時にはウソみたいな冒険を聞かせてやる」

 

「うん、楽しみにしています」

 

約束を交わす二人。

 

「お前らも元気でな、またどっかで会おう」

 

「なんで?」

 

ウソップの別れの挨拶にルフィは首をかしげる。

 

「何で?って愛想のねぇ野郎だな。海賊やるんだからまた海で会ったり———」

 

ルフィに説明をするウソップに声がかかる。

 

「何言ってんだ。早く乗れよ」

 

ゾロもウソップも一緒に来るものだと思っていた。

 

「え」

 

一人で海に出るつもりだったウソップは混乱する。

 

「食糧は五人分あるんだ」

 

そこへ船室から出て来たジークがカヤにはウソップがルフィ達と一緒に行くと思われていたと遠まわしに言った」

 

ウソップは更に混乱する。

 

ルフィが最後の追い打ちをかけた。

 

「おれ達もう仲間だろ?」

 

会ったばかりの頃に仲間を拒否されたのに今はこの態度のルフィ

 

「キャ、キャプテンはおれだろうな!!」

 

ウソップは精一杯の返事を出した。

 


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