ONEPIECE~エピソード・オブ・クリューギュロス~   作:与麻奴良 カクヤ

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103 第三十話 防御完了

ジャンゴが叫ぶ。

 

「そうでもないぜ!」

 

その時ゾロがニヤリと笑い距離の途中で枝をスパッと斬った。

 

「そう、その枝が邪魔だったんだ」

 

呟いたのはウソップ。

 

この距離で攻撃するにはゾロではいくら何でも時間がかかる。

 

だが、この距離を攻撃出来る者がここにはいる。

 

ウソップだ。

 

ゾロはウソップの射撃線にあった邪魔な枝を斬った。

 

普段では危なくて使えない玉をセットした自慢のパチンコを構えウソップは自信を持ってその玉を放つ。

 

「喰らえ、催眠術師!!必殺火薬星!!」

 

村に危険を及ぼす海賊だからこそ使える小爆発を起こす火薬星。

 

ウソップは寸分の狂いもなくジャンゴの顔に当てた。

 

「ッブバ」

 

体ではなく顔で爆発が起こると普通の人は意識を一瞬でなくなる。

 

ジャンゴも例外無く倒れた。

 

海賊ごっこをしていたウソップが本物のしかも賞金首の海賊を一人でとは言えないが倒した。

 

 

ジークは抱っこしていたカヤを地面に降ろすと後はウソップに任せるべく一人で戻ろうとしていたゾロを追いかける。

 

「一人で戻れるのか?」

 

嫌味ったらしくゾロに語りかけるジーク。

 

ここでジークが声をかけずに一人で帰したら間違いなく迷うところだっただろう。

 

「うっせぇ!お前こそフラフラじゃねぇか」

 

「そういった意味で言った訳じゃないんだけど。俺は能力を使い過ぎただけだよ。直ぐ治る。」

 

ジークが言った意味をキズの事だと勘違いしてゾロは自身よりもジークの事を心配した。

 

歩く内に良くなっていくジークと逆にゾロのキズは短時間で良くはならない。

 

「ゾロこそ腹、思いっ切りやられたな。普通なら歩けないからな」

 

「そんな事で歩けなくなるようじゃ最強には程遠い」

 

「……最強ね」

 

ジークはゾロが言った最強の言葉に世界最強の剣士の情報を思い出す。

 

そのまま会話はなくルフィとナミの元まで帰った。

 

 

「お前らがいなかったら村を守り切れなかった」

 

元の海岸直通の坂道でルフィとナミに合流し一応全員が無事な事を確認するとウソップがやって来た。

 

一緒に村を守ってくれたお礼を言った。

 

「なに言ってんだ。お前が何もしなきゃ俺は動かなかったぜ」

 

ウソップが守りたいと頑張ったから俺もそれを助けたというゾロ。

 

「おれも」

 

ゾロを肯定するルフィ。

 

「どうでもいい事じゃない。お宝が手に入ったし」

 

クロネコ海賊団の宝を手に入れて嬉しそうなナミ

 

「ああいう海賊はできるだけ潰せって習ったからな」

 

ウソップがやらなくても一人でやっていたとジーク。

 

「おれはこの機に一つハラ決めた事がある」

 

ウソップは覚悟した顔で言った。


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